WEB銭の読書やグラベルロードのメモなど

マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

米陸軍戦略大学校テキスト 孫子とクラウゼヴィッツ

 

 

目次

序 文

第1章 イントロダクション――『孫子』と『戦争論

第2章 叙述と研究のスタイルに惑わされるなかれ

第3章 戦争の定義に関する誤解

第4章 政治のリーダーシップと軍事的指導者・指揮官の微妙な関係

第5章 戦争の合理的見積もりは可能か――目的と手段の相互関係

第6章 戦争の逆説的な三位一体を理解する

第7章 「戦わずして勝つ」の理想と現実――流血なき勝利と決戦の追求

第8章 兵力数がすべてか?

第9章 欺瞞、奇襲、情報、指揮統率の位置づけの違い

第10章 インテリジェンス・情報は『孫子』の真骨頂

第11章 有能な指揮官は計画をそのまま遂行できるのか――指揮と統御

第12章 意外と多い共通点――軍事的指導者の役割

第13章 何がもっとも重要か――指揮官の資質

第14章 戦場における環境と軍隊指揮官の直観力のジレンマ

第15章 勇敢さと計算(打算)どちらが重要か

終 章 両者は補完関係

 

感想

 

米陸軍戦略大学校テキストのの日本語訳です。

 

孫子の兵法と戦争論の共通点を見つけ出し、戦いの本質を浮かび上がらせます。

 

そんな本書のキモは2ページの「ワインバーガー・ドクトリン」にまとめられるんじゃないでしょうか?

それは

 

第一柱(国家の合理的行動)

アメリカもしくは同盟国の死活的な利益が干渉しないかぎり、アメリカは海外の作戦戦闘に、戦力を投入すべきではない。

第二柱(戦力の最大限集中)

もしアメリカが与えられた条件のもとで、作戦部隊の投入を決断したならば、我々は明確なる勝利の意思表示として、充分なる戦力を投入すべきである。

第三柱(政治・軍事目標の明確なる定義付け)

もし、アメリカが海外の戦闘に戦力を投入する決断をしたならば、政治的、軍事的な目標は具体的に定義されなければならない。

第四柱(政治・軍事目標の持続的再評価)

政治、軍事的目標と投入戦力(規模・編成・配置)の相関関係は必要に応じ、持続的に再評価され、統合されなければならない。

第五柱(国民世論の支持)

作戦部隊の投入に先行して、アメリカ国民と彼らが選出したアメリカ議会の支持獲得に関し、合理的な確信が得られなければならない。

第六柱(国家の合理的行動)

武力戦にアメリカ合衆国軍帯を投入するのは最終的な手段でなければならない。

 

これ、仕事にも使えますな。

 

 

米陸軍戦略大学校テキスト 孫子とクラウゼヴィッツ

米陸軍戦略大学校テキスト 孫子とクラウゼヴィッツ

 

タイトル:孫子クラウゼヴィッツ
著者:マイケル・エーハンデル
発売元:日本経済新聞出版社
おすすめ度:☆☆☆☆☆(名著だ)

問題発見プロフェッショナル―「構想力と分析力」

著者:齋藤嘉則
発売元:ダイヤモンド社

 

目次

第1部 問題発見力が問われる(問題発見力が問題解決のクオリティを決定する)
第2部 問題発見構想編(戦略的問題発見の構想力を高める)
第3部 問題発見分析編(仮説思考と分析力は車の両輪;「拡がり」の中からギャップを生む重要原因を見出す;「深さ」をとらえ、問題を構造的に把握し、具体化する;「重み」づけを行い、取り組むべき問題の優先順位をつける)

 

感想

 

どういうふうに問題、つまり課題を見つけるのか?

そもそも、課題ってなんなのか?

見つけた課題をどうやって解決に導くのか?

その方法を懇切丁寧に教えてくれる方法。

ちなみに、問題とは16ぺーじにありまして

 

ノーベル経済性を受賞したハーバードA・サイモンは『意思決定の科学』(1979年)の中で次のように述べている。「問題解決は目標の設定、現状と目標(あるべき姿)との間の差異(ギャップ)の発見、それら特定の差異を減少させるのに適当な、記憶の中にある、もしくは探索による、ある道具または過程の適用というかたちで侵攻する」。つまり、問題とは一言で言うと、「目標(あるべき姿)と現状とのギャップ」ということになる。
問題=あるべき姿-現状
したがって、現状とギャップのない目標からは問題は発生しない。

 

と、定義は簡単な問題ですが、なかなか問題を発見できないわけでして、その問題が発見できない4つの理由というのが23ページにありまして、それは

 

1)問題を定義する前提となる「あるべき姿」を、的確に描けない
2)「現状」の認識・分析力が低く、正確な把握ができていない
3)「ギャップ」の構造を解明して、問題の本質を具体化・優先順位付けすることができない
4)実行不可能な「解決策」から逆順で胆略的に問題を捉えるために、広がりを見失う 

 

なのだそうな。

ということで、問題を導くために現状把握をするわけですけれど、どうしてこれがうまくいかないわけですよ。

いや、うまくはいく。

でも、分析のための分析に終わってしまう。

そうならないために重要な事が125ページに書いてあるのですよ。

 

次のステップは、こうしたチャートによる分析をもとに、意味合い、つまり、SO WHAT?(だから、どうした?)を考えて、仮説を作ることである。仮説づくりと切れ味の良い分析は、車輪の両輪である。

 

まぁ、単純なことなんですけれど、単純なことほど見落としがちで、やっていなかったりするわけですよ。


こんなかんじでロジカルに話を詰めていき、問題解決をしていくのですが、その成功例としてクロネコヤマトの話が出ているのですよ。

それは188ページ

 

 

クロネコヤマトの宅急便を後送し、実現し、大成功を収めた背景には、この論理の追求があった。
つまり、宅急便の採算性を考えるには、集配作業にかかるコストを上回る収入を確保しなければならない。それには、1日何個集荷できるか、荷物の集荷密度の濃さがポイントになる。それは需要の人口密度の関数になり、さらに車両の作業効率は、持ち受け区域の広さによって変化する。そうすると、貨物の需要密度がまだ薄い、つまり市場が充分に開拓できない間はあかじになるかもしれない。しかし、ある年度を越し、市場が創造でき、貨物の需要密度がある一定の規模、つまりクリティカル・マスを越せば、収益がプラスになる損益分岐点を超える。そこまで考えたうえで、小倉元会長は宅急便市場へ参入し、さらに試行錯誤しながら計画を微調整し、情緒的に反対する人々を説得しながら、成功まで導いたのだ。

 

で、そうやって色々見つけた問題を解決に導く分析方法が色々紹介されているのですけれど、個人的には重み付けを行い、取り組むべき問題の優先順位をつけることに用いる分析方法がぐぐっと刺さったわけですよ。

それは、

影響因子が結果に与える揺れ幅を評価し、問題に重みをつける【感度分析】

貢献度に応じて扱いをどのように差別化すべきかわかる【パレート分析】

重点分野の中で優先順位付けを行なう【ABC分析

ビジネス活動を集中すべきか平準化すべきかがわかる【ピーク分析】

不確実性の中で意思決定を行なう【リスク・期待値分析】

だったりするのですけれれど、このへんはものすごく使えると思うわけですよ。

 

問題発見プロフェッショナル―「構想力と分析力」

問題発見プロフェッショナル―「構想力と分析力」

 

 

タイトル:問題発見プロフェッショナル 構想力と分析力
著者:齋藤嘉則
発売元:ダイヤモンド社
おすすめ度;☆☆☆☆☆(いいね!)

シックスシグマでバランススコアカードを成功させる 事実に基づく経営と戦略課題の実現

著者:水町浩之+有賀和彦+合澤浩之
発売元:生産出版

 

目次

第1章 事実に基づく経営
第2章 バランススコアカードによる論理的な戦略の策定と展開
第3章 シックスシグマによるプロセス革新
第4章 BSC、シックスシグマ、経営品質を融合したマネジメント
第5章 志をもったリーダーシップ
補章 さらにシックスシグマを勉強したい方へ

 

感想

 

バランス・スコアカードというまえに、まずはシックスシグマについて勉強しておくべきでしたね。

とはいっても、エッセンスはなんとなくわかったきがする。


①オペレーション・エクセレンシー
②カスタマー・インティマシー
③プロダクト・リーダーシップ

A)コンピテンシー
B)テクノロジー/ITインフラ
C)企業文化

を掛けあわせて「戦略バランスト・スコアカード」というものを作るそうな。


ちなみに

①オペレーション・エクセレンシーは徹底したオペレーション効率の追求による差別化
②カスタマー・インティマシーは顧客との関係強化によるカスタマイズされた製品・サービスによる差別化
③プロダクト・リーダーシップは革新的・独創的な製品・サービス力による差別化

だそうな。

 

そして戦略マップの作成プロセスは

ステップ1 企業として目指すべき事業価値の明確化
ステップ2 事業価値を達成するために最も有益な顧客ターゲットの設定
ステップ3 そのターゲット顧客に提供する価値提案(バリュープロポジション)の明確化
ステップ4 その価値提案を効果的に行うために強化すべき業務プロセスの特定
ステップ5 その業務プロセスを確実に実行するために改善すべき社員のスキルや組織文化の特定

 

だそうな。

 

シックスシグマでバランススコアカードを成功させる―事実に基づく経営と戦略課題の実現

シックスシグマでバランススコアカードを成功させる―事実に基づく経営と戦略課題の実現

 

 

タイトル:シックスシグマでバランス・スコアカードを成功させる
著者:水町浩之+有賀和彦+合澤浩之
発売元:生産出版
おすすめ度:☆☆☆☆(勉強しなきゃな)

 

 

トウキョウ・バイス

著者:ジェイク・エーデルスタイン
発売元:Amazon Services International, Inc.

 

感想

この本はまじでやばい。
最初は英語版のみで発売されていたのですが、その後、日本語版が発売されることに。しかし、日本語版を取り扱うことに大手版元が恐れをなしてしまい、発売元は「Amazon Services International, Inc.」。

 

日本最大の暴力団山口組。その山口組の中でもっとも武闘派と呼ばれる後藤組の秘密に迫り、後藤組から命を狙われるまでになった著者。日本滞在時には警視庁の保護下に置かれ、アメリカの自宅と家族はFBIの保護家に置かれているという事実。

 

本書のサブタイトルは「アメリカ人記者の警察回り体験記 」で、本書の中盤までは読売新聞の労働環境を面白おかしく綴った内容となっています。著者のジェイク・エーデルスタインは読売新聞初の外国人記者。海外支社に現地採用されたのではなく、上智大学を卒業後、普通に就職活動を行い、読売新聞東京本社に採用されたヒトなのね。

 

ちなみにこの著者は、浦和支局に配属されるのですけれど、浦和時代に「埼玉県愛犬家連続殺人事件」でスクープを連発しているのよね。

 

そんなユダヤアメリカ人が綴った日本の新聞報道の裏側が面白おかしく書かれているのですけれど、それがどんどんどんどんシリアスになっていく。

 

そのシリアス度は後藤組組長後藤忠政の悪事をマスコミに暴いたところから加速していく。

 

日本人社会に生きる異邦人ということで、タブー無しで一気に切り込む内容。創価学会も、山口組も、バーニングも、朝鮮総連も、警視庁も、日本人がゴッドファーザーの世界を見るかのような視点で切り込んでいく。

 

伊丹十三が自殺ではなく、後藤組の人間により、自殺させられた、なんて記述まである。

 

そりゃ、日本語で書籍化するのを恐れる版元出てきますわ。

 

ココまで実名で色んな人間が登場するのじゃ、そりゃ、日本で販売できないよなぁ。。。と。ある意味公然のタブーですけれど、知っているヒトであっても、よっぽどのことでなければ口にしない、サッカー・三浦知良の実父・納谷宣雄の名前も出てくるものなぁ。

 

話はつい最近、山口組の分裂の話まで出てくる。そして、著者いわく、山口組分裂の引き金を引いたのは後藤組長であるのだとな。司忍組長が残忍なやくざとして世の中的に語られておりますが、実はそうじゃないと。後藤組長によって風紀が乱されてしまった山口組を昔の姿に戻そうと頑張った司忍組長一派と後藤組長一派の戦いが山口組の分裂に繋がったのだとな。

 

いやはや、すごい本ですわ。

アサヒ芸能や、週刊大衆だってココまでは書かないしな。

 

 

トウキョウ・バイス: アメリカ人記者の警察回り体験記

トウキョウ・バイス: アメリカ人記者の警察回り体験記

 

 

実践 BtoBマーケティング―法人営業 成功の条件

著者:余田拓郎、首藤明敏
発売元:東洋経済新報社

 

目次

第1章 日本のB to B企業についての現状認識

第2章 B to Bにおける組織的マーケティングの取組み

第3章 買い手企業の購買プロセスと商材特性による違い

第4章 組織的マーケティングの成功事例

第5章 企業の課題に応じた組織的マーケティングの設計と運用

 

感想

 

こういう本を探しておりました。

つかえる箇所満載です。

まず13ページ

 

たとえば、B to B領域でも急速に利用が拡大してきたメルマガやニュースレターにしても、単なる情報伝達の手段ではない。確かに、キャンペーンや、製品情報を効率的に広めることが一義的役割だが、顧客に向けてブランド・ロイヤリティを高めることに活用することも視野にいれるべきだ。慶應ビジネス・スクールで行った研究でも、メールによるニュースレターや、ホームページの善し悪しが、その発行元への態度変容(ブランド・インパクト)に影響をおよぼすことが明らかにされている。

 

で、15ページ

 

単にクロスセルやアップセルだけがその焦点ではなく、より包括的に捉えるべきであるという点だ。「関係の長さ」「関係の深さ」「関係の広さ」といった次元に沿って、顧客関係性を軸に様々な可能性や効果を念頭に置くべきだろう。

 

 

また、53ページから始まる【「事業インパクト」と「商材リテラシー」による4つの商材タイプ】の話は非常にためになる。

 

どういう商材だと、買い手側の企業、つまり顧客にどのような影響と、行動を催させるのかがよく分かる。

 

そして、これをベースに、ロングストーリーと、ショートストーリーのシナリオを作成し、そのシナリオの中で出てくるタッチポイントで、うまくコミニケーションをとり、顧客の態度変容を促すというわけですな。

 

うん。

 

実践 BtoBマーケティング: 法人営業 成功の条件

実践 BtoBマーケティング: 法人営業 成功の条件

 

タイトル:実践B to Bマーケティング 法人営業成功の条件
著者:余田拓郎、首藤明敏
発売元:東洋経済新報社
おすすめ度:☆☆☆☆☆(使えますな)