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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

天国からはじまる物語

著者:ガブリエル・ゼヴィン
訳者:堀川志野舞
発行元:理論社

 

天国からはじまる物語のまとめ

「おばあちゃんが死んだらどうなるの?」「天国ってどういう場所なの?」。幼かった娘に、そうやって訊かれたら、この本の内容を答えよう。天国は、いま、みんなが過ごしている世界によく似ているんだ。もちろん、いろいろと違う点はあるよ。その1つは「トシをとることがなく、若返っていくってこと」なんだ。なので、天国では死なないんだよ。そもそも、最初から死んでいるしね。どんどん若返っていくんだよ。そして、最後は新生児、生まれたばかりの赤ちゃんになって、この世に戻って来るんだよ。
不思議な設定のなかで繰り広げられる愛情劇。この世では未来ある若者も、天国では将来が短い若者となってしまう。だからこその葛藤は、子を持つ親としは色々と考えさせられてしまいますね。

 

天国からはじまる物語を読んだ理由

「天国からはじまる物語」というタイトルにやられたので

 

天国からはじまる物語で仕事に活かせるポイント

とくになし

 

天国からはじまる物語の目次

1 船に乗って
2 どこかで合いましょう
3 いにしえの地

 

天国からはじまる物語の感想

原題は「ELSE WHERE」ですね。ドコか他の場所。本書内では「ドコカ」と表記されています。この「ドコカ」が、ずばり天国。

 

地上と同じような生活を送れる「ドコカ」ですけれど、細かい場所がいろいろ違う。そのなかでもキーとなる違う点は「毎年1歳ずつ若くなる」というポイント。80歳で「ドコカ」に来たら寿命は80年、20歳なら20年となる。

 

この物語の主人公はエリザベスことリズ。友人と買い物に行く途中、タクシーにはねられて亡くなってしまった女のコだ。もうすぐ16歳になる予定だった15歳の女の子。

 

だから「ドコカ」での寿命は15年。

 

もちろん、その短い寿命を受け入れることもできなければ、自分が死んでしまったろ言うことも受け入れることができない。そして、「ドコカ」で出会ったベティという女性が自分のおばあちゃんであることも受け入れられない。だって、おばあちゃんはリズが生まれる前に亡くなっちゃったし、おばあちゃんは「ドコカ」で長年過ごしていたのでお母さんより若い32歳なのだから。

 

そんなリズが繰り広げる物語。人は一人で生きていくことはできない。家族や、社会という関係性の中で生きていくのは、あの世も、この世も同じ。ただ、あの世ではこの世の職業にとらわれないで生活することもできる。

 

とらわれないでいいといわれても、囚われちゃうの人の性。

 

丹波哲郎さんじゃないけれど、あの世とこの世は地続きなのかもしれませんね。あ、この物語だと、あの世とこの世の間には大きな海と河があるのでした。

 

 

 

タイトル:天国からはじまる物語
著者:ガブリエル・ゼヴィン
訳者:堀川志野舞
発行元:理論社