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マッピングエクスペリエンス カスタマージャーニー、サービスブループリント、その他ダイアグラムから価値を創る

著者:James Kalbach
訳者:武舎広幸、武舎るみ
発行元:オライリー・ジャパン

 

まとめ

顧客の状態や、サービスの内容を固めるのに必要なアラインメントダイアグラム(この本ではじめて知った)の話がぎっしり詰まっておりまして、良いですね。カスタマージャーニーマップ、エクスペリエンスマップ、サービスブループリント、メンタルモデルダイアグラム、空間マップといろいろあるものですな。

 

この本を読んだ目的

カスタマージャーニーというものを、再度、ちゃんとお勉強してみようと思いまして、読んでみましたわ。世の中の日本語で書かれているカスタマージャーニーマップ本の中では秀逸だと思われる。
カスタマージャーニーと、エクスペリエンスマップ、その内容は非常に似ていますが、その対象となる組織が違うのよね。
「カスタマージャーニーマップ」は体験の送出に関わる部課とその役割が組織の対象。「エクスペリエンスマップ」はシステムの物理てきます・社会的アーティファクト、チャンスがその対象。

 

目次

第一部 価値の可視化
1章 アラインメントダイアグラムとは
2章 エクスペリエンスマッピングの基本
3章 戦略的洞察の可視化
第二部 マッピングのプロセス
4章 始動 マッピングプロジェクトの開始
5章 調査 エクスペリエンス・リサーチ
6章 制作 ダイアグラムの描き方
7章 アラインメント 価値のデザイン
8章 将来のエクスペディア構想
第三部 代表的なダイアグラム
9章 サービスブループリント
10章 カスタマージャーニーマップ
11章 エクスペリエンスマップ
12章 メンタルモデルダイアグラム
13章 空間マップとエコシステム

 

感想

カスタマージャーニーマップを、再度、ちゃんと学ぼうということで、この本を手にとってみましたわ。最近はやりだということもあり、日本語のカスタマージャーニーマップ本かたくさん出てきてはいるのですが、そんなライバル書が霞むくらいに、素敵な本ですね。

 

とはいえ、この本に登場するのはカスタマージャーニーマップだけではありません。ユーザーの、顧客の行動を洗い出し、定義し、俯瞰できるフレームワークとして、カスタマージャーニーマップ以外の手法も登場しております。

 

では、それはなにか?

 

本書で出てくるアラインメントダイアグラムは、カスタマージャーニーマップ、エクスペリエンスマップ、サービスブループリント、メンタルモデルダイアグラム、空間マップですとな。

 

これらアラインメントダイアグラムの作り方と使い方と、そのサンプルが紹介されているのか素敵です。わたしが、いままてカスタマージャーニーマップだと見せつけられていたお絵かきマップとはなんだったのだろう?と思ってしまいます。

 

ちなみにアラインメント・ダイアグラムって「そもそもなんだよ」って話になるんてすが、アラインメント・ダイアグラムてのはサービスや、顧客の行動を可視化するフレームワークなんだな。もっと正しく定義すると、本書ではこう書かれている。

 

アラインメントダイアグラムとは、個人と組織、それぞれの側から見た価値創出を一箇所にまとめて示したマップやダイアグラムなどの視覚表現のことで、人と組織のインタラクションを図示したダイアグラム群全体を指す呼称です。

 

ほほう。


こういうのをまとめて「カスタマージャーニーマップ」だという話を聞いたことがあったのですが、それは間違いだったのかしら?

 

そんな思い出話はおいておいて、アラインメント・ダイアグラムの話に戻しましょう。ユーザーや、組織の動きを定義するのに使えるアラインメント・ダイアグラムなのですけれど、サービス(組織)とユーザーのタッチポイントによって種類を分けることができるというのね。

 

タッチポイントは、時系列型(左から右に時間が流れている)、階層型(エクスペリエンスを階層状にマッピングするので、時間の概念が無くなる)、空間型(対話や、接客など物理的な場所で行われるインタラクションを3次元で定義)、ネットワーク型(時系列型でも階層型でもないエクスペリエンスの複数の側面の複雑な相互関係を表すのに定義)。

 

ここをグチャグチャにしちゃうと、何がなんだかわからないことになるからね。そこを注意。

 

そして、カスタマージャーニーからやら、サービスブループリントやらという分類の前に、アラインメントダイアグラムの効用を。それはまず、共感を育み、次に共有すべき「全体像」を提供し、縦割り業務を解消してくれること。全体を見ることができるので、部分最適になりがちな組織運営も、こいつがあることで、そうならないで済むとな。

 

で、アラインメント・ダイアグラムを作るということは「オレ、スゲー」と再認識するためではなく、他社が提供するサービスよりも価値があることを、価値を出すことを考えるためなのですが、その価値もちゃんと定義されていることを知って、わたしはびっくり。その価値とはウォーレン・バフェットが提唱した5つの価値なのね。

 

機能的価値…実利的な目的を果たす能力に関わるもので、性能と信頼姓を重視します。
社会的価値…人と人のインタラクションに関わるもので、ライフスタイフルや社会的価値を重視します。
感情的価値…個人が組織の提供物とインタラクトする際の感情面での反応に関わるものです。
認知的価値…好奇心や学習意欲から生まれる価値で、個人の成長や知識の獲得を重視します。
条件付き価値…特定の状況や文脈に依存して生じる価値 

 

知らんかった。


価値がこのように分類され、定義されていることを知って、ワタシはおどろきですわ。そして、ウォーレン・バフェットマーケティングの人じゃないしな。やっぱ、知識の吸収は幅広く行わないとダメだな。

 

で、ようやく本題。ワタシがずっと勘違いさせられていたというか、していたカスタマージャーニーマップとエクスペリエンスマップ。その差のわかりやすい説明が本書に乗っていたということは、勘違いしている人もお多いのだろうな、と。

 

では、どんな内容かというと

 

カスタマージャーニーマップでは、主として顧客体験に焦点を当て、サービス提供のプロセスには簡単に触れるだけ、という傾向があります。サービスブループリントでは表舞台のないブログプロセスに焦点を当てます。エクスペリエンスマップでは広範な顧客体験に焦点をあてるものの、組織側の関係者やプロセスも詳細に記述する場合があります。

 

だとな。

 

ワタシ、コレを知ることができただけで幸せだわ。でもさ、なんとなくですが、日本語で書かれているカスタマージャーニーマップ解説本って、カスタマージャーニーマップとエクスペリエンスマップがゴッチャになったものが多い気するのですがね。

 

気のせいかしら?