WEB銭の読書やグラベルロードのメモなど

マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

Harvard Business Review 2014.8

発行元:ダイヤモンド社

 

目次

価値提供システムで考える6つの使い分け

ビッグデータ vs. 行動観察データ:どちらが顧客インサイトを得られるのか

デジタル・データで説明できない顧客の行動原理

エスノグラフィーが顧客の真の姿を描き出す

常識を乗り越え、みずから変化を生み出す法

行動観察をイノベーションへつなげる5つのステップ

IDEOスタンフォード大学d-schoolでにわかに注目される

デザイン思考でマーケティングは変わるか

消費者を動かす3つの要素

マーケターはオンライン・レビューを武器にせよ

マーケティング 顧客の絞り込みが事業を強くする

企業にとって最も大切な顧客はだれか

戦略 成長には何が必要か

新規事業が頓挫する6つの理由

リーダーシップ いかにして指揮統率と権限委譲を両立させたか

チリ落盤事故の奇跡: 33人を生還させたリーダーシップ

ディープ・スマートを獲得する4つのステップ

ベテランの経験知を短期間でものにする法

 

 

感想

ずいぶん積読してましたねw五年も前の本ですよ。でもですね、5年経過しても、古さは感じませんでしたね。定期購読するかな、やっぱ。

 

特集は「行動観察×ビッグデータビッグデータという単語だけが時代を感じさせますね。今や、ビッグデータとあえて語らなくても、フツーことだもんな。で、データ量は増えたけれども、やっていることと、悩みは大きく変わらない。

 

で、そんな今月号で面白かったのはこんな記事。

 

「顧客の絞り込みが事業を強くする 企業にとって最も大切な顧客はだれか Choosing the Right Customer」
これ、ロバート・サイモンズ教授の論文ね。カスタマージャーニーだ、カスタマーセントリックだと言っても、その顧客の定義自体を間違っていては元も子もないと。そりゃ、そーよね、と。
では、どんな顧客を定義すればよいのか?というと、それは「最も重要なのは、最も売上げをもたらす顧客ではなく、事業の価値を最大限に引き出す顧客」なのだと。ここ重要。ここがぶれてしまうと、すべてが成り立たなくなってしまうと。
そして、ここで気がつくわけですので。「うちにとっての重要顧客、つまりウチの事業価値を最大化してくれる顧客って、どんな顧客なのか?そもそめ、うちの事業価値ってなんなのか?」と。売上至上主義、利益至上主義、シェア至上主義になっていると、事業価値もへったくれもないからな。

ということで、私の率いるチームの「提供価値」からちゃんと考えようと思いましたわ。そこぶれちゃ、だめだと。私のチームが提供できる価値、それは「運用まで考えたB2Bマーケティング支援」分解するとコンテンツ企画・作成までを考えたB2Bデジマ支援だね。

 

IDEOスタンフォード大学d-schoolでにわかに注目されるデザイン思考でマーケティングは変わるか How Design Thinking Can Change Marketing」
これは博報堂コンサルティング局局長の宮澤正憲さんの論文ですね。
デザイン思考てそもそもなに?ということにずっと疑問を感じていたのですが、この論文によってなんだかスッキリしましたね。
デザイン思考とは「新しいことを生み出すために創造的に課題解決する思考」がベースになっているのだと。
そして、そのプロセスは

 

オブザベーション(観察)
シンセンス(統合)
プロトタイピング(施策)


インプット(オブザベーション)
コンセプト(シンセンス)
アウトプット(プロトタイピング)

 


にまとめられるんだと。スタンフォードや、IDEOや、イリノイ工科大や、慶應義塾大学大学院システムマネジメント研究科などで整理されているデザイン思考プロセスを整理すると、こうなるのだとな。

 

  1. 観察して、課題を見つけ
  2. その課題を分解して、整理して
  3. 試作品をサッと作って、テストする

 

まとめると、すごい簡単そうになるけれど、簡単そうに見えるものほど難しいのよね。このプロセス、一番最初の「観察して、課題見つけて」を失敗すると、すべて失敗することになるからね。課題の定義って日本企業というか、日本人、苦手だしな。そもそも「課題を定義しましょう、見つけましょ」なんてこと、学校で教わらないしな。

 

「成長には何が必要か 新規事業が頓挫する6つの理由」
これはドナルド・L・ローリーさんとJ.ブルース・ハレルドさんの論文。
その6つの理由とは、これ。これの逆をやればいいんだな。

 

  1. 正しい監督・監視を行わない
  2. 最も優れた、経験豊かな人材に任せない
  3. チーム編成を誤り、すぐに人員を増やす
  4. 間違った方法でパフォーマンスを評価する
  5. 新規事業の運営と予算管理方法を知らない
  6. 組織のコアとなるケイパビリティを活用できない

 

ここで、ワタシが学ばなければならないのは「5.新規事業の運営と予算管理方法を知らない」だな。
もっと学ぼう。

 

で、そんな今月号を読んでいたら、この本を読みたくなりましたな。