アイルトン・セナ 音速の彼方へ解説
天才的なドライビング・テクニックと甘いマスクで世界中の人々を魅了しながらも、1994年のサンマリノGPで衝撃的な事故死を遂げたブラジルのF1ドライバー、アイルトン・セナの素顔に迫るドキュメンタリー。その34年の生涯を、レース映像や貴重なプライベート映像を交えながら振り返るほか、本人へのインタビューやチーム関係者・家族らの証言を通し、華々しい経歴の影に潜んだ苦悩や葛藤(かっとう)を浮き彫りにしていく。
アイルトン・セナ 音速の彼方への感想
私の世代にとって、F1ブームの絶頂期を知っているF1好きにとって、セナは神様なのだ。プロストのライバル。音速の貴公子。ブラジルが生んだ英雄なのだ。
そんなブラジルが生んだ英雄の葛藤を描いたドキュメンタリー。よくこんな映像が残っていたんだな、と感心してしまう。プロフェッサー・プロストが新進気鋭のセナに対して上から目線だったのもつかの間、気がついたらセナは倒さなければならないライバルとなり、超えることのできない壁になっていた。
そんなプロストを超え、世界一速い男となったセナの時代も長くなかった。アクティブサスペンションの誕生に始まるF1マシンの電子化の波に飲み込まれる。そして、セナの登場によりプロストが過去のレーサーになったように、シューマッハという天才がセナの前に現れてくる。
マクラーレンからプロストを追い出したセナ。今度はウィリアムズからプロストを追い出し、ウィリアムズのシートに収まった。
セナがウィリアムズにいかなければならないので、セナがあのレースを棄権すれば…結末を知っているからこそ、終盤は悲しくなってくる。そして、みんなが知っている悲劇で映画は終わるのだ。
セナよ、永遠に。
アイルトン・セナ 音速の彼方へ スタッフ&作品データ
監督
アシフ・カパディア
脚本
マニッシュ・パンディ
製作
ジェームズ・ゲイ=リース
ティム・ビーヴァン
エリック・フェルナー
製作総指揮
マニッシュ・パンディ
デブラ・ヘイワード
ライザ・チェイシン
出演者
音楽
アントニオ・ピント
編集
グレッガーズ・ソール
クリス・キング
製作会社
ワーキング・タイトル・フィルムズ
ミッドフィールド・フィルムズ