天国まで百マイルのまとめ
会社を倒産させ、妻子とも別れた中年男。バブルだった時代を懐かしみながら、ホステスの家に居候し、やる気のない日常を過ごす日々。そんな毎日が一変する出来事が。年老いた母親の心臓が持たない、入院している病院では手術ができないと、言われてしまった。ただ、東京から百マイル離れた、千葉の病院であれば、手術ができるかもしれない、という情報を手に入れた。奇跡を信じ、男はオンボロのワゴン車で、母親とともに、ゴッド・ハンドがいる病院を目指すのであった。
天国まで百マイルを読んだ理由
ドライブをテーマにした本を読みたいため
天国まで百マイルで仕事に活かせるポイント
特になし
天国まで百マイルの感想
親子、兄弟、夫婦、子供、恋人、仕事仲間、医療関係者、金貸し、顧問弁護士、食堂で出会ったドライバー。
お金という縦糸と人間関係という横糸が織りなす物語。綺麗事だけで、人は生きていくことができない。だからといって、綺麗事をなくすことはできない。「自分が一番大切である」そう思うことは自然なことだ。だからこそ、他人のために動ける人を、みな、尊い人物だと思うのだ。
無償の愛は、お金があるからこそ言える言葉なのか?それとも、お金がない時に言うべき言葉なのか?
主人公と同じような境遇に置かれたら、自分は同じような行動を取れるか? 自分の経営する会社に、主人公のような男がいたら、本書に登場する社長のように振る舞えるのか?
小気味よく切り替わる場面と、浅田次郎は描き出す心理描写に引き込まれながら、そのようなことばかり、考えてしまった。
やはり、一度読んだ本も、時間をおいて読み直すと、感想が変わるものなんだね。