著者:高橋威知郎
発行元:同文館出版
まとめ
営業データを活用し、営業の生産性を向上させることを「セールスアナリティクス」と呼ぶとは!おのわかりやすい単語、響きやすいフレーズを教えてもらったことが、この本を読んだ最大の収穫です。そして、頭でっかちにならず「今あるデータで始める」という発想や、「活かす意志がないなら辞めてしまえ!」という考え方が好きです。きっちりかっちり実務に使える「セールスアナリティクス」の秘訣が、本書には詰まっています。
この本を読んだ目的
B2Bマーケティング支援をお仕事としているワタシにとって、営業生産性を高めることと、そのエビデンス作りであるデータ分析は避けて通れないテーマです。そりゃ、読むしか無いでしょう。
目次
1章 データで営業生産性をあげるセールス・アナリティクス
2章 セールス・アナリティクスの軸となる「3つの指標」
3章 集めたデータから重要な数字を生み出す「データの3つの技術」
4章 データを活かし収益につなげる「数字の3つの技術」
5章 ケーススタディ-以下にして営業生産性をあげたのか
付録1 はじめての「無料分析ツールR」の使い方
付録2 Rを使った予測(簡便法と統計モデル)
感想
B2Bのマーケティング支援、それもデジタルマーケティング支援を行っているワタシとしましては、「営業生産性向上」と「データ分析」というこの2つのキーワードを避けては通れないわけなのですよ。
となると、この本は読まなければならないわけですよ。
で、色んな所で耳にする「営業のデータなんて、揃っていないし、分析をする対象にはならないよ」ってフレーズなんですが、それを超えた場所にあるのがセールス・アナリティクスですよ、と本書では教えてくれるのですよ。
ヲイヲイ、セールスアナリティクスってなに?
ワタシはじめて、目にしましたという方にむけて、セールスアナリティクスの説明をば。
効率的に受注でき、営業目標が達成され、収益が拡大し、営業生産性が向上し、さらに営業パーソンの給料が上がる。それを実現するのが、「セールスアナリティクス」です。
いいなぁ。
「セールスアナリティクス」という単語。
業務支援とか、営業支援とかって言葉よりもキャッチーだ。
わたしも、使わせていただきます。
そして、このセールスアナリティクスの仕組みなのですが、これが超シンプル。
セールス・アナリティクスのシンプルな仕組み
①数字(データ)を生み出す仕組み
②数字(データ)を活かす仕組み
いいね!この2点。営業の人が関わってくる世界において、「シンプルである」ことは何よりも重要。普段の営業業務を邪魔させないというのが、良いよね。
そして、セールスアナリティクスは2つの分解点で話が始まると。
セールス・アナリティクスの出発点となる2つの分解
①成果分解
②プロセス分解
ほほう。
シンプル。
そして、セールスアナリティクスは3つの指標を計測することで成り立っているとな。
セールス・アナリティクスの3つの指標
①成果指標・・・成果分解をもとに設計
②ストック指標・・・プロセス分解をもとに設計
③フロー指標・・・プロセス分解をもとに設計
成果はわかりやすいですね。
ストック指標とフロー指標が少しわかりにくいですね。
で、ストック指標とは「受注を獲得するための途中プロセス」であろ、フロー指標とは「その遷移」だそうな。
つまり、ストック指標とは引き合い件数、訪問件数、提案件数、受注件数となり、フロー指標は(引き合い後)訪問率、(訪問後)提案率、(提案後)受注率を意味すると。
これを教えてもらっただけでも、この本を読んだ価値はあるな。
でもね、この本で一番重要な箇所はここだよ。
データを日々入力してもらう仕掛け
①「見られない」から「見られている」に変える
②「管理」から「便利」に変える
③「いろいろ見る」を「1つだけ見る」に変える
営業データ分析を行う際に何よりも重要なのは、ちゃんとデータを入力してもらうことなんですけれど、それが一番ハードルが高い。そのハードルを超えるために必要な視点がこの3つにまとめられているんですよ。
「お前らの営業を進化させるぞ!」なんて上から目線では、営業の協力を仰ぐことはできませんからね。そこをちゃんと教えてくれる著者は素敵です。
営業生産性を高める! 「データ分析」の技術 (DOBOOKS)
- 作者: 高橋威知郎
- 出版社/メーカー: 同文舘出版
- 発売日: 2017/09/01
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