WEB銭の読書やグラベルロードのメモなど

マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

ナショナルジオグラフィック 2019.7

発行元:日経ナショナルジオグラフィック

 

まとめ

宇宙開発の歴史というのはそれほど長くないんだよな。だからこそ、想像できるのは「なにも上方がない世界を探検することの恐怖」ですな。シミュレーションをしようにもベースになる情報がないしな。そして、1960年代にあったコンピュータの処理能力なんて、いまのスマホ以下だしね。そう考えると、はじめて宇宙に行った人類も、はじめて宇宙を経験した哺乳類である犬にも、ただただ尊敬なわけですね。

 

この本を読んだ目的

最低限の自然科学的な情報を身につける。身につけたら更新し続けるのは、大人としてのたしなみですね。科学リテラシーを高めていれば、騙されることも減ります。

 

目次

FEATURES
月へのカウントダウン
新たな宇宙時代へ
世界の果ての海
岐路に立つ砂漠の国
崩れゆく緑の防波堤
PROOF
グラスの底の宇宙
EXPLORE
画期的なトイレ
エコなストロー
カイダコの子作り
THROUH THE LENS
闇夜を彩るホタルの光

 

感想

今月号のメインの特集は「月へのカウントダウン」ですね。人類がはじめて月面着陸したのが1969年。人類がはじめて宇宙空間に出たのは1961年。あゝ、初の月面着陸から50年という時期なのね、今年。

 

いまは宇宙の情報がどんどんどんどん手に入る時代です。いや、まだまだ知らない世界もあるわけで、だから「はやぶさ」とかの異形がニュースになるわけですけれど。

 

でもですね、人類がはじめて宇宙にでた時、それは本当に「はじめて」のことであるわけで、なんの情報もなかったわけですよ。シミュレーションしようにも、計算しようにも、そのベースとなる情報がなかった。よくもまぁ、そんな状況で宇宙にでてみようと思ったわけですよ。月に行ってみようと思ったわけですよ。

コンピュータの「第三世代」において、コンピュータは急激に普及しはじめた。それらはジャック・キルビーロバート・ノイスがそれぞれ独自に発明した集積回路を使ったもので、1965年ごろから登場しはじめた。

最初の集積回路は1958年9月に製造されたが、コンピュータに使われるのは1963年以降のことである。初期の使用例として組み込みシステムがあり、NASAがアポロ誘導コンピュータに採用した例、軍がLGM-30ミニットマン大陸間弾道ミサイルに採用した例、アメリカ海軍のF-14トムキャットジェット戦闘機の可変翼制御などを行う Central Air Data Computerに採用した例がある。

1964年4月、IBMはSystem/360を発表した。あらゆる用途向けで上位モデルから下位モデルまで、アーキテクチャを統一したシリーズ、という構成が画期的なものであったことから、しばしば第三世代のコンピュータとされるが、使用された回路技術はIBMが"Solid Logic Technology"(SLT、en:IBM Solid Logic Technology)と呼ぶハイブリッド的なものであり、チップ上に回路が作り込まれたいわゆる集積回路ではなかった。また、主記憶にはコアを使用していた。主記憶に半導体メモリを使用したのは次のSystem/370からである。

 

計算機の歴史 (1960年代以降) - Wikipedia

 

いやいやいや。そんな時代に宇宙に冒険するなんて、すごい話ですよな。

 

そして、宇宙ロケットの開発技術が、そのまま大陸間弾道ミサイルの技術になっているわけでして、この21世紀に再燃している国家間の宇宙開発技術競争の裏にも何かがあるんじゃないのかしら?と思ってしまうわけですよ。

 

他に面白かった記事は「崩れゆく緑の防波堤」ですな。
マングローブの森が危機にひんしていると。沿岸に住む人々が、マングローブの森を開拓して住居を作ることによって、余計に居住可能な地域は減っているし、マングローブの森も減ってしまっていると。

 

世界の森林面積は約40.3億ヘクタールで、全陸地面積の約31%を占めています。しかし、世界の森林は減少を続けており、毎年520万ヘクタールが減少しています(2000年から2010年までの平均)。
特に、南アメリカ、アフリカなどの熱帯の森林を中心に、減少面積が大きくなっています。一方、中国やインド、ベトナムを中心とした温帯林では、森林面積が増加している国も見られ、森林面積の増加と減少には、地域的な偏りが見られます。
国別にみると、2000年から2010年までの間に森林の減少が大きかったのは、ブラジル、オーストラリア、インドネシア、ナイジェリアなどです。
このうち、オーストラリアの減少は、2000年以降の深刻な干ばつや森林火災などが原因ですが、その他の国では農地への転用や薪の過剰採取などが原因です。
一方、温帯地域の中国やインド、ベトナムなどのように、植林活動が活発なため森林面積が増加している国も見られます 

 

世界の森を守るために

 

とのことなので、マングローブの森も復活してほしいですなぁ

 

マングローブは、熱帯・亜熱帯の海水の出入りする沿岸域や河口域に広がる塩生樹木群が形成する生態系の総称である。マングローブは生物多様で、しかも生物生産性の極めて高い生態系としてその重要性が増し、また耐塩性の遺伝資源の宝庫としても注目されている。タイのマングローブ森林はこの三十数年間の過剰伐採、エビ養殖池への転換、農地や工業用地への転換、スズ採掘による破壊などで半減し、
約 17 万 ha が分布するのみである。

 

マングローブ「緑の絨毯作成」による沿岸生態系の修復

 

という記事があるくらいですからねぇ。
都会よりも緑が多い自然の中のほうが好きですし。