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五島昇―大恐慌に一番強い経営者

著者:新井喜美夫
発売元:講談社

 

目次

序章 財界人が嫌いだった経営者
第1章 総理大臣を追い出した男
第2章 夢を追う経営
第3章 ダンディズムと優しさ
第4章 リーダーの人たらし術
第5章 日本のトップの悪習
第6章 「遊ばなければ働けない」の哲学
第7章 側近の真骨頂
第8章 家族愛と後継者
終章 ふたつの夢

 

感想

著者は東急エージェンシーの元会長。その東急エージェンシーを立ち上げた東急グループの総帥、五島昇の生き方を綴った本。強盗慶太と呼ばれる、父親・五島慶太に関する話は多いけれど、その息子に関する本はこれだけかもね。

 

サブタイトルは「大恐慌に一番強い経営者」ですわ。バブルに躍らされることなく堅実に東急グループを経営してきた五島昇を近くで見たきた著者ゆえのサブタイトルなのでしょうな。

 

グループ同士で総力戦を戦った西武グループ・堤家との比較がいろいろ出てきまして、戦後日本を形作った企業集団の歴史も、この本から読み取ることができますわな。

 

ちなみに、なんで昔ながらの日本企業がマーケティングが苦手なのかというと、こうなのだと。

 

当時は傾斜生産方式で、産業に必要なアイテムは大量に生産されていたが、生活消費に必要な製品は後回しで、自由にはてみ入らなかった。つまり、完全な売り手市場で、つくれば売れる。だから、マーケティングは必要なく、人気もなく誰もやろうとしなかったために、私にお鉢が回ってきたのだ。

 

そりゃ、マーケティングが根付くわけないよね。

 

で、父親の五島慶太と違うビジネスセンスを持っていた五島昇ですが、彼は何よりも情報を重要視して、経営をしていたのだという。その情報収集の場は東急ホテルの1001号室だったのだとな。

 

1001号室はマスコミにもオープンである。マスコミでは編集長より次長クラスが情報を握っている。数社の次長クラスに月1,2度夕方遅くになってから部屋に来てもらい、飲食をともにして話を聞いた。
経営者にとって重要なのは豊かな発想である。では発想の幅はどうすれば広がるか。発想のもとは情報である。
では、情報とは何か。情報の価値を考えてみよう。いうまでもなく、情報の命は鮮度である。極端に言えば、世界中で自分一人しか知らなくて、かつ、社会性のある情報に究極の価値がある。
テレビや新聞で報道される第二次情報は、それがいくら早くても、多くの人が知っているので、もはや手垢が付いている。
では、鮮度の高い情報はどうやって入手すればいいのか。生きている第一次情報を握っているのは人である。だから、人とあって話を聞くのが手っ取り早い。

やはり、情報が何より重要なんだよな、ということもこの本を読んでいると分かりますな。

 

 

五島昇 大恐慌に一番強い経営者

五島昇 大恐慌に一番強い経営者

 

タイトル:五島昇
著者:新井喜美夫
発売元:講談社
おすすめ度:☆☆☆(やはり情報ですな)