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小池一夫のキャラクター進化論(1)漫画原作㊙の書き方 <まンげン・ピ!>

 

著者:小池一夫
発行元;星海社

 

小池一夫のキャラクター進化論(1)まとめ

漫画が好きなのですよ。ヤンキーが大活躍するとか、そういう漫画じゃなく、しっかりとストーリーがある漫画。そんな漫画の作り方、しっかりとした原作の作り方を教えてくれる1冊。さすが、小池一夫先生。漫画の原作を作るというのは、キャラクターを作るってことなんだよな、。魅力的なキャラクターが作れないと、しっかりとした漫画が作れない。だから、小池一夫先生の元で学んだ高橋留美子さんのマンガには、魅力的なキャラクターがたくさん登場するのね。

 

小池一夫のキャラクター進化論(1)を読んだ理由

マンガの原作を書いて、スパイファミリーみたいな大ヒット作を作りたいので

 

小池一夫のキャラクター進化論(1)の目次

漫画原作ってなンだ?
漫画原作はこう書く!(基礎編)
漫画原作はこう書く!(実践編)
漫画原作者になるための心得

 

小池一夫のキャラクター進化論(1)の感想

伝説的な漫画原作者である小池一夫先生が、マンガの書き方を教えてくれる素敵な本だ。漫画家を目指している人、もっと上手にマンガを書きたい人、マンガの編集者になりたい人、そして、私のようにマニアックにマンガを読みたい人にお勧めの1冊。

小池一夫先生といえば『子連れ狼』、『クライング フリーマン』、『オークション・ハウス』などの原作が有名。ほかにも初期の『ゴルゴ13』の原作にも携わっていたのだそうな。

さすがだな。

そして、小池一夫先生が主催する劇画村塾で学んだ漫画家には高橋留美子原哲夫山本直樹佐木飛朗斗・・・とそうそうたるメンツが並びます。

さすがだ。

そして、小池一夫先生の元で学んだ漫画家の作品は、どれもキャラが立っている。

だって、マンガでキャラを起てることの重要性を、小池一夫先生は口酸っぱく語っているからね。

 

「売れている漫画」はたいてい、タイトルが「キャラクター名」なのです。
読者が求めているのは、懲りに凝った「ストーリー」ではない。
魅力的なキャラクターなんだ、と。一つのキャラクターが魅力を発揮し、人気を獲得すると、読者はずっとついてくるんです。キャラクターが魅力的であればあるほど、読者は熱狂する。ストーリーがありきたりでも、気にしない。

 

そして、もちろん、キャラクターにこだわる理由もあるのですよ。

 

漫画には最初からスターはいません。
自分でゼロから、魅力的なキャラクターを創らなければならないのです。
だからこそ、最初にキャラクターを創り、そのキャラクターを主人公たらしめるために「キャラクターを起てる」という作業が必要になってきます。
そこが映画シナリオと漫画原作の大きな違いです。

 

 

ガンダムや、エヴァンゲリオンのようにシリーズ化されていれば話は別だろうけれどね。てか、ガンダムだって、エヴァだって、最初はキャラを立たせることが重要だってことだよね。

なお、子連れ狼であっても、ガンダムであっても、エヴァであっても、スパイファミリーであっても、マンガの原作に必要な天地人の情報になってきます。なにそれ?って話なのですが、こういうことなんですと、小池一夫先生は語ります。

 

<天>は、季節や時刻、天候、温度、明るさなどの状態。
<地>は、地形や場所、建物、部屋などの状態。
<人>は、キャラクターの状態体調、感情、服装、持ち物、行動など。

 

さすが、深いですね。

そして、マンガ原作者である一方で、脚本家でもある小池先生。ドラマや、映画の脚本も書くからこそ、マンガのセリフは「読む」ものではなく「見る」ものということも教えてくれます。そうだよね。文字の大きさや、段落の分け方、文章の分け方で、セリフが視覚にとびこんでくるようにするのはマンガだけだものね。

あと、マンガの原作で重要そうなところは「構成・構図・消去」。これはマンガの三大要素。構成と構図はなんとなくわかるのですが、消去って何でしょうかね?ということですが、消去とはコマとコマとの間の時間の流れを省略すること。テーマに関係ない部分や時間や場所を消去すること。これをすることによって、作品のテーマをより明快にすることができるのです。

マンガの場合は起承転結じゃなく「主・謎・技・感」。

ここまで来ると、少年ジャンプの人気マンガの創られ方も見えてきますね。

 

 

タイトル:小池一夫のキャラクター進化論(1)漫画原作㊙の書き方 <まンげン・ピ!>
著者:小池一夫
発行元;星海社