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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

破壊的新時代の独習力

著者:キャメル・ヤマモト
発行元:日本経済新聞社

 

まとめ

自分のスキルアップをするために読んで見たのですが、この本は、チームビルディングやら、交渉ごとやらにも使える。自ら課題を見つけ、その課題の解決策を考え、そして、自ら動く。独学をするには当然な動きだけれど、この動きはなんにでも応用できるってことですな。そして、そいつの身につけ方も書かれているのが素晴らしい。

 

この本を読んだ理由

自ら学び、自ら成長したいと思ったからです。

 

仕事に活かせるポイント

何ができるのか?という能力のWHATと、何をするのか?という行動のWHAT。なぜ、必要なのか?というニーズを定義するWHYと、ニーズをうみだす状況や、情勢を定義するWHY。そして「どのように」という能力形成のHOWと、「どのように活用剃るのか」と活用を定義するHOW。この思考の整理方法は、そのまま仕事に使えますね。


 
目次

序章 独習力のすすめ
第1章 破壊的な新時代とはどのような時代か
第2章 必要性から考えるのがビジネス能力である WHY/WHAT HOW
第3章 やりたいことから咲く能力は人生の華である WHY/WHAT HOW
第4章 「今起きていること」の「観察」から能力開発は始まる  WHY/WHAT HOW
第5章 新時代の能力とは「情報をつなぐ力」である
第6章 人々をつないで動かす能力を開発する
第7章 能力の成長はステージを工夫すれば劇的に加速する
第8章 専門性と統合力と連携力にはそれぞれ伸ばし方のコツがある
第9章 自分の能力に自分の特徴を刻印する
第10章 立ち返る3ポイント

 

感想

独学が好きな私。逆を言うと、人から教えてもらうことが苦手な私なのですが、それじゃだめだなぁ、と思いまして、この本を手に取ったわけですよ。なんだ、結局、独学じゃないかw

なんて、一人でのり突っ込みを入れながら、この本を読み進めるうちに、視線と思考はマジになってしまった。

もう、昭和的な、20世紀的な考えではだめなんだと、冒頭から教えてくれる。それも強烈に教えてくれる。この本を読むべきは、そんな昭和的な頭に毒されていない、若者であると言い切っている。

そして、そんな若者に身につけて欲しい能力があると、教えてくれる。

それはこれだ。

 

新しい時代に必要となる能力とは、仕事において、「自分で何をするか、なぜするのか、どのようにするのかを考えて、台本を書き、その台本を演じる人々を自分の周りに集めて、物語をつくり出す」能力です。

 

むむむ。完全に昭和生まれの四十代のおっさんですが、その能力を身につけたいです。
そして、その能力を身につけて、価値創造者として生きていきたいのです。

 

人材が、価値創造者(新時代のスマート蟻)と価値消費者(キリギリス)とに大きく分かれるという見方も出てきています。
典型的ないい方をすれば、前者は今までよりもっと仕事をして、仕事を人生の中心的な楽しみにする人であり、後者は消費を中心にして仕事は必要悪の手段としてとらえる人です。

 

仕事を人生の中心的な楽しみにするなんて、働き方改革的な流れから逆行するんじゃないかしら?と思ってしまうのですが、そうじゃないと。好きなことを、やりたいことを仕事にすることが、何よりも重要なんだと、著者は言います。そして、私はその考えに激しく共感します。

 

ただね、やりたいことばかりしていても、それが仕事につながらないこともあるという話もしています。なんと、小柳ルミ子さんの話を引用して。

 

この著者、引用されている情報の幅が非常に広いのよね。小柳ルミ子さんのサッカーに関する記事まで引用している。キャメル・ヤマモトさんの守備範囲の広さにびっくりしますが、小柳ルミ子さんの引用文が、びっくりするくらい、本書にあっているのですよ。どうやって、このような情報をストックしているのだろうか?という話もありつつ、感動したフレーズ。

 

「自分がしたいことをするな。必要なことをやれ」という言葉。「試合をみていると、そんなものもらっても困るというパスを出す選手がいるんです。自分の都合だけでチームが勝つのに必要なことがやれていない。仕事場でもよくある光景ですよね」

 

必要なことと、自分のやりたいことは、往々にしてずれている。このずれをなくすことができたら、素敵ですよね、と私は思っちゃい。そういう状況を作るのに必要なこと、それは新時代のビジネスパーソンとして必要性から考える癖をつけることだと、著者は言っております。

 

では、その癖を、習慣をどうやって身につけるのかというと、WHY/WHAT HOWで考える癖をつけていくと。

 

何ができるのか?という能力のWHATと、何をするのか?という行動のWHAT。なぜ、必要なのか?というニーズを定義するWHYと、ニーズをうみだす状況や、情勢を定義するWHY。そして「どのように」という能力形成のHOWと、「どのように活用剃るのか」と活用を定義するHOW。

 

このフレームワークで、ひたすら考える癖をつけていこうと。

 

ものすごくためになりますな。

 

ちなみに、WHY/WHAT HOWは顧客のニーズをつかむ時にも使えるとな。顧客のWHY/WHAT HOWを確認することで、顧客のニーズをつかめると。そして、顧客には「よくとる行動」とか「一般的な行動」と制約をつけずに、時系列で実際にとった行動を聞けとな。

 

WHY/WHAT HOWのフレームワーク、使えますな。

フレームワークと言えば4ボックス・ゲーム・プロセスも、使えますな。

集団的なゲームでプレイする人々の動きは、4ボックス・ゲーム・プロセスで定義することができるのですって。で、4ボックス・ゲーム・プロセスは次の通り。

 

①左下のボックス:個人が他のメンバーはどのように行動するかを予想(思考)する(右下の明示的なルールが設定された後は、予想とあわせてルールの解釈も行う。
②左上のボックス:個人が前記の予想に基づき、自分の行動を選択する。
③右上のボックス:個人の動きが合わさって、うまくいけばその中から均衡が生まれ、組織の行動となる。
④右下のボックス:組織の構成員の行動が望ましい均衡状態にあれば、それをルールや作戦・設計図として要約する

 


もちろんこれには2週目もあるわけで、2週目に関しては本書参照。

 

どこを切っても、何をとっても、この本は使える話ばかり。

 

ものすごくためになる点が多かった本書の中で、ものすごく心に刺さったのはここだなぁ。目標設定の仕方と、その確認方法。上から言われたからやりますという人間じゃ生きていけないし、それをスマートに確認しなければならないのよね。で、その具体的な方法が記載されていまして、それが私の心にグサグサ刺さったんだよな。

 

 

インテルCEOだったアンディ・グローブは、よくフロントラインのエンジニアのところにふらりとやってきて、「君の目標は?」と尋ねたそうです。エンジニアが「これこれです」と答えるとすかさず、「そこから私の目標までたどれるか」といって企業全体のWHYとの一貫性をエンジニアの頭の中に入って確かめたそうです。

 

いやはや、素敵な本に出会いました。

キャメル・ヤマモトさん、どうも、ありがとう。

 

 

破壊的新時代の独習力

破壊的新時代の独習力