著者:マルク・レヴィンソン
発行元:ダイヤモンド社
物流の世界史まとめ
物流というのは工業製品の生産や、農産物の生産と密接に関わっている。そして、それらの生産というのは国家経済と密接に関わっている。物流「だけ」という切り口では見えてこない、世界経済のつながりを歴史に沿って教えてくれる凄い本ですぞ。大航海時代から、帝国時代から、重商主義、世界大戦。物流と経済と国際政治は密接に関わっているんだなと言うことを教えてくれる本です。
物流の世界史の目次
第1部 融合する世界
第2部 貿易自由化と二極化
第3部 グローバル化の暴走
第4部 世界に広がる不安要素
第5部 第四のグローバル化へ
物流の世界史の感想
「コンテナ物語」に続く名作ですね。なお、著者は同じマルク・レヴィンソンです。「コンテナ物語」では、それまで人手に頼り、規格化ができなかった物流がコンテナという統一規格によって大きく変わったことを教えてくれます。そして、本作品では、物流とはそもそも政治であり、経済であると言うことを教えてくれます。
なぜ、人や、会社はモノを動かすのか?それは国を豊かにするため。
その昔、貿易決済には銀貨が用いられていた。そのため、輸出が輸入を上回れば、銀貨が国家予算として蓄えられ、他のよりも軍備を整えることができたし、社会基盤を整えることができた。経済で国家を発展させるために、経済発展のために生まれた様々な社会のひずみを解決するために、経済学をはじめとして様々な学問が発展した。
そう言う文脈で語られる物流。
A国からB国に貿易を行う。その時に必ず発生するロジスティックスの話しを歴史に絡めて教えてくれる。
植民地で原材料を生産し、本国で加工し、それを輸出するのですよ。
そうやって、世界史の授業で教わる。
では、植民地から翻刻にどうやって原材料を輸出したの?加工された製品はどのような形で輸出されたの?
「いわれてみれば!」の視点で、世界史を教えてくれる。
もう、この本は物流の話しではなく、世界史の話しなのですよ。
重商主義から、帝国主義、最初の世界大戦、世界大恐慌、そして二度目の世界大戦。その世界の流れに合わせて、世界の動きと、モノの動きと人の動きを教えてくれる。
タイトル:物流の世界史 グローバル化の主役は、どのように「モノ」から「情報」になったのか?
著者:マルク・レヴィンソン
発行元:ダイヤモンド社