著者:庭山一郎
発行元:翔泳社
まとめ
私が勝手に師匠だと思っているシンフォニーマーケティングの庭山さんの本。一言でまとめると「すごい」です。マーケティング≒宣伝と捉えられがちな日本にあって「いやいや、売上に貢献してナンボだよ」とい位置づけている先生。まさにノヤン先生。ノヤン先生に並び、超えられるように頑張らねば。そのためには、勉強と実地だ。
この本を読んだ理由
会社の若手にマーケティング、それもBtoBマーケティングの基本を教える本を探している中で、再度、手にとってみました。
この本の目次
第1章 マーケティングを創造した巨匠たち
第2章 マーケティングのフレームワークとセオリー
第3章 顧客製品、市場を評価するフレームワーク
第4章 マーケティングのチャネルとツール
第5章 マーケティングの組織とキャリア
第6章 マーケティングの学び方と新しい潮流
感想
私の尊敬する、勝手に師匠だと思っている庭山さんの名著。他の庭山さんの著作と比較しても、ずばぬけている一冊だと再認識。何がすごいって、ベースとなっているマーケティングの知識だよなぁ。この本自体がコトラーの「マーケティングマネジメント」のようなのですよね。BtoBマーケティングの全体と、基礎がわかる。ただ「マーケティングマネジメント」と違うのは、読んでいて眠くならないということだ。グイグイと引き込まれていきます。
私もいろんな本を読んでいる、マーケティングの本を読んでいると思っていましたが、庭山さんと比べると、その足元にも並んでいないですね。読んでいるつもりになっていただけで、血肉になるまで昇華させていないな。庭山さんがあげている大家の本を読み直そう。
セオドア・レビット(「マーケティング発想法」「レビットのマーケティング思考法」「マーケティングの革新」)、フィリップ・コトラー(「マーケティングマネジメント」)、マイケル・ポーター(「競争戦略」)、ピーター・F・ドラッカー(「創造する経営者」「経済人の終わり」)、フレデリック・ランチェスター(「戦争と飛行機 第四の武器の曙」)
このベースがあるからこそ、この本に書かれていることの説得力が増すんだよな。賢者は歴史に学ぶって言うけれど、マーケティングの大家が記した論文の中から、流行りのマーケティング(ツール)手法にダメ出しをしているから納得しちゃうのよね。SFAツールをマーケティング目的に入れても成功するわけないんだよね。ツールの目的がそうじゃないんだから。
いろいろと得ることが多い本ですが、とくに良かったのが「戦闘教義」ですね。Battle Doctrine。どう戦えば戦闘に勝てるのか?という定義。得意な場所、得意な戦法を見つけ出し、その環境に相手をひこずりこむ。STPやら、SWOTやら、トレードオフやら、ORやら、マーケティングの基本を叩き込んで作られるのがBattle Doctrineなわけですから。
ワタシのビジネスでも、これをしっかり作ろう。