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五色の虹 満洲建国大学卒業生たちの戦後

著者:三浦英之
発行元:集英社

 

 

五色の虹のまとめ

満州石原莞爾が生み出した、満州建国大学という国策大学があった。五族協和を実現するための国策大学。口だけの五族協和と違い、日本人、朝鮮人、中国人、台湾人、ロシア人のエリートが集められ、国家指導者になるために日々の学びを実行した場所。世界最終戦論に備えて作られた大学には言論の自由が認められ、若者たちは自由闊達に知識の拡充をはかった。そんな大学も、日本の敗戦と共になくなってしまった。満州国の最高学府で学んだ若者たちのその後を追ったドキュメンタリー。第13回開高健ノンフィクション賞受賞作品。

 

五色の虹を読んだ理由

東ドイツに留学経験にある知人から、おすすめされたので

 

五色の虹で仕事に活かせるポイント

大学時代の友人は、一生の友人なんだよな

 

五色の虹の目次

序章 最後の同窓会
第1章 新潟
第2章 武蔵野
第3章 東京
第4章 神戸
第5章 大連
第6章 長春
第7章 ウランバートル
第8章 ソウル
第9章 台北
第10章 中央アジアの上空で
第11章 アルマトイ
あとがき

 

五色の虹の感想

大学というのは不思議な場所です。学ぼうという意識のもとに集まった、バックボーンの全く違う若者たちが、仲良くなったり、喧嘩したりして、絆を深める場所なのです。そして、その絆は一生の宝物となるのです。

ミッション系三流私立大学を出た私ですらそう思ったのですから、満州国の最高学府に通った若者たちの絆は、その比ではないでしょう。

私、満州には帝国大学があるものだと思ってました。満州帝国大学とか、新京帝国大学という名前の大学が。全く違いましたね。日本人、朝鮮人、中国人、台湾人、ロシア人のエリートが集まり、国家指導者となるための教育を受ける国際大学である建国大学があったなんて知りませんでした。日本語を共通言語にしながら、英語や、漢語、ロシア語などの外国語を学び、かつ、言論の自由があった大学。きっと、日本本土や、朝鮮半島、台湾にある大学よりも、自由に、のびのびと学ぶことができたのだろうな。

しかし、そんな建国大学も、日本の敗戦とともに消滅してしまうわけです。満州という国がなくなったように、大学がなくなってしまったのです。

そうなると、各民族のエリートとして集められた建国大学生は、つらい人生を過ごすようになってしまうのです。

建国大学の卒業生が、それぞれの人生を語り、そのインタビューの状態をまとめた一冊。

私たちは、戦前戦中の情報に目を向けなさすぎですよ。まぁ、建国大学の情報は、敗戦時にいろいろと破棄されてしまったという事実もあるのですが。

 

 

タイトル:五色の虹 満洲建国大学卒業生たちの戦後
著者:三浦英之
発行元:集英社