著者:原田節雄
発行元:日経BP
まとめ
ソニーの中の異端な人。子会社のソニーサービスから天下りならぬ天上がりし、本社の渉外府で、様々な標準化交渉を行った人が著者。どんなに優れた製品を開発しても、それがスタンダードとして受け入れられなくてはだめだということを教えてくれる。特許を開放しても、お金を稼ぐ方法を教えてくれる。やはり、ルールを自分で作れることか何よりも重要だということを、教えてくれる。
この本を読んだ目的
ソニーの一眼カメラの良さに感動し、最近、ソニー好きとなった私。いろんなソニー関係者の本を読み漁っているのです。そんなながれですね。そして、原田さんだけは異色でしたね。
目次
第一部 交渉人修行時代
第二部 欧米勢と激突する
第三部 非接触ICカード戦争の真実
第四部 交渉NO達人
第五章 失敗しない交渉のコツ
感想
著者の原田さんは、ソニー社内で交渉の達人と呼ばれた人。Suicaの中身のFeliCaや、デンソーのQRコード、東京電力の超高圧標準電圧UHVの標準化を勝ち取った人。
この本はそんな交渉の舞台裏が、説明され、「どうすれば交渉に勝つことができるのか?」ということを教えてくれるのが、メインの本。とくに第13章の「取引材料の準備 交渉手順/交渉成功の22箇条(順不同)」がウリであるし、この内容は本当に使える内容だと思いますわ。
でもね、個人的には、原田さん自身のバックボーンの方が気になるわけですよ。ソニーのタフネゴシエーターはソニーの子会社採用だった。ソニーサービスから天下りならぬ、天上がりでソニーの部長に上り詰めた。嫌がらせも、さんざん受けながら、会社員として出世し続けてきた。更に、原田さん、ソニーに入る前はミュージシャンを目指していたのだというのだから。
すげー。
その武器が英語だった。英語ができなければ、ドキュメント正確にを読み込むこともできないし、正確に議事録を書くこともできない。必要な武器である英語力を手に入れた、その方法が素敵。
そう。この本は英語勉強法を学ぶ本としても使えるのだ。
原田さん曰く、大人の英語勉強法は「書く」「読む」「話す」「聞く」なんだと。子供の受験勉強とは違うのだと。そして、読むのであれば幼児向けの英語の本を読めと。ハリー・ポッターとかを原初で読むといいんだな。
交渉の裏側、交渉の面白よりも、英語を勉強したくなる本ですよ、まじで。