空白の五マイルのまとめ
冒険家で、ドキュメンタリー作家である角幡唯介さんのデビュー作。東チベットにあるツアンボー峡谷という世界最大の峡谷を冒険するという手記。21世紀の地球上人跡未踏の場所があったなんてびっくり。無茶と無謀を希望と野暮で打ち破っていくルポタージュ。行ってみたいけれど、たぶん、絶対に行けない場所なんだよな。
空白の五マイルを読んだ理由
角幡唯介さんファンだから
空白の五マイルで仕事に活かせるポイント
しっかりとした計画と、引き返せる勇気
空白の五マイルの目次
第一部 伝説と現実の間
第1章 1924年
第2章 憧憬の地
第3章 若きカヌーイストの死
第4章 「門」
第5章 レース
第6章 シャングリ・ラ
第二部 脱出行
第1章 無許可旅行
第2章 寒波
第3章 24日目
空白の五マイルの感想
私、早稲田大の探検部に入りたくて1994年、1995年と、早稲田の全学部を受験したのですよね。社会学部がA判定で、法学部がB判定だから、どこかの学部に受かるだろうと思ったら、全部落ちました。あぁ、なんということでしょうか。
きっと、あのまま早稲田に受かっていたら、探検部員として、カムチャッカや、中央アジア、シベリアを冒険していたのだと思う。
そんな私と角幡唯介さんは、同い年。早稲田の探検部員として、ともに探検をしていたのかもしれない。そんな角幡唯介さんが、大学時代から、踏破することを夢見ていたのが、東チベットにあるツアンボー峡谷の空白の5マイルという箇所なのだ。
そもそも、東チベットってどこ? という感じなのですが、中国と、ブータンと、インドと、ミャンマーの国境近くなのだそうな。で、その更に奥にあるのが、ツアンボー峡谷なのだそうな。この土地、インドと中国で争いをずっと続けている土地で、基本的に海外の人は中国政府の許可なしでは旅することができないのだとな。そりゃ、人跡未踏になりますよねという政治状況なのですが、ヒマラヤ山脈、チベット高原、東南アジアのジャングル、そして激流のツアンボー川という自然環境もあり、そもそも人を寄せ付けない場所なのだそうな。
19世紀以来、踏破&調査しようと、様々な探検家がこの土地を訪れました。が、前述のような環境でうまくことが運ばず、あると言われていた幻の滝を確認するのも20世紀も世紀末になってからでした。
本書では、角幡唯介さんのドキュメンタリー以外に、ツアンボー峡谷をめぐって繰り広げられた、様々な冒険の歴史も、紹介されています。その中には、ツアンボー峡谷取材中に亡くなってしまったカヌーイストの話もあります。元早稲田大学カヌークラブであった只野さん。それは1993年の頃。私が、早稲田大学に入ろうと決めた頃の出来事でしたね。