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作画汗まみれ 改定最新版

著者:大塚康生
発行元:文藝春秋

 

作画汗まみれ 改定最新版のまとめ

朝の連続ドラマ「なつぞら」といえば、なつの祖父役であった草刈正雄さんの演技が有名すぎましたが、それ以上に、業界をざわつかせることがあったんですよね。麒麟・川島演じる下山は、実在するアニメーターがモデルであった、と。そのアニメーターこそが、本書の著者である大塚康生さん。元麻薬Gメンという異色のアニメーター、ドラマでは、元警察官として描かれていましたね。まだ、アニメなん言葉がなかった時代、ディズニーのアニメーションに憧れた若者たちの苦悩と努力が鮮明に描かれております。21世紀にはジャパニメーションともてはやされているなんてことは、60年前は想像もできなかったことでしょう。そして、大塚康生さんの後を追って成長していった宮崎駿さんに、高畑勲さん。スタジオジブリができるまでの話は必読ですね。

 

作画汗まみれ 改定最新版を読んだ理由

自動車好きの間で大塚康生さんは神様のような存在でした。そんな大塚康生さんを偲んで。

 

作画汗まみれ 改定最新版で仕事に活かせるポイント

奢らずに、徹底的に学ぶってことだね

 

作画汗まみれ 改定最新版の目次

まえがき
1章 アニメーション新入生時代
2章 日本初のカラー長編動画
3章 東映長編を支えた仲間たち
4章 テレビアニメーション時代の幕開
5章 『太陽の王子ホルスの大冒険
6章 『ルパン三世
7章 『未来少年コナン
8章 長編アニメーション再燃
9章 『リトル・ニモ』顛末記
10章 日本人を描くアニメーション
あとがき
特別収録1 人生の兄貴分 高畑勲
特別収録2 中傷絵画 宮崎駿
おまけ漫画 “素顔”に宮崎さん あれ? なんの話だっけ…
巻末論文 60年代頃の東映動画が日本のアニメーションにもたらしたもの 高畑勲
大塚康生 フィルモグラフィー

 

作画汗まみれ 改定最新版の感想

東京オリンピックの開会式が残念すぎたわけです。後世に語り継がれるレベルで、残念だったわけです。

なんで、宮崎駿さんに依頼をしなかったのでしょうか? やはり、さすがの宮崎駿さんだと、オリンピックの開会式用のアニメ制作は受けなかったですかね? であれば、宮崎駿さんの弟子である庵野秀明さんにお願いすればよかったんじゃないでししょうか? コロナでおかしくなって、分断されてしまった世界をオープニングアニメで表現して、そんな世界を救うためにエヴァが現れるとか…やればよかったのに。

話がそれましたが、本書はそんな宮崎駿さんの師匠筋というか、先輩というか、なかまにあたる大塚康生さんですね。

ルパン三世や、未来少年コナンでタッグを組んだのが有名なお二方です。

そんな大塚康生さんが厚生省の麻薬Gメンを辞め、アニメーターに転職するとことから、話が始まります。なお、そのころアニメーターなんて職種もありませんでした。東映が漫画動画をこれから立ち上げるということで、作画見習いとして潜りこんだのだそうな。

ディズニーに追いつけ、追い越せ。やる気だけは十二分にあふれている若者たちが集まる世界。そこは、90年代のネット業界と同じような感じですかね。

その後、様々な会社や、大人が関係し始め、どんどん自由と志が失われていくというのも、ネット業界と同じですね。質よりも、やすさで勝負といながれも。

ただ、この流れに抗う男たちがいた、と。それが宮崎駿さんであり、高畑勲さんであり、著者であり、長編アニメーションを愛する人々だった。

今の日本のアニメ業界がどのように進化したのかが、よくわかる本ですね。

 

 

タイトル:作画汗まみれ 改定最新版
著者:大塚康生
発行元:文藝春秋