WEB銭の読書やグラベルロードのメモなど

マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

日経ビジネス 2019.11.04

発行元:日経BP

 

まとめ

中国脅威論と、日本スゲー話が交互に出てきますな。つまり、ネタってことなんでしょうな。そして、中国は共産党中国企業を分けて考えなければならないのでしょうね。で、その中国共産党はいつまで体制維持できるのでしょうか?

 

この本を読んだ目的

週に一度のアタマの整理ですな

 

感想

今週号の大特集は「中国が世界を染める チャイナイノベーションvol.2」ですな。中国は中国共産党中国企業を分けて考えなければならないんだろーな。そして、米中の闘いは米ソの争いよりも複雑なんだろーな。どちらの国も、経済がガッツリ絡み合ってるからな。で、個人的には中国が負けそうな気がするんだよな。中国の過去の王朝って、周辺地域に勢力を広めると、蛮族の反撃にあって、王朝が衰退してきたというのを繰り返してきたわけで。なんとなく、歴史は繰り返しそうな気がするのよね。そして、今回は香港とウイグルから、そんな闘いが始まりそうな気がするのよね。

 

で、そんの今週号で面白かった記事はこれ。

 

「グーグル、量子超越達成発表の裏でIBMが恐れる冬の到来」
もう、量子コンピュータの完成が、すぐそこにまで迫ってるのね。で、そんな世界の覇権争いをIBMとグーグルが行ってるのね。グーグル、ついにハードウェアの世界にまで進出するのね。てか、量子コンピュータは、ハードウェアなのか?

 

「CASE+PのSPACEが次の競争軸 移動空間がクルマの価値に」
CASEの概念にプラットフォームのPを加えて、SPACEだと?だれが、うまいこと言えといったのか?まさに、これこそモノ消費でなく、コト消費だよな。ここまでクルマがコトによると、ビンテージカーのような、絶対に相容れない価値を持つクルマも注目を浴びることになりそうね。

 

「人件費や決済手数料、100円ショップ苦境に逆風強まる薄利多売モデル」
いやーそうだろう。薄利多売って、その名のとおり、薄利多売しなければだめなんだから。市場が広がり続けなきゃそもそも成り立たないんだから。それはつまり、市場が縮小する日本では成り立たないってことだな。

 

「次世代の共通EDI受発注の時間を削減」
えー次世代のEDIなんか開発導入するよりもB2BECにしてほうが簡単だろーに。ITコーディネーター協会、謎すぎるよ。ISDNが修了したり、SAP/HANAへの乗り換え期限がとか言ってるけど、それのらインターネットベースで、ブラウザベースでいいではないか。

 

そんな今週号を読んでいたら読みたくなった本。

 

売上を、減らそう。たどりついたのは業績至上主義からの解放(ライツ社)

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月を見てパンを焼く 丹波の山奥に5年先まで予約の取れないパン屋が生まれた理由

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成功に奇策はいらない――アパレルビジネス最前線で僕が学んだこと

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価値共創の未来へ 顧客と企業のCo-Creation

著者:C.K.プラハラード、ベンカト・ラマスワミ
訳者:有賀裕子
発行元:ランダムハウス講談社

 

まとめ

顧客とともに価値を生み出して、新しい時代の競争を勝ち抜こう。本書に込められているメッセージは、これだ。では、具体的にどうすればいいのか?
顧客と行う協働の方法から、その組織論まで、本書では紹介されている。いろんな実例とともに語られていますが、一つはっきりしているとは、時代の流れが変わったということだな。大量生産大量消費の時代ではなくなった。そりゃ、マーケティング方法もかわりますよって。

 

この本を読んだ目的

競争ではなく共創。共同ではなく協働。そいつについて調べなければならないということて、本書をてにとってみました。

 

目次

第1章 価値の共創
第2章 価値共創を支える諸要素(DART
第3章 共創経験
第4章 経験のイノベーション
第5章 経験のパーソナル化
第6章 経験のネットワーク
第7章 フォーラムとしての市場
第8章 新しい戦略的資産を築く
第9章 マネージャーは消費者である
第10章 知識創造のスピードを速める
第11章 戦略とは発見への旅である
第12章 価値共創の未来へ向けて

 

感想

ものより思い出という日産セレナのCMキャッチコピーが世の中をざわつかせましたが、時代は確実にものより、ことという流れになってきてるんですよね。一言でいうと簡単だけれど、実はとても深い世界。

顧客とともに価値を生み出して、新しい時代の競争を勝ち抜こう。

そう言われたから、そういう時代だから、日産セレナは「ものより思い出」と、キャッチコピーに謳ったんだ。自動車そのものでもなく、自動車の使い方でもなく、自動車という道具は、ワンオブゼムで、様々な道具を駆使して作った思い出のほうが重要だよ!ということを自動車のCMでやったわけだ。

そりゃ、世の中ざわつきますよね。

従来型のマーケティングではあり得なかったお話を、日産はおっぱじめてしまったんだもの。

本書の目的は、新世代の、今のマーケティングと言える価値共創についてかたるほんなのだ。なんで、ものより思い出!なんて商品宣伝で言うようになってしまったのか?の謎に迫る本なのだ。

ということで、まずは前提条件の定義。

本書では従来型のマーケティングを次のように定義している。

 

ビジネスは従来、価値を創造するのは企業だとの発送から出発していた。きぎが、どのような製品やサービスを提供するかを選んで、自身の判断で価値の性格を決めていた。消費者はそれを受け入れる立場だったのだ。

 

よくなにもしらない・わからない消費者は、メーカー様が言うことに従って、メーカー様の製品を買えばいいんだ!というのが従来型のマーケティングだったんでしょうな。まぁ、ここに上げている例はT-型フォードがあった時代から通じるような話だけれどね。でもね、情報の非対称性を利用してメーカーがコミュニケーションの主導権を握っていたのには違いがないと思うんですよ。

 

「顧客とともに価値を生み出して、新しい時代の競争を勝ち抜こう」という時代になったわけですな。

物が溢れ、情報が溢れ、生活必需品はよほどの辺境の地にでも行かない限り、問題なく買うことができる。ネットと携帯電話網が発達し、地球上のよほどの場所にでも、行かない限りネットに接続できることができるようになったんだものな。

 

世の中のがなれが変わってきてるんだから、コミュニケーションの方法も、マーケティングの方法も変わるよなぁ

 

ポータ先生、コトラー先生、そして、ワンダーマン先生もそうなんですが、そのような先生方が語ったマーケティングと、世の中変わり始めているんですよね。時代が変わってきている。企業と消費者の関わり方が変わってきてるんだよね。

 

その変化が行き着いた先、いまの「共創パートナーとしての消費者」という考え方を整理するとこうなるんだよね。ターゲティングだけでも、ポジショニングだけでも、CRMでもない。

 

では、どう説明できるのかというと、こうやって説明できる。

 

共創パートナーとしての消費者:消費者と独自の価値を共創する。
時期:2000年以降
消費者の役割と市場の概念:消費者はコンピューター・ネットワークの一部として位置づけられ、価値共創で企業と協働する一方、価値の獲得を巡っては競合する。市場は共創経験を生み出すための「プラットフォーム」である。
経営者による消費者観:消費者の個性を尊重するだけでなく、テーマ・コミュニティの構成メンバー、これからの社会は文化の担い手として捉える。
企業と消費者の関わり合い、製品やサービスの開発:消費者は価値共創のパートナーであり、価値共創を実現するためにはDART(対話、利用、リスク評価、透明性)の確保が欠かせない。企業は個々の消費者と、経験環境の中で経験を共創する。製品やサービスもその環境の一部である。企業は発展性のある経験を実現できるように、経験環境を設計しなくてはいけない。消費者のリーダー的存在とともに、経験環境に期待される条件を思い描き、市場に受け入れてもらう努力をする。
コミュニケーションの目的と流れ:消費者やテーマ・コミュニティとともに期待内容を定め、パーソナル化された経験を実現する。多方向のコミュニケーションと協力。

 

消費者が企業のパートナーになるですと!


この発想についていけない、信じることができない経営者ってたくさんいるんだろうなぁ。そーいえば、消費者がわからないピカイチ道具を揃えていますっていうコンセプトの通販カタログはどうなったのだろう?共創と真逆のコンセプトだもんな。

 

で、共創。

 

共創は4つの要素から成り立っているんだと。その4つの要素はDARTといわれる対話、利用、リスク評価、透明性なんだと。で、それぞれがどんな意味を持っているのかというと、こんな意味を持っているんだとな。


対話は知識の共有を促すだけでなく、企業と消費者が深い相互理解に到達するきっかけとなる。消費者が価値創造プロセスに自分たちの価値観を反映させる契機ともなる。所有から利用への流れは、「消費者は製品を所有しない限り価値を享受できない」との考え方に挑むものだ。企業は、消費者による成因の所有だけでなく、利用という経験にも注目すると、事業機会を広げられる。消費者が価値共創に参加すると、製品やサービスの潜在リスクについてより多くの情報を求めるため、リスク評価の重要性が高まると考えられる。ただし、リスクに対処する上での消費者の責任もやはり大きくなるだろう。情報の透明性は、企業と消費者の間に信頼を気づく上で欠かせない要素である。

 

ふむふむ。

最近、サロンがもてはやされているけれど、まさに、これを目指していたんだろうな。
サロンを行うことでDARTといわれる対話、利用、リスク評価、透明性を達成しようとしたんだろうな。

 

そこから、参加者が個人の経験にとして、共創を始めると。

 

で、最後に。

 

個人が自身の経験を突き詰めていくのって、セグメントに1人しか対象外ないのと何が違うのかしら?と思ってしまうわけですよ、
従来型のカスタマイゼーションと経験のパーソナル化との違い。一人だけのセグメントと、パーソナルな体験は意味が違うんだよな。えらく長くなってしまうので、経験のパーソナル化を。それはどういうことかというと、こんな感じ。

 

カスタマイゼーションを支える概念…その人だけの経験(エクスペリエンス・オブ・ワン)
カスタマイゼーションの焦点…環境経験との関わり合いのパーソナル化
カスタマイゼーションへの取り組み方…イベント、イベントの文脈、各人の関わり方、各人にとっての意味合い
カスタマイゼーションへの役割…様々な関わり合いを通して、多彩なパーソナル経験を促す
インフラの重点…経験ネットワークを支えるインフラ

 

ほほう。
ここまでくるとMA使ってのパーソナライズも無理だな。

 

で、まとめじゃないけれど。

 

ネットフリックスが個人の感情に寄り添った「レンタルビデオ屋さん」ということで登場してくるんだよな。日本語版が発行されたのは2004年。きっと、原書が書かれたのは2001年とか2002年なんだろうな。流石に「ビデオ」は減ってきて、「レンタルDVD屋さん」だったのだろうけれど。

その頃から、データを取って、個人の行動に寄り添うコミュニケーションをしていたんだから、そりゃ、強いよな。

 

 

価値共創の未来へ―顧客と企業のCo‐Creation (Harvard business school press)

価値共創の未来へ―顧客と企業のCo‐Creation (Harvard business school press)

 

 

 

ケースブック 価値共創とマーケティング論

編著者:松村潤一
発行元:同文館出版

 

まとめ

最近やたらと語られている(気がする)共創。つまり、co creation。よくわからなかった世界だったんだけれど、この本を読んだことによって頭の中身がすごい整理されましたね。価値共創マーケティングとは、いかにして顧客の消費プロセスに入り込むことが重要なんだとな。価値創造者たる顧客がサービスの提供を企業に求めることで、両者のサービス関係が生まれ、直接的な相互作用関係のもとで価値共創が行われるのだとな。このようなベーシックなことを教えてくれながら、事例を紹介してくれるので、すごくわかりやすいわ。

 

この本を読んだ目的

価値共創価値共創と言われましても、よくわからない世界だったので、この本を手にとったわけですよ。価値共創に関する本は、まだそれほど読んでいないけれど、たぶん、この本が一番わかり易いんじゃないかと思ってしまうわけですよ。

 

目次

第1章 価値共創とは何か
第2章 製造業における価値共創の事例研究 コマツKOMTRAX
第3章 医療品医薬品を扱う製薬企業における価値共創と医療サービス エーザイの事例から
第4章 B to C, B to Bで同時展開される価値共創マーケティング オタフクソースの事例から
第5章 ハーレーダビッドソンにおける価値共創 ユーザーとほかの主体関係から
第6章 ネッツトヨタ南国における顧客との価値共創
第7章 小売業における価値共創マーケティング ヤオコーの事例
第8章 顧客接点を通じた価値共創マーケティング 島村楽器の事例から
第9章 通販型保険に見る価値共創プロセスと相互作用 アメリカン・ホーム・ダイレクトの事例から
第10章 「顧客目線」を起点とした文脈価値の可能性 大垣共立銀行における価値共創マーケティング
第11章 えちぜん鉄道に見る共創プロセスの可能性
第12章 ホスピタリティ産業の価値共創と企業システム ホテル・ラ・スイート神戸と吉井旅館の事例
第13章 テーマパークの価値共創と組織運営 株式会社ユー・エス・ジェイUSJ)の事例
第14章 消費者の使用文脈に関する探索的研究 ミニバンを使用するファミリーの事例から

 

感想

共創、共創、と言われて困っているわけです。競争ではなく、共創。RACEではなく、Co-Creation。全くカタカナ用語が増えやがって、と思ってしまったわけですよ。そもそも、少し前に流行った、オープンイノベーションと何が違うんだよ。競争戦略の競争と何が違うんだよと思ってしまっていたわけですよw流石に漢字が違うので、違うことはわかっていましたけれどね。

 

そんなもやもやした悩みというか、怒りを収めるためにこの本を手にとったのです。が、共創に関して本を読み始めたばかりですが、たぶん、この本は名著ですわ。共創に関して、わたしの頭の中がすごい整理されました。

 

ほんの作りとしては、冒頭に「価値共創マーケティングの概念」についてを説明し、本書の殆どはその概念説明をベースとしての事例説明となっているのですな。なので、わかりやすい。「あぁ。冒頭に話していたことって、こういうことだったので」と理解できるような仕組みになっている。

 

素敵だな。

 

で、価値共創マーケティング。なんとなく感じていた肌感覚通り、新しい概念なわけですよ。でも、ここを「新しい概念ですね」と終わらしてしまっていると、じくがぼやけたままの論文になってしまうので、ちゃんと従来のマーケティングと比較しているところが偉いんですよ。

 

本書では従来型のマーケティングを下記のように定義している。

 

これまでのマーケティングは、企業の生産プロセスで全てを考え、行うものであり、価値を企業が事前に決めるという意味で、いわば価値を所与としたマーケティングであったといえ、そのゴールは、流通を経た市場でのより良い交換にあった。

 

そして、このマーケティングとは競争戦略に出てくるような話ではなく、サービス・ドミナント・ロジック、つまりS-Dロジックに基づいての話になっている。

いやぁ、もう、これも新しい概念じゃないかw

 

「モノ(有形の商品)」と「サービス(無形の商品)」を区別することなく包括的にとらえ、「企業がいかにして顧客とともに価値を創造できるか」という価値共創の視点からマーケティングを組み立てようとする考え方のこと。2004年に、マーケティング研究者であるロバート・F・ラッシュとステファン・L・バーゴによって提唱された

 

d-marketing.yahoo.co.jp

 

まずは、このサービス・ドミナント・ロジック、S-Dロジックを学ばなきゃなと思ってしまうんですがw S-Dロジック自体が新しく、わたしのまわりでも、きっちりと理解している人も少ない気もするんですが。このS-Dロジックよりも新しい概念が、価値共創マーケティングになるんだと。S-Dロジックを超えたところにある世界なんだと。

 

じゃあ、それが何かというと、こうなりますとな。

 

これまでのマーケティングを超えるためのいくつかの論点をS-Dロジックロジックの主張から導き出すなら、次の3つが考えられる。
① 価値は、交換後に生み出される
② 価値は、文脈価値として顧客によって独自に判断される。
③ 顧客は、オペラントな存在として捉えられる。

 

ほほう。ここにも、行動主義心理学の単語が出てくるではないか。もっともっと勉強しなければいけないんだなぁ。という話はさておいても、「価値は、文脈価値として顧客によって独自に判断される。」という考えは斬新だぁ。

 

それゆえに、価値共創マーケティングを下記のように定義づけている。

 

価値共創とは、顧客の消費プロセスで行われる企業と顧客の直接的な相互作用であり、あくまでも顧客にとっての価値を作り上げることを言う。そして、企業は顧客との直背膣的な相互作用の一翼をマーケティング行為として担うのであり、これを、価値共創マーケティングと呼ぶことができる。

 

これを簡単にまとめると「顧客の消費プロセスで行われる企業と顧客の直接的な相互作用」なんだよ。つまり、顧客の消費プロセスに入り込むことが重要なマーケティングなんだよ、と。

 

こうやってまとめると、今までのマーケティングと真逆の立ち位置なのがすごいなぁ。顧客に主導権があるだなんて、そりゃ、今のテレビ番組は流行らないわけですよ。広告価値がないわけですよ。顧客の消費プロセスに、テレビは入り込んでいないからなぁ。消費プロセスとか関係ないコミュニケーションしてるしな。

 

で、媒体としての問題もあるけれど、従来型のマーケティングと同じように価値共創マーケティングにも課題があるわけで、それを本書ではこのようにまとめているのですよ。

4つの課題
①消費プロセスにおける顧客の消費行動
②企業と顧客の競争プロセス
③顧客の消費プロセスで行うマーケティング
④競争される文脈価値

 

そして、この軸で各事例の説明に入る。

 

だからすごいわかりやすい。

 

いくつも紹介されている事例の中で、一番刺さったのがハーレーダビッドソンの事例だなぁ。「売れない」でおなじみのアメリカ車の中で売れまくっているハーレー。「いや、バイクじゃね-か???」と突っ込まれそうだけれど、日本には世界四題バイクメーカーがあるんですよ。そんなお膝元であっても、バイクの市場は縮小してるんですよ。

 

なのに、なぜ、ハーレーは売れているのか?ハーレーはバイクを販売しているからではなく、ライフスタイルを販売しているからでしょ?それはそのとおりなんだけれど、「ライフスタイルを販売する」その方法が、本書ではしっかり説明されているんだよな。

 

で、そんなハーレーの手法の中で、一番刺さったのはここ。

 

ハーレーは実用目的ではなく、趣味目的で購入する顧客が多いため、「モノ(車両)」という有形財とともに、無経済の「楽しむ価値」を提供している。「モノ(車両)」を売るために「コト(楽しむ価値)」を売るマーケティングである。その価値の原点は10の楽しみとして明確に定義され、取引交換後を見据え普遍の価値提供として位置づけている。
①「知る」楽しみ(商品・歴史など)
②「乗る」楽しみ
③「創る」楽しみ(カスタマイゼーション)
④「選ぶ」
⑤「競う」楽しみ(レースやカスタムでの競い合い)
⑥「出会う」楽しみ(ハーレーを通して人と出会う)
⑦「装う」楽しみ(ハーレーライフしたいリングファッション)
⑧「愛でる」楽しみ
⑨「海外交流」の楽しみ(世界的なオーナーズグループ)
⑩「満足」(トータルにハーレーライフを満喫)

 

モノ消費だとか、コト消費だとか言われているけれど、こうやって、モノとコトを整理しないとそもそもだめなんだよな。なんとなくではなくちゃんと言語化することが重要だと。

 

そして、それぞれをContact(接点)、Communication(伝達・通信)、Co-Creation(共創)、value-in-Context(文脈価値)でそれぞれぞ実践していくんだよな。

 

すごいいい本だな。これ。

 

ケースブック 価値共創とマーケティング論

ケースブック 価値共創とマーケティング論

 

 

FACTA 2019.11

発行元:ファクタ

 

まとめ

どーしたんだろう?FACTA。「菅義は総理の器に非ず」って、前にも似たような記事があったような気がするのだが。最近切れ味、落ちてきた気がする。

 

この本を読んだ目的

月に一度の情報の整理ですな。

 

感想

今月で面白かった記事。

 

関西電力内紛と老外の墓標」
あれだねえ。さすがのFACTAですら、人権活動家とまでしか、書けないよね。人権活動家の脅しになんで屈したのか?が知りたいのに。そうしないと、ただたんに関西電力の経営陣がヘタレってことになるだけだしな。

 

トヨタ滅ぼす御曹司と守役」
章男社長の叩かれっぷりがすごいですな。経済誌はすごい叩くよね。逆に自動車メディアは、すごい持ち上げる。ここのギャップが面白いな。視点が、国内のなのか?グローバルなのか?の違いなんでしょうな。国内販売チャネルの統合がすげー叩かれていますが、もう、トヨタですら、マルチチャンネルを維持できないってことなんだよな。

 

マツダインパール作戦進行」
マツダに関しては経済誌も、自動車メディアも、同じ意見で面白いですね。スカイアクティブXがこけちゃったものな。スバルの水平対向エンジンのような世界を作りたかったんだろうな。スカイアクティブDや、従来のスカイアクティブを徐々に進化させるんじゃだめだったのかねぇ。

 

秋篠宮殿下を担ぐWWFの仮面の下」
やばいね。人殺しやレイプに加担する自然保護団体だとな。ディカプリオのようなハリウッドセレブが支援していたけれど、こういう情報が出てきてから支援を見送る的な話が出てきているそうな。で、WWFは企業が行う自然破壊活動に、企業からお金をもらって「自然保護をしているから大丈夫ですよ」的なお墨付きを与えている組織っぽいな。で、力を持ちすぎて、そのサークルから抜けようとすると、名指しのキャンペーンが行われると。もはや、ヤクザか何かですか?と。怖いなぁ。グリーンマフィアだな。

 

切れ味鋭い、経済記事は復活するのかな?最近不思議な左翼雑誌になりつつあるな。

 

そんな今月号を読んでいたらこの本を読みたくなりましたな。

 

田中角栄のふろしき 首相秘書官の証言

田中角栄のふろしき 首相秘書官の証言

 

 

あなたは、なぜ太ってしまうのか? 肥満が世界を滅ぼす!

著者:バリー・ポプキン
訳者:古賀林 幸
発行元:朝日新聞社

 

まとめ

ワタシは数値的には太ってるわけですが、健康に気にかけて、健康なわけですよ。で、太っているのに健康でいられるのは、きっちり運動してるわけですよね。
伝統的な食生活から、砂糖や油を多用した食生活に。そして、身体を動かす生活から、機械に頼る生活に。そして、その甘くて便利な近代化の並に正しく乗らないと、単なる高血圧と糖尿病の拡大再生産にしかならないんだよな、と。

 

この本を読んだ目的

「なぜ、太ってしまうのか?」と、問いかけられたら、そりゃ、読んでしまいますよ。で、読んだらビックリのトンデモダイエット本ではないのだから、いろんな意味で驚きましたよ。

 

目次

序章 世界中で「肥満」は新たな病になっている
1章 あなたの「食習慣」はどうつくられたのか?
2章 おいしい「飲み物」に隠されたワナ
3章 「運動」で食べすぎをなかったことにする
4章 「食のグローバル化」が肥満を世界に広げた
5章 「肥満になりたくない」本当の理由
6章 「食品業界」が知られたくない事実
7章 世界を「ダイエット」するためにできること

 

感想

「なぜ、太ってしまうのか?」なんて、題名が問いかけてくる本なんて、トンデモダイエット法が紹介されているような世界なんじゃないかと、思うわけですよ。

 

でも、そんなことは一切なかった。そして、どちらかというと、ダイエットという対処法ではなく、ダイエットをせざるおえなくなる原因、そう「なぜ、太ってしまうのか?」という方に話の主眼をおいているのですよ。

 

は!まさに、タイトル通りの本ではないですか!すごい世界だな。書店員さんも、びっくりだろう。こんな、まっすぐな心をもった編集さんがいたなんて。

 

で、本書では太ってしまう理由をたんに「食べ過ぎ」とか「運動不足」とか「自堕落な生活」ってところにおいていないのも、すてき。いや、実際には食べ過ぎであり、運動不足であり、自堕落な生活なんだけどね。

 

その食べ過ぎや、運動不足、自堕落な生活に、なんでなってしまったのか?を歴史的事実に基づいて説明してくれるのがいいんだよね。

 

冒頭では、こうやって本書の目的を教えてくれるしね。

 

本書ではいくつかの大きな問題について考察する。すなわち、多量の砂糖を添加した今日の飲料がこの危機の原因かどうか、ファストフードが体重増や肥満にどんな役割を果たしているのか、世界のウォルマート化はどうなのか、加工食品がほぼどこでも手には居るようになったことが、われわれを太らせ不健康にしているのか、グルメ志向と手抜き時代の肥満の蔓延は、単純に社会の規制や当勢力の低下で説明がつくものなのか、それとも食品業界が主張するように、食べ物のせいではなく運動部族が原因なのか、両親や学校はどんな役割を果たしているのか、なぜ貧困層の大勢の人までが太りすぎなのか…
つまるところ、本書はいかに進歩というものが往々にして代償を伴う可という話である。

 

近代化、現代化が我々を太らせてしまったわけですが、とはいえ「太りたくない」という理由から、誰も江戸時代や、中世ヨーロッパのような生活には戻りたくないのですよ。

 

ただね、カロリーを過剰に摂取してしまったら、そのカロリーを消費するように運としなければならないのですよ。カロリーを過剰摂取しないように、情報を仕入れて、食べ物を選ばないといけないのですよ。定期的に検査して、身体の状態を把握しなければならないのですよ。

 

でもね、21世紀のいま、それらをやることにはすごいお金がかかるのですよ、お金をかけないと痩せることも、健康でいることも、できないんですよ。

 

もう、何ということでしょうか。

 

とりあえず、スクワットして、ダイエットしようと思わされる本ですね。

 

 

 

あなたは、なぜ太ってしまうのか? 肥満が世界を滅ぼす!

あなたは、なぜ太ってしまうのか? 肥満が世界を滅ぼす!