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経営者になるためのノート

著者:柳井正
発行元:PHP

 

 

経営者になるためのノートまとめ

いろいろと叩かれるファーストリテーリングの柳井さんですが、この本を読む限り、経営者としてはど真ん中を歩いている人なんだな、と思うわけです。わたし、経営者じゃないけれど。父親から家業を継いだとはいえ、継いだ会社とファーストリテーリングは全くの別物。競争の激しいアパレル業界を息抜き、勝ち残り、成長してきたのには理由があるのだな、と。パーパス経営なんて言葉が生まれる前から、しっかりと未来と社会を見据えて経営してきたのだと思うわけですよ。

 

経営者になるためのノートを読んだ理由

柳井さんの経営に興味があったので

 

経営者になるためのノートで仕事にいかせるポイント

経営者にはならないですが、この本に書かれていることすべてですね。いちサラリーマンとしても、使えますよ。

 

経営者になるためのノートの目次

序章 経営者とは
本編 経営者に必要な四つの力
第1章 変革する力 経営者はイノベーターであれ
第2章 儲ける力 経営者は商売人であれ
第3章 チームを作る力 経営者は本物のリーダーであれ
第4章 理想を追求する力 経営者は使命とともに生きよ!

 

経営者になるためのノートの感想

UNIQLOを世界有数のファッションブランドに育て上げた柳井さん。そんな柳井さんが、経営者として育ってほしいエア糧に向けて書いた指南書が本書。

じゃ、経営者を目指している人だけが想定読者層なのか?そういう人じゃないと役に立たないのか?というと、また違うのです。会社員でも、フツーの平社員でも、毎日の参考に使えるのです。

たとえば、経営者の定義として、こういうことが述べられているのですけれど、これって、人間として誰にでも必要なことなんじゃないかとおもうのですよ。

 

経営者とは、ひといえば「成果をあげる人」です。
成果とは、「約束したこと」です。
約束したことを成果としてあげてはじめて、顧客、社会、株式市場、従業員から信頼されて、会社は存在し続けることができるのです。
自分たちがやると約束する成果を考えるに当たって、一番大切なことは、社会における自分たちの存在意義、つまり使命を考えることです。

 

それにしても、社会における存在意義ですって。まるで、パーパス経営じゃないですが。なお、この本の初版は2015年。そんなコトバがなかった時代のお話ですね。

そして、もちろん経営者としての必要な要素も教えてくれますよ。

何が必要かというと、この4つの要素(力)が必要なんだって。

 

「変革する力」 イノベーター
「儲ける力」 商売人
「チームを作る力」 リーダー
「理想を追求する力」 使命感に生きるもの

 

この4つの力が備わっているのであれば、経営者を目指してみるのも良いってことになるのかしらw ならないな。経営者になるために必要な条件だけれど、これはある意味最低条件。柳井さんの指導は、どんどんどんどん厳しくなっていきます。

 

たとえば、目標の話。

 

イノベーションをもたらすために、経営者が実践しなくてはいけないこと。その一つ目が、「目標を高く持つ」ことです。
みなさんは「目標を高く持って」仕事をしていますか?
ちょっと頑張れば到達できそうな目標のことを、高い目標とはいいません。

 

ちょっとドキドキしますね。なんでしょう、このドM感。こういう感覚がなければ、経営者にはなれないのでしょうかね。また、会社の常識、世の中の常識についても、こう述べています。

 

会社の清張、会社の進化を妨げる最大の敵。それは「常識」です。
我々は、一つの業界、一つの会社、一つの事業の中にいると、いつの間にか、勝手にいまある状態を「常識」だと認識するようになります。

ひえええ。

かといえば、危機感と不安について、こんなことも述べています。

 

経営者は「危機感」にもとづいて経営をやるべきであって、「不安」にもとづいて経営をやってはいけません。
いくら悩んでも結論が出ないこと、コントロールできないことに悩んでいても時間がもったいないだけなのです。
大切なことはまずやってみることです。

 

 

まずやってみる。つまりはJust do itなわけですね。

危機感、不安とくれば、つぎはリスクですよね。リスクに対する柳井さんの考え方は、こうです。

 

「リスクがないところに利益はない。リスクがあるところに利益はある」。これは経営の鉄則です。
リスクを計算するというのは、「これをやる場合のリスクというのは、本当はどこにあるのか」ということと、「そのリスクがどれくらい大きいのか」ということを、冷静かつ真剣に考えるということです。
リスクを取ってやると決めた限りは、そのやると決めたことを脇目も振らず、ちゃだもう一直線に、徹底的に、結果がでるまでやりきるということ。つまり、やると決めたことの徹底実行です。これが経営では非常に大事だということです。

 

そして、柳井さんは、出雲お客様のことを考えています。徹底的なお客様視線。そんなお客様に向けて何をすべきなのか?「お客様の笑顔のために大切な三つのこと」を教えてくれます。

 

お客様が欲しいと思っているものを、お客様が想像もしない形で提供する。
お客様の声は重要だが、その一枚上手をいこうとする。
提供者である自分たちが、本当にいいと思うもの、本当にいいお店だと思うものを作る。

こういう発想がヒートテックや、エアリズムを生み出しているのだろうな、と思うわけですよ。

で、そのような判断を、思考を渡のように行っているかというと、それはスピードだといいます。

 

経営におけるスピードの重要性は、ますます高まっていきます。
経営者としては大きなチャンスです。世界中の人に通用する本当にいいものを、どこよりもはやく作って提供できれば、ものすごいサイズの市場を、ものすごいスピードで創ってリードすることが可能だということです。
その対応が遅れたら、会社にとっては致命的になるのではないかという危機感をいつも持って、ものごとを見るようにすることが大切です。

 

楽天の三木谷サンや、ソフトバンクの孫サンんも、「スピードスピードスピード」ですものね。スピードは経営者にとって超重要なスキル(項目)なのでしょう。

 

そして、個人的には本書の中で、これが一番ささりましたね。

 

計画を作る時に、最も大切なことは成功のイメージ化です。
ものごとを進めていくための計画は重要だ、しかし、計画に固執してはいけない。
固執すべきものは最終成果、ただそれだけ。
計画というのは、日常の現実、あるいは競合の状態、会社の状態が違ってきたら、全部修正していかなければいけないものなのです。

 

緻密な計画を立てるけれど、状況が変われば、躊躇なくその計画を変更する。なぜならば、最終成果に到達することが重要で、計画を守ること、予定を守ることは重要じゃないからね。

 

凄くためになる1冊ですよ。

 

 

タイトル:経営者になるためのノート
著者:柳井正
発行元:PHP