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8時だョ!全員集合伝説

 

著者:居作昌果

発行元:双葉社

 

8時だョ!全員集合伝説まとめ

著者の居作昌果さんは、伝説のコント番組「8時だョ!全員集合」をスタートさせた伝説のプロデューサー。いかりや長介と共に、ドリフとともに番組と人気を作り上げ、いかりや長介と共にバラエティの時代を若手に譲った男。テレビが、コントが、見下され、バカにされていた時代に、テレビとコントの未来を信じていた男たちの話は素晴らしい。

 

8時だョ!全員集合伝説を読んだ理由

ドリフターズのことについて知りたかったので

 

8時だョ!全員集合伝説で仕事に活かせるポイント

世の中の流れを読み、世の中の不満を汲み取り、それをベースにオリジナリティを作ることだね。

 

8時だョ!全員集合伝説の目次

土曜八時に全員集合!

「全員集合」前夜

加トちゃん人気とドリフの成り立ち

番組作りの裏側

ゲストも主役

移籍・脱退・新加入

交通事故・手術・火事・停電

エンドマークへの序曲

平成の「全員集合」を夢想する

 

8時だョ!全員集合伝説の感想

8時だョ!全員集合、と言えば21世紀にも語り継がれる伝説のバラエティ番組。徹底的に作り上げられたコントで笑いを茶の間に届けた番組。著者はその番組を立ち上げた人。つまり、伝説のバラエティ番組と、ザ・ドリフターズの裏側が、よくわかる本なのだ。

伝説の番組が始まる前の土曜日夜8時は、死の時間帯であった。当時、飛ぶ鳥を落とす勢いであった、コント55号が、その時間帯に番組をやっていたからだ。その時間帯に人気番組を作るように、と命じられたのが著者。そこから始まる、さまざまな伝説。

そんな伝説を知ることに最適ですけど、この本はマーケティングの教科書・参考書としても使えるのですよ。コント55号と戦うにはどうすればいいのか?視聴者が求めていることは何か?共演者が求めていることは何か?綺麗に整理して、計算されて始まったのが、全員集合なのでした。

アドリブと芸人の反射神経に頼っていたコント55号に対して、ドリフは徹底的に作り込まれた笑い。脚本通りにネタを演じることで笑いを得る。脚本通りにネタを演じることができれば、最低限の笑いを取ることができるので役者であっても、アイドルであってもコントに絡める。その土台の上に輝くドリフの個性。

言われてみれば、そうだよな、と納得の連続。そして、いかりや長介の弟子でもあった志村けんは、師匠と同じようにツッコミもできる芸人だったんだ、と。でも、グループにツッコミは1人でいい。そのほうがバランスがとれる。なので全員集合ではボケに徹し、加トちゃんケンちゃんごきげんテレビでは加トちゃんをボケに、志村けんのだいじょうぶだぁでは田代まさしをボケ役にして、自分はツッコミに徹したんだ。バカ殿様に関しては、元々、全員集合で誕生したキャラなので、ボケもできるのか、と納得。

すごいな。いろいろと納得できるな。

そして、コント55号のネガを潰して成長し続けたドリフと全員集合。今度はドリフと全員集合のネガを潰すことで、たけし&さんまとひょうきん族が伸びていくという。

時の流れの切なさが、よくわかる本ですよ。

 

 

タイトル:8時だョ!全員集合伝説

著者:居作昌果

発行元:双葉社