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大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇

著者:堀栄三
発売元:文藝春秋

目次

陸大の情報教育
大本営情報部時代
山下方面軍の情報参謀に
再び大本営情報部へ
戦後の自衛隊と情報
情報こそ最高の“戦力”

 

感想

 

あれだ。

 

情報を大事にしないで、情報を取り扱っても、その目的を見失ってしまって、正しく活用できないのは日本軍だけでなく、日本全体におけることなんだということがわかる。

 

戦争とは鉄量の勝負である

 

ということは日本陸軍だってわかっていた。

 

鉄量とは弾薬の数だったり、戦車の数だったり、あれやこれやですわ。

 

百発百中の砲弾1門と百発一中の砲弾100門

初戦は百発百中の砲弾が百発一中の砲弾を破壊するけれど、百発百中の砲弾も破壊されてしまうので、ゲーム終了。

 

いや、そんなことはない。

大和魂が、そうさせない。

 

なんてやってるからだめなんだ。

 

別に日本軍だけの話じゃない。

 

効率性を追い求めず、滅私奉公をひたすら強いる日本社会も同じでしょって。

 

ちなみに、戦争中、日系人アメリカで隔離されたわけですが

これは「日系人が憎いから」アメリカがやったことでなく

一般人だろうと、スパイだろうと、とりあえず日系人、全部集めて監視しとけ

ってことだたのだと。

 

人権もへったくれもない。

日系人スパイがアメリカ軍の情報を取り扱えないようにしただけなのだな。

 

そんな話が描いてあり、感動しましたわ。

 

ちなみに孫氏の言葉の中に

 

爵祿百金を惜しんで、敵の情を知らざるは不仁の至なり、人の将にあらざるなり、主の佐にあらざるなり、勝の主にあらざるなり

 

ということばがあるのだと。

 

情報に金を惜しんじゃダダってことね。

 

正しくは、情報に金や、人を惜しむなね。

 

本書の多くは『失敗の本質』と類似している(そりゃそうだわな)のですが、

本書は情報の重要さに重きをおいているので良いです。

 

日本軍~敗戦~非具備~警察予備隊自衛隊

って時系列で日本がどのように情報を扱ってきたのかというのもわかる。

 

まぁ、シリアも、イスラム国もヤバイけれど

スエズ動乱の時のほうがヤバさ百倍だったのね。

 

きっと、今も世界中で諜報合戦なんでしょうな。

そして、情報が重要だわ、やっぱ。

 

大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫)

大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫)