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サイゼリヤ おいしいから売れるのではないうれているのがおいしい料理だ

著者:正垣泰彦
発行元:日本経済新聞出版社

 

 

サイゼリヤ おいしいから売れるのではないうれているのがおいしい料理だのまとめ

サイゼリヤって凄いな。何が凄いって、料理という定性的なもの、エモーショナルなものにたいして、「そうならなない」ようにしてるのが凄いよな。

 

サイゼリヤ おいしいから売れるのではないうれているのがおいしい料理だを読んだ理由

サイゼリヤが好きなので

 

サイゼリヤ おいしいから売れるのではないうれているのがおいしい料理だで仕事にいかせるポイント

ぶれない指標、誰でもわかるKPIを考えるのは重要だよな。

 

サイゼリヤ おいしいから売れるのではないうれているのがおいしい料理だの目次

第1章 「客数増」がすべて お客様本位のものの見方とは
第2章 十分な利益を確保するには 大切なのは儲かる仕組み作り
第3章 リーダーと組織の在り方 人が頑張れるのは誰かに役立つからだ
第4章 逆境を乗り越える 苦しいときこそチャンスである
第5章 ずっと繁盛する店になるために 理念と目標と組織作り

 

サイゼリヤ おいしいから売れるのではないうれているのがおいしい料理だの感想

サイゼリヤといったら人気のイタリアンレストラン、というかファミレスだ。何しろ安い。安くてうまい。いや、もっとうまいイタリア料理店はたくさんあるのだが、あの値段で、あのクォリティの料理が出されたら、何も文句はない。大満足だ。

そんなサイゼリヤの創業者である著者が綴った、サイゼリヤの秘密。

お店経営や、お金儲けの秘訣がここには書かれている。

たとえば、安くて満足の話しなのだが、そこについても触れられている。

 

ただし、安売りがはやっているときに、値下げで割安感を演出するのは危険だ。お値打ちな料理とは価格が安いのではなく、その品質が「この値段なら、この程度の価値が必要だ」という水準を上回っている状態のことだ。

 

まんまと、サイゼリヤの罠にはまっているわけですね、私。すきだものな、サイゼリヤ。並の居酒屋さんよりも。サイゼリヤが好きだもの。だって、ワインがおいしいのだもの。

でもね、そんなサイゼリヤですが、著者は、自分の料理がおいしいと思ってないの。:そりゃ、自分が料理しているわけじゃないですからね、という話じゃないですよ。サイゼリヤの料理をおいしいと思っていないの。なんで?と思ってしまうのですが、理由はここにあるのですよ。

 

ただし、「自分の店の料理はうまい」とは思ってはいけない。それこそが悲劇の始まりだと私は思っている。なぜなら、「自分の店の料理はうまい」と思ってしまったら、「売れないのはお客が悪い。景気が悪い」と考えるしかなくなってしまうからだ。

 

すごいな。

これがミシュランの三つ星シェフと、他店舗展開しているレストラン経営者のちがいだろうな。自分の料理に絶対的な自信を持っていないので、売上が下がったときには謙虚に、その理由を探ろうとする。決して人のせいにしようとはしない。

だから、著者はこんなことも言っている。

 

だから、「おいしい」=「客数」と考えるようにしている。客数が増えているなら、その店の料理はおいしい。逆に客数がへっているなら、その店の料理はおいしくないのだから、何らかの対策を講じるべきだ。

 

すごいな、この自信。逆に自分の料理に自信がなければ、こんなことを思わないだろうに。

何度も言いますが、その自信に奢ってないんだよな。どこまでも謙虚。この謙虚さが本書の至る所から感じ取れる。謙虚で研究熱心だから、サイゼリヤのようなお店を成功に導くことができたのだろうな。

 

よく成功体験から学ぼうとする人がいるが、成功とはほとんどの場合、”まぐれ”みたいなものなので、そこから何かを学ぶのは不可能に近い。失敗を繰り返し、その経験から学んでこそ、成功に近づける。

 

 

人間は何かを考えるとき、先例や成功体験を前提に自分にとって都合の良い、あるいは得をするような結論(経営判断)を導き出してしまいがちだからだ

 

店で起きるあらゆる現象を観察し、可能な限り、数値や客観的なデータに置き換えて、因果関係を考えることだ。

 

成功にこだわらない。いや、成功にこだわっているからこそ、失敗を受け入れる。なんだ?サイゼリヤGoogleなのか?そんなことを思ってしまう。

謙虚だからこそ、先行している事例をひたすら学ぶ。なおで、素直に学ばない人を、見限ってしまう。

 

飲食店経営者の中には、他店を観察したあとで、「この店のやり方は大手だからできることで、うちにはまねできない」と、初めからまなぶことをあきらめてしまったり、逆に視察した店のあら探しばかりしたりする人がいる。厳しい言い方になるが、そんなことをやっている人は、経営者に向いていない。

 

と。

ひょえええええ。

おっしゃることはただしいですが、ここまでビシッ!と言い切られちゃうと、逆におびえますw

もちろん、他店舗展開している会社には敬意を表して、素直に学びます。

 

なおチェーン店を視察する場合、その店数は自社の10倍より100倍、100倍より1000倍と多ければ多いほど望ましい。なぜなら数多くの店を持つチェーン店では、長い年月をかけて改善と標準化を進め、その店のお客様にとって「これが大事」というものだけが残っているはずだからだ。

 

そりゃそうだ。

大規模オペレーションを実現させるには、それを裏支えするルールと仕組みがあるんだよな。そこに目を向けなさいって、サスガッス。

失敗から学んでいると経営が厳しくなってくるのですよ。お金がでていくのですから、会社は辛いことになる。じゃ、そう言う場合にはどうすればいいのか?というと、シンプルな方法を著者は教えてくれますよ。

 

不況下で、大切なのは売上の確保ではなく、無駄をなくすことだ。

 

一番効果があるのは、何かを改善しようと考えるのではなく、今までやっていたことをやめることだ

 

無駄をけずれ。無駄なことを削れ、スリムになれ、と。

いやいや、それはそれで厳しい・・・というあなたにお勧めの方法も紹介されています。

 

適正な利益を確保するという意味で、私が創業時から重視する経営指標が「人時生産性」だ。

 

 

人時生産性=1日の粗利益額÷従業員の1日の総労働時間

 

同じ100万円かせぐのでも長時間働いて得た結果と、1時間しか働かないで得た結果なら、そりゃ後者の方がいいですよね、と。

そして、最後に。

いろいろつらつら書いてきましたが、本書で一番重要なことはこれだと思います。

 

目標として追う数値は時々、変えてもかまわない。例えば、「営業利益」でもよいし、アンケートを集めたいなら、アンケート結果の回収数というのでも良いだろう。ただし、追う数値は1つに絞ること。2つや3つに増やすべきではない。人間は一度に、いくつもの目標を終えるほど器用ではないからだ。

 

私も目標を1つに絞ろう。

 

 

タイトル:サイゼリヤ おいしいから売れるのではないうれているのがおいしい料理だ
著者:正垣泰彦
発行元:日本経済新聞出版社