芸術の売り方まとめ
冷静に考えれば、芸術は生活必需品じゃないのた。ご飯や、パンのようになかったら死ぬようなものではない。ただ、芸術があれば毎日の生活は豊かになる。また、専門家は芸術に意味をもたせるけれど、多くの観客は「面白いから」劇場に足を運ぶのだ。こういう前提条件がある世界でマーケティングが生きないわけがないんだな。
芸術の売り方を読んだ理由
仕事で劇場に関わるので
芸術の売り方で仕事に活かせるポイント
ユーザーのインサイトが重要ってことね
芸術の売り方の目次
第1章芸術ビジネスの可能性
第2章現状と観客の特性をつかむ
第3章芸術鑑賞のメリットとは
第4章芸術マーケティングの計画を立てる
第5章作品、会場、コミュニケーション
第6章芸術の値段
第7章市場調査の手法とプロセス
第8章インターネットと芸術ビジネス
第9章芸術におけるブランドとは
第10章観客ロイヤルティを築く
第11章気まぐれな観客を重視する
第12章芸術鑑賞の経験を、もっと豊かに
芸術の売り方の感想
芸術の世界にマーケティングが効くなんて。良い公演をすれば、良い作品を作れば、人は集まると思っていたのですが、そうじゃないのね。しっかりとマーケティングをする必要があるのだと。
では、どうすればいい?
そのことが本書にはしっかりと書かれているのです。
事例でもあるし、理論でもある。はたまた、フレームワークでもある。芸術に関わる様々なマーケティングの話が紹介されている中で、まず、刺さったのがこれだ。
芸術ビジネスの担い手たちは、公演に「もっと多くの人を惹きつける」アイディアを求める。だが、それだけでは十分ではない。「観客の来場を阻む障壁を取り除く」アイディアも考えなければならないのだ。
何度も繰り返しますが、良いものを作るだけじゃだめだと。参加するときのボトルネックを解消する必要があるのだと。
これは芸術以外の分野でも使えますな。
また、他にも芸術以外の分野で使える話が紹介されているのですよ。
それは、シニア層を狙えたてこと。そして、シニア層を狙うのであれば、製品そのもの以上に、製品やサービスがもたらす「経験」が重要になることを念頭に置くべきなんですって。
ふむふむ。これは使える。
あとは「ペア優待チケット」に「シングル向けのチケット」。身も蓋もない感じだけれど、それぞれの鑑賞スタイルに合わせてチケットを用意するのが重要なんだろうな。
そして、この流れからなんだけれど、顧客の定義が重要なんだって。顧客とは「チケットを購入する人」なのか、あるいは「公演を観にくる人」なのか。はたまた、「コンサートは楽しむが、招待されなければ来ない人」なのか。
なんだろうな、芸術という枠を取っ払って、マーケティングの本として楽しめますよ。