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台湾人の歌舞伎町

 著者:稲葉佳子、青池憲司
発行元:紀伊國屋書店

 

まとめ

インバウンド向けの観光地に生まれ変わった感もある新宿歌舞伎町。しかし、おじさんの世代にとっては大遊戯場歌舞伎町であり、不夜城である歌舞伎町。元々は角筈町。戦争によって焼け野原になってしまった新宿に生み出された一大繁華街の歴史に迫った1冊ですね。なんで、あんなところにゴジラがいるのかとか、ラブホ外があんなへんぴなところにあるのか、その秘密がわかります。やっぱ、待ちに歴史ありだな。

この本を読んだ理由

昭和の歴史を調べるのが私のライフワークなので

仕事に活かせるポイント

特になし

目次

第1章 <ルンバ>の青春 1945-49 虚脱から再起へ
第2章 <地球座>から始まった歌舞伎町 1945-49 理想と停滞
第3章 「歌舞伎町」前夜 1950-54 焦燥から光明へ
第4章 ”じゅく文化”の裏に台湾人華僑あり 1955-64 胎動から興隆へ
第5章 台湾人が愛した歌舞伎町 1965-74 燗熟、そして変容

感想

新宿歌舞伎町といえば、世界最大級の繁華街。飲食店や、風俗店に、バッティングセンターや、神社、区役所までがギュッと集まった街。

JR新宿駅前とも言えない、なんとも中途半端な場所にできた繁華街の歴史と進化に触れた本。

戦後の混乱と、戦後の復興が街を作った分けなのですが、そこには光もあれば、闇もあるということですね。

米軍向けの特殊慰安施設協会が卑猥な街をつくり、歌舞伎座を誘致して街のシンボルにしようという思いが賑やかな街を作り、生命力にあふれた闇市が閉鎖されたことが、歌舞伎町の熱さを生み出したということですな。

人種も、国籍も、地位も何も関係ない。熱い想いがあれば成功することができる。

そういうパッションが歌舞伎町を魅力的な街に作りあげていたんだな、ということがよく分かりますね。

 

台湾人の歌舞伎町――新宿、もうひとつの戦後史
 

 

タイトル:台湾人の歌舞伎町
著者:稲葉佳子、青池憲司
発行元:紀伊國屋書店