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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

実務家ブランド論

著者:片山義丈
発行元:宣伝会議

 

実務家ブランド論のまとめ

やっぱ叩き上げで知識を身に着け、かつアカデミックな理論を学んでいる人っていうのはすごいな。話の幅と深みがすごいな。この本を読んで、わたしも牛の呪いが解けましたよ。テリーマンの呪いから解けましたよ。

 

実務家ブランド論を読んだ理由

ブランドについて学びたかったので

 

実務家ブランド論で仕事に活かせるポイント

実務家ブランド論の理解に重要な3つのポイントね。
①ブランド(妄想)は、何もしなくても自然にできるもの
②ブランド(妄想)は実態と違うこともあり得る自然にできあがるもの。
③知らないものは、ブランドではない

 

実務家ブランド論の目次

第1章 教科書ブランド論でブランドは作れない理由
第2章 実務家ブランド論における「ブランドの土台」とは
第3章 実務家ブランド論のブランドロゴづくりの方法
まとめ 日本におけるブランドづくりはいばらの道。だからこそ取り組む価値があります

 

実務家ブランド論の感想

教科書ブランド論にこだわると、ブランド=差別化となってしまう。その状況を著者は「牛の呪い」と呼んでいるw そして、世の中で使われているブランドという言葉は、ほとんど「企業・商品・サービス」という意味で使われている。

そういう残念なブランドの定義から、残念なブランドプロジェクトが始まってしまう。

そうすると、どうなるのか? ブランドをつくることが目的化してしまう。手段と目的が入れ替わってしまうのだ。なお著者はブランドは金儲けの手段だと言い切る。流石だな。事業会社のど真ん中でブランドを取り扱ってきただけのことはある。

そして、著者は実務家ブランド論を次のように定義している。

 

(ブランド)思い出すきっかけになるものに出会ったときに、(→知っていることに気づき→)その瞬間に頭の中中に自然に浮かんだ勝手なイメージ

 

すごい、言い切りw だから、ブランドとは「その人の頭の中にある勝手なイメージ=妄想」なんて言ってたりする。

そんな教科書的ではない実務家ブランド論の理解に重要な3つのポイントがある。

①ブランド(妄想)は、何もしなくても自然にできるもの
②ブランド(妄想)は実態と違うこともあり得る自然にできあがるもの。
③知らないものは、ブランドではない

このようなことを踏まえ、著者はさらにこう重ねます。

 

一番重用なことは、約束なんかしなくても、差別化されていなくても、とにかく知られているということ。シンプルに、「知られていれば、それはブランドである」ということです。
生活者が知っている企業・商品、それはすべてブランドです。

 

え!ブランドって、まず、差別化されてることなんじゃないの! なんて思っちゃ、負けです。そんなこと言ってるからブランド施策は失敗するのですと。

著者はブランドの状態を次のように整理しています。

 

①約束・絆・大好きレベル(絶対選択してもらえる・スーパースターブランド)
②なんとなく好きレベル(選択時に有利・優秀なブランド)
③嫌いではないレベル(選択肢には入る・凡人のブランド)
④識っているレベル(知らないよりはまし・赤ちゃんブランド)
⑤知らないレベル(この状態では妄想がない=ブランドではな)

 

私もそうですが、ブランドっていうと、いきなりスーパースターなブランドを目指しちゃうのよね。アップルとか、Googleとか。そういうのは、
数が少ないから目立つし、スーパースターなんだよな。

まずは、知ってもらえるところから始めるんだよな。で、知ってもらうにはブランドづくりの方程式を使うといいとな。それはブランド=情報×接点だとな。

で、最後に著者は実務家ブランド論の作り方を次のように教えてくれるのだ。

 

①ブランドづくりの目的を正しく認識する(間違えない)
②ブランドとは何かをしっかり理解、正しい定義をみなで共有する
③「ブランド階層図」でブランドの階層をきちんと理解し、「なんとなく好き」を目指す
④自分たちがどんな企業・商品なのかをはっきり決める⑤ブランド戦略を考えてやることやらないことを決める
⑥「ブランドづくりの方程式」に沿って効率よくブランドをつくる
⑦トリプルメディアをすべて使って生活者に伝える

 

なんか元も子もないような話だけれど、ブランドづくりって地べたを這いつくばって行うタスクが多そうだから、きっと正しいのだろうな、と思った。

 

 

タイトル:実務家ブランド論
著者:片山義丈
発行元:宣伝会議