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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

コミュニケイションのレッスン

著者:鴻上尚史
発行元;大和書房

 

コミュニケイションのレッスンのまとめ

劇団を主宰し、演出を手がける鴻上尚史さん。鴻上さんが今までの人生で身につけてきた、コミュニケーションのHow toを教えてくれるのが本書。さすが、舞台人です。自分の思いをどうやって伝えるべきなのか? これをすべき、これをしちゃだめと言うことをわかりやすく教えてくれます。そうですよね。わかりやすく教えることができなければ、演出ができないですもの。世の中にあまたある、コミュニケーションHow to本に書かれている内容だと、どうすればいいのか分からない。そんな人にお勧めの1冊。

 

コミュニケイションのレッスンを読んだ理由

奥さんから勧められて

 

コミュニケイションのレッスンで仕事に生かせるポイント

コミュニケーションは、相手を言い負かすことじゃないんだよな。勝ち負けじゃない。仲良くなったり、納得したりすることなんだよな。

 

コミュニケイションのレッスンの目次

第1章 コミュニケイションとは何か?
第2章 「世間」と「社会」
第3章 コミュニケイションの技術「聞く」
第4章 コミュニケイションの技術「話す」
第5章 コミュニケイションの技術「交渉する」

 

コミュニケイションのレッスンの感想

鴻上さんといえば、第三舞台ですよね。でも、そういう演劇よりも、私にとってはラジオパーソナリティのイメージの方が強いのですよね。ラジオっ子なもので。鴻上さんと言えば、オールナイトニッポンですよ。まぁ三宅裕司さんも、古田新太さんも、完全にラジオパーソナリティな、イメージなんですけれどねw

ラジオであれだけしゃべれる鴻上さん。どれだけ、しゃべりが得意なのか、コミュニケーションが得意なのかと思っていたのです。が、この本を読んだら、どうやら違うらしいのです。コミュニケーションがうまくなるように、練習したとのこと。スポーツと同じで、練習すれば、上達するんですとな。野球を例にとって、1回だけ打席に立って失敗しただけで「おれ、野球が下手」って、思わないでしょ、と。

そりゃ、そうだ。なお、鴻上さん曰く「おれ、コミュニケーションが得意だ、っていっているやつには近寄らない方がいい」(意訳)とのことなので、気をつけましょう。

じゃあ、どうやってコミュニケーションを学ぶのかと言うことで、本書の話。いまのキラキラした若者は、大学の時にディベートを学んでいる人が多いのですが、欧米流のディベートを学んだだけでは、日本人のコミュニケーションはうまくいかないんですって。だって、コミュニケーションは「負ける」か「勝つ」か、だけじゃないから。

あぁ。だから、負けたら死ぬ、謝ったら死ぬというレベルで、意見してくるんだな、と納得。コミュニケーションで勝つか、負けるかは、ディベートの世界だけで、それを日常のやりとりに持ち込むなよ、ってことだな。

じゃ、日常とはどういうことなのか、どういう世界なのか、ということになる。

世の中には、小さな共同体である世間と、大きなくくりである社会がある。日本では、いまだに世間が重要視されている。世間の大きな特徴は①長幼の序②共通の時間意識③贈与・互酬の関係④差別的で排他的⑤神秘性、の⑤つである。この世間の特徴をしっかり心得てコミュニケーションを行うことが重要であると。

おお。わかりやすいな、この説明。世間っていうのは、主語がなくても、会話が成り立つ世界なんだよ、きっと。長年連れ添った夫婦が「お母さん、あれ」「おとうさん、はい」って、新聞を取って渡すようなことなんだな。

なので、コミュニケーションを取る対象が「世間」の住人なのか?「社会」の住人なのか?をちゃんと見極める必要があると。

いきなり、商談の場で「お母さん、あれ」と言っても、新聞が出てくるわけ無いしな。まぁ、それは当然なんだけれど。そこに気がつかない人が多いという。

なぜかというと、多くの人は「わかり合えないことを前提にコミュニケーションを行っていない」から。

「わかるでしょ?」「知ってるでしょ?」前提でコミュニケーションを行って、うまくいかないから「失敗しちゃったよ」となる訳なんだな。そりゃ、うまくいかないって。

なお、コミュニケイションは「聞くこと」から始まるのだと。自分は、ちゃんと相手の話を聞いているのか、考えてみよう。

そして、相づちは、肯定的な相づちを使うようにする。

まず、受け入れる。相手を知るってことからスタートだね。

 

 

タイトル:コミュニケイションのレッスン
著者:鴻上尚史
発行元;大和書房