著者:若松義人
発行元:あさ出版
まとめ
鬼十訓といえば電通ですけれど、これはトヨタのお話。電通の鬼十訓といえば吉田秀樹ですが、こちらは大野耐一。でもね、これは大野さんが話した言葉そのものではない。大野さんは、こんな風に自分の考えをまとめたわけではないのだと。そんな大野さんの元でトヨタ式を学んだ著者が、まとめたのがトヨタ式の鬼十訓なのだとな。
この本を読んだ理由
トヨタ式をいろんな方向から学びたかったので。
仕事に活かせるポイント
やはり考えるのを辞めてはダメだってことですね。
目次
第1訓 きみはコストだ。まずはムダを削れ。それなくして能力は展開できない。
第2訓 始めたらねばれ。できるまでやめるな。中途半端はクセになる。
第3訓 困れ。困らせろ。安易を好む人と決定的な能力格差がつく。
第4訓 ライバルは君より優秀だ。
第5訓 仕事に痕跡を刻め。十割命じられても十一割めを自前の知恵でやれ。
第6訓 平伏させず心服させろ。そのためにはだれより長い目で、人を見ることだ。
第7訓 「できる」とまず言え。そこに方法が見つかる。
第8訓 失敗を力にしろ。真の自信も運もリカバリーから生まれる。
第9訓 労働強化を避けよ。人間「ラクになるには」に一番頭が働く。
第10訓 お客の叱声は成功の叫び声だ。逃すな。いじけるな。考え抜け。
感想
著者は大野耐一さんのもとでトヨタ式を学び、その後、トヨタを飛び出して、様々な会社で「トヨタ式」の実践と、定着を行ってきたお方。大野さんと直接関わりが無いけれどとか、トヨタで働いたことが無いけれどとかという人が書いた、トヨタ式の本ではない。
大野さんに、しっかりとトヨタ式をたたき込まれた人が書いた本。
きっと、トラウマのレベルで、トヨタ式の真髄をたたき込まれたんだろうな。
今の時代、そのやり方はパワハラと言われてしまうかもしれない。
でもね、組織が成長するには、人が成長するには、ものすごく正しいと思うんだよな。
しかし、いまの時代”「できる」とまず言え。そこに方法が見つかるんだ!”なんて言った瞬間、人事部どころか、労働基準監督署とか、弁護士が飛んでくるよなぁ。
スゴイ時代になったモノだ。
そして、今の中国って、この当時の日本と同じだったんだろうな、とも思うわけですよ。