摩天楼を見渡せるアパートの一室。優秀な学歴のフィリップとブラントンが殺人を犯したのは、まさにその場所だった。動機はなく、自分たちがずば抜けて人より秀れていることを試す、ニーチェの理論を実践したに過ぎなかった。2人はもっとスリルを味わうために被害者の父、恋人、被害者の恋仇だったケネス、伯母、青年たちの先生だった大学教授を招いてパーティを催す。死体入りのチェストの上にごちそうを並べて皆に食べさせたり、殺人に使ったロープで本を縛って父親に贈ったりして、優越感を味わっていた。それでもデイヴィッドがなかなか現れないので、みんな心配し始める。冷静なブラントンとは対照的に、フィリップは罪の恐ろしさに次第に冷静さを失っていく。教授がかつて世の中には法律など超越した超人がいてもいいと話し、パーティでも繰り返す。2人の異常さに徐々に気づいた教授は、帰りに偶然被害者の帽子を見つける。帰るが、煙草入れを忘れたと電話して、再び部屋を訪れる。フィリップはすっかりとり乱していた。教授はブランドンのポケットの拳銃をとりあげようとする。そして、推理が始まり、チェストを開ける。
感想
この作品は映画じゃない!演劇だ!舞台だ!
場面が移り変わることもなければ、アップになることもなければ、大きなひきの絵が映されることもないという画面構成。アパートの2部屋(3部屋と言うこともできる)だけで繰り広げられる心理戦。パーティ会場である、いまその部屋が殺人の現場であり、遺体が保管されている場所でもあるというのに。
ロープだけでなく、本、料理、燭台、たばこ、お酒・・・登場人物の心境を表現するために利用される様々な小物が不気味さを引き立てて、これまた良かったですな。
金田一君も、コナン君も登場しない殺人事件ですが、人間のエゴを描くには十分でしたね。
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | ||
---|---|---|---|---|
PDDVD版 | BD版 | テレビ版 | ||
ルパート・カデル | ジェームズ・スチュワート | 加藤亮夫 | 根本泰彦 | 津嘉山正種 |
ブランドン・ショー | ジョン・ドール | 乃村健次 | 浜田賢二 | 玄田哲章 |
フィリップ・モーガン | ファーリー・グレンジャー | 中國卓郎 | 佐藤拓也 | |
ジャネット・ウォーカー | ジョアン・チャンドラー | 水野千夏 | 小林さやか | |
ヘンリー・ケントレイ | セドリック・ハードウィック | 西垣俊作 | 勝部演之 | |
アニータ・アトウォーター | コンスタンス・コリアー | 七瀬みーな | 片岡富枝 | |
ミセス・ウィルソン | イディス・エヴァンソン | 田中結子 | 立石涼子 | |
デイヴィッド・ケントレイ | ディック・ホーガン | |||
ケネス・ローレンス | ダグラス・ディック | 小浅和大 |
(Wikipediaより)
他のヒッチコック作品の感想