WEB銭の読書やグラベルロードのメモなど

マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

日経ビジネス 2018.11.19

発行元:日経BP

 

感想

大特集は「熱狂顧客がなぜ冷める 縮小市場で飽きられない12の戦術」ですな。
ブームという打ち上げ花火は簡単に打ち上がっても、それが続かないのよね。なぜか?物語がないからなのよね。物語がないので、手にした瞬間に飽きてしまうわけですよ。
ちなみにその戦術とはこんな感じ。

 

  1. イベント運営を任せ「伝道師」を育てる(ヤッホーブルーイング)
  2. 野山をともに歩きファンだけを育てる(モンベル
  3. 社長と職人が語り部「革命の同志」を集める(ファクトリエ)
  4. 非公式の活動も支援 卒業しないファン作る(タミヤ
  5. 「頼られたい」気持ちに点火(ネスレ日本
  6. 8人の隠れた「本音」生かす(レタスクラブ
  7. 偏愛ファンの声を「走り」に反映(マツダ
  8. 「松下太郎」が2万人少数のファンと交流(パナソニック
  9. 肉マイル「見える化」熱狂度を競わせる(いきなり!ステーキ)
  10. ゴミ出し、犬の散歩も上得意をえこひいき(でんかのヤマグチ)
  11. 全員が毎日情報発信、心の距離を近づける

 

やっぱ、物語なんだよね。

そして、12個目をメモするの忘れたw

 

で、そんな今週号で他に面白かった記事。

 

「RIZAP松本氏、COO外れる プロ経営者、生かし切れず」
プロ経営者というよりも、ズタボロだった中身を見てビビって、揉めたってことだろうな。この負ののれんに関しては、FACTAがずっと追いかけていたしな。

 

「1兆ドル規模に拡大する宇宙産業 月での水ビジネス、日本に商機」
商機ではなく正気では?とおもってしまうわw 月ですよ、月。月面の世界にビジネスチャンスがあるだなんて。まるで、「宇宙兄弟」の世界ですよなぁ。ちなみに、「アクセルスペース」「アストロスケール」「アイスペース」「インフォステラ」が日本にある宇宙ベンチャーなんだとな。

 

「中国石炭離れが水汚染促す懸念」
ひえぇぇぇ。石炭に頼るのをやめて、天然ガスに切り替えては見たものの、環境に配慮して天然ガスを採掘するようなことをしないわけで、余計に自然破壊ガス進みましたって、どんなこっちゃ。石炭だって、正しく使えば、そんなに環境に悪影響を与えないわけで、それができないんだから、そりゃ、他を考えても無理だよな、と。

 

胆斗の人 黒四で龍になった男

著者:北康利
発行元:文藝春秋

 

目次

序章 全身これ胆の男
第一章 試練の割り鋲
第二章 稀代の経営者
第三章 怒らず焦らず恐れず
第四章 電気事業再編
第五章 関西の復興を担って
第六章 現代のピラミッド
終章 禹門

 

感想


NHKの人気TV番組「プロジェクトX」や、石原裕次郎主演の映画でとりあげられたことで、皆の記憶に残っている黒部ダム黒部ダムに貯められた水は地下の放水路を通り黒部第四発電所に送られることから黒四ダムと呼ばれている。

 

黒部ダムの建設は戦後復興期の日本において、指折りの難工事だった。だから、プロジェクトXに取り上げられたり、石原裕次郎が主演する映画になったりするわけで。

 

ただ、この本で取り上げられるの話は大破砕帯へのトンネル工事や、冬の黒部峡谷をブルドーザーで越える話ではない。それらはもちろん出てくるが、そんな大工事を企画し、成功の陣頭指揮をとった当時の関西電力社長太田垣士郎にスポットを当てている。

 

城崎生まれのわんぱく坊主であった太田垣。子供の頃、ちょっとした事故で健康を害すが、その後はまた、イケイケの性格に。

 

そんな太田垣がビザジネスの道に目覚めたのは阪急グループの創始者小林一三のもとで働いていたから。

 

小林一三、今となっては大実業家ですが、太田垣が出会った当初は、まだ、伝説の人間ではなかったのよね。生きていたし。

 

ただ、それまでになかったビジネス戦略を描き、実行に移すことで、大きな富を作り続けてきた。今で言うところの孫さんみたいな感じだったという事でしょうか。

 

そんな孫さん的な小林一三のもとでビジネスを学んでいながら、訪れる戦争の時期。統制経済の方が国のためにならない。競争あってこその経済だ、ということを主張しても、時代の流れを変えることはできない。

 

そして、敗戦。その後に迎える復興。

 

電力は国の基礎である。電力の鬼、松永安左衛門の日発分割計画とGHQの日発分割計画。その激しいやりとりよりも、阪急グループの中心人物としてきったはったを行っていた太田垣の生活がすごい。

 

労働組合法、共産主義との戦いの記述こそが、ワタシの目を引きましたね。出てこなかったのは戦艦だけといわれた東宝争議とか、学校の授業で教えるべきだよな。

 

そして、その後、就任する関西電力の社長。そして、迎える黒ヨンダムの建設。

 

太田垣のその胆の、そのど真ん中にあるのがビジネスと安定なんだよな。お金を稼いで、社会に還元する。その柱がブレてない。そして、そのためであれば、どんな状況でも、どんな相手でもひるまず交渉する。

 

そんなオトコに惚れてしまいそうですな。

 

 

 

深夜航路 午前0時からはじまる船旅

著者:清水浩史
発行元:草思社

 

目次


はじめに
青森→函館
大洗→苫小牧
敦賀苫小牧東港
和歌山→徳島
神戸→小豆島(坂手)
神戸→新居浜
直島(宮浦)→宇野
柳井→松山
徳山→竹田津
臼杵八幡浜
宿毛→佐伯
博多→対馬(厳原)
鹿児島→桜島
奄美大島(名瀬)→鹿児島
おわりに

 

感想

高速道路網が発達し、新幹線も北海道や九州にもある今、フェリーの航路は大きく減ってしまいました。個人的には大好きな宮崎川崎の航路もなくなってしまったわけで。

 

でも、島国ニッポンなわけで、まだまだ数多くのフェリー航路が残っている。そんなフェリー航路のなかから午前0時を超えた航海を行う航路を選び、旅した本。

 

驚いたのは瀬戸内に短いながらも深夜に運行する航路があるということ。ベネッセハウスがある直島行の深夜航路があるのね。そんな夜中に草間彌生のカボチャ見てどーするのだろう?と思いきや、そうでなかったのね。直島の工場で、三交代制で働いている人々のための船なのね。

 

飛行機や、新幹線よりもゆっくりとゆったりと移動できるフェリーでの旅。大洗→苫小牧とか良いよな。深夜便は乗ったことないけれど。

 

トラックがメインの深夜便のフェリー。フェリーに乗っている間はドライバーが休めると言うことでフェリーが見直されているという。

 

そんなことよりも、私にとってはゆったりとゆっくりと旅ができる、あの空間が好きだね。

 

 

深夜航路: 午前0時からはじまる船旅

深夜航路: 午前0時からはじまる船旅

 

 

日経ビジネス 2018.11.12

発行元:日経BP

 

感想

大特集は「ここまで来た監視社会 勃興する第2のGAFA
監視社会のデストピアとして新疆ウイグル自治区の話が掲載されている。そして、監視社会の成功例としてアメリカロサンゼルス市警の話が掲載されている。
前者は思想弾圧と、異民族統治というか異民族浄化のための利用。後者は治安維持のための利用となっている。

いやいや、ウイグルで行っているのも治安維持っすよ、って反論が、ウイグル自治区のトップ陳全国書紀から聞こえてきそうですが、治安維持ならロサンゼルス市警的なアプローチするよな。発生確率から「場所」をあぶり出すよな。いきなり、人の全量スキャンはやらないよな。

でもさ、行動から、スマホの中身から、アプリでの通信まで、その全量をハッキングして、瞬時に答えを返すような仕組み組んでいるのなら、大量の端末から大量のゴミデータを送り込んだらシステム、止まるんじゃないかしら?

ちなみにGAFAの次の会社ってことで、パランティア・テクノロジーLLビジョンが紹介されとりました。LLビジョンは公安お墨付きの眼鏡型端末のメーカー@中国、パランティア・テクノロジーズはピーター・ティールの会社。パランティアは高度なビッグデータ解析技術と、音声や動画を基に人と人、ひととイベントの関係性を把握し、監視対象が通常と異なる行動パターンをしめすと即座に検出できる仕組みを持っているのだと。


で、他に面白かった記事。

 

LIXIL潮田氏復帰の背後に 不可解な瀬戸氏の解任劇」
MonotaROの社長さんを引き抜いたのだけどね。うまく行かなかったね。しかし、ナゼ、株式会社なのに創業家の発言家が強いのだろう?株式会社でなかったのだっけ?

 

「難航する英国のEU離脱交渉 Brexitに商機を見いだす日本企業」
そよね。EU域内とのやり取りで、様々な処理が発生する可能性が高いというか、発生するのだもの。その処理にSIerは駆り出されるのね。終わらない地獄だな。

 

Amazon楽天西友の構成で競争が激化 苦境ネットスーパー、ユニー撤退も」
Amazonはまだしも、他のネットスーパーって食品スーパーが強い地域を根城にしているわけで、そりゃ、食品スーパーにいきますよ。23時までとか営業してるしね。都心に住んでいる勝間和代さんのようなスーパー主婦とかでないと、需要ないんじゃなかろうか?日本の場合。

 

IBMのRed Hat3.8兆円買収 プラットフォーマー戦略、諦めたか」
IBMクラウド事業の年間売上高は170ドルですでに大半をシステムのコンサルティングや開発といった関連サービスが締めているんだって。時代は変わりますな。

 

「カーボンファイバーリサイクル工業 EVの必須素材をリサイクル」
すげぇ。カーボン自体をリサイクルできるんだって。これすげぇ。なんだろう?このとんでもない技術力。美濃焼の技術を応用しているんだって。「いぶし瓦」の技術を応用した二段階熱処理法でリサイクルしてるんだって。

 

米中もし戦わば 戦争の地政学

著者:ピーター・ナヴァロ
解説:飯田将史
発行元:文藝春秋

 

目次

第一部 中国は何を狙っているのか?
第二部 どれだけの軍事力を持っているのか?
第三部 引き金となるのはどこか?
第四部 戦場では何が起きるのか?
第五部 交渉の余地はあるのか?
第六部 力による平和への道


感想

6月16日 - アメリカ側が中国から輸入される自動車や情報技術製品、ロボットなど1,102品目に対し、7月6日から段階的に500億ドル規模の追加関税措置を行うと発表。中国側も課税された際の対抗措置として自動車や農産物など659品目(後に2回合計878品目に変更)について追加関税措置を行うと発表[15]。

参照元

米中貿易戦争 (2018年) - Wikipedia



から始まった米中貿易戦争。世界経済第一位の国と第二位の国がナニをしているのか?トランプのわがままか?と思いきや、そ~でもない。移民政策やらなんやらかんからでは反対するアメリカ議会も、この話は、トランプの言うことを聞いている。

 

なんでか?

 

その秘密は本書の中に書いてあった。

眠れる虎、東洋の神秘とも言えるチャイナも、共産党の本家本元のソビエトが崩壊した今、ちゃんと経済を発展させたら、こっち側(西側)に来てくれるのではないか?

 

2000年頃のアメリカ人は、アメリカの大統領は、そう思っていた。

 

まだ、ヨチヨチ歩きの資本主義社会だから、中国主導で会社作ってもよかろう、と。日本だってそうだったんだし。そのうち市場も自由化するであろう、と。

 

そんなことはなかった。

 

フツーの戦争を行っても勝てるかもしれないが、短期決戦手間は終わらない。

だから、経済戦争だ、と。

中国の膨張主義覇権主義に対抗するにはこれしかなかろうと。

 

というのが、本書の内容で、トランプさんのやりたいことだと。

 

「え?アメリカって世界最強の軍隊を持つ国だよ。世界ナンバーワンの航空兵力はアメリカ空軍て、ナンバーツーはアメリ海兵隊だよ」

なんて計算が成り立たなければ、ソビエトと戦争しないし、アメリカの保護下にあった台湾にも進行しない。

 

ナニをしでかすかわからない。そもそも中国軍の指揮系統もわからない。ただ、はっきりしているのは、やたらと外へ外へと勢力をのばそうとしてることだね。

 

だからこその、貿易戦争。

 

そういえば、新疆ウイグル自治区の人権弾圧問題も、世の中的に取り上げられるようになってきたね。

 

人権というのは西側諸国の大事な価値観だしな。そして、ウイグル中央アジアや、南アジアへの入口だしな。

 

拡大せつつ、経済制裁。お金が回らなくなり、政権崩壊。 

 

習近平が最後の共産党指導者になるかもしれませんな。なにしろ、期限なしにしちゃってたからね、自分で。

 

そして、こんな本をしっかり出せるアメリカって、やっぱすごいわ。

 

 

米中もし戦わば

米中もし戦わば