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日本二千六百年史 新書版

著者:大川周明
発行元:毎日ワンズ

 

日本二千六百年史 新書版のまとめ

戦前の日本を代表する思想家、大川周明。戦前に発行したが、「不敬である」とすぐに改訂版がでた本の新書判。なお、この本はGHQによって発売禁止になったという。削除箇所も復活し、初版と同じ状態で再販されたのが本書。日本の成り立ちから、この本が書かれた昭和十年代までの話が書かれている。保守だ、リベラルだ、愛国だ、なんだかんだをかたるのであれば、ぜひ読んでおいたほうがいい本だ。大川周明は国民を戦争に先導したということで、A級戦犯なわけですが、本書の内容から、そんな好戦的な意味を受け取ることはなかったですが。まぁ、私の読解力が低かったのでしょうね。

 

日本二千六百年史 新書版を読んだ理由

「軍靴の足音が聞こえる」とか「いまは戦前と一緒のようだ」とか言われているので、戦前最高の思想家のカンガエを調べたくなったので。

 

日本二千六百年史 新書版で仕事に活かせるポイント

歴史を学ぶことの重要性ですね

 

日本二千六百年史 新書版の目次

第1章 序論
第2章 日本民族及び日本国家
第3章 日本国家の建設
第4章 儒教及びシナ文明の伝来
第5章 大化改新
第6章 仏教は如何にして日本に栄えしか
第7章 奈良朝の文化
第8章 平安遷都
第9章 貴族政治の堕落武士勢力の台頭
第10章 源氏と平氏
第11章 鎌倉幕府の政治
第12章 鎌倉時代日本精神
第13章 宗教改革者としての道元禅師
第14章 蒙古襲来前後
第15章 建武中興
第16章 室町時代
第17章 戦国時代の文明的意義
第18章 新時代の開拓者織田信長
第19章 海外発展精神の勃興とその挫折
第20章 基督教の伝来
第21章 切支丹禁制
第22章 徳川時代の社会及び国家
第23章 徳川初期の文化
第24章 徳川時代の思想界に於ける新精神
第25章 徳川時代に於ける泰西文明の摂取
第26章 幕末日本の国難
第27章 崩壊すべかりし封建制度
第28章 尊王と攘夷と倒幕
第29章 明治維新
第30章 世界維新に直面する日本

 

日本二千六百年史 新書版の感想

昭和初期の偉大なる思想家、大川周明の名著。初版は昭和14年皇紀2600年。西暦1940年。幻の東京オリンピックが開催される予定だった年に発行された問題の本。日本の歴史を、日本書紀古事記に書かれている時代から、昭和初期までを綴った一冊。「軍靴の足音」がするような思想家が書いた本なので、おもいっきり右に旋回しているだろう、と思ってました。そんなこと、まったくなかったです。

初版が発行されてすぐに、「不敬である」という理由で、府警と指摘された箇所が削除され、改訂版が発行された本書。新書版として新装版となった本書は、削除された箇所が復活された状態となっている。

改訂版で削除されていた箇所には傍線がついている。時間がなかったり、文語体で書かれた日本語を難しい感じる人は、その傍線の箇所だけを読むことをオススメする。

戦前日本最高の思想家は、けっこう冷静に日本という国と、天皇制を見ていたんだな、ということがわかりますよ。欧州列強のような帝国となるために、明治天皇による専制国家を作り上げた日本。これはフランス革命はナポレオンによる専制を、ロシア革命レーニンによる専制を作ったのと同じなのだ。そんなふうに言い切ってしまうのだからね。もちろん、これ以外にも、「不敬だ」と削除されていた箇所は、納得できる内容ばかりだ。

まぁ、アジア進出、大アジア主義を考えたひとりでもあるけれどね。でもさ、当時のアジア諸国で独立国家だったのはタイと日本だけだったんだよな。そりゃ、GHQも、発売禁止にしますよね。

ネトウヨや、日本会議の情報に毒されていない、大川周明の情報や、大川周明の思想について調べたいね。そうなると「大川周明全集」を読まなければ。文語体の日本語、読むの時間かかるんだよなぁ。

 

 

タイトル:日本二千六百年史 新書版
著者:大川周明
発行元:毎日ワンズ