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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

日本人とユダヤ人

著者:イザヤ・ベンダサン
発行元:角川書店

 

まとめ

ユダヤ人という鏡に映し出された日本人。日本人の特殊性を浮き上がらせたといわれる一冊。初版は昔々。昭和46年に発行された本にも関わらず、令和2年の今にもピッタリと当てはまる。このコロナ禍によって日本教の存在は揺らいでしまったのかも知れませんね。いや、違うな。多くの日本人が感じていなかった日本教を、リアルに感じるようになったということですね。コロナに掛かりたくないのであれば、政府を信じることができないのであれば、自分で考えて動けよってことだよな。

 

この本を読んだ理由

コロナにあたふたする多くの日本人と日本政府をみていて「なんだかなぁ」と思ったから。なんの根拠も論拠もなく、空気に支配されて、流される日本人の様子をみたから。

仕事に活かせるポイント

とくになし

目次

一 安全と自由と水のコスト 隠れ切支丹と隠れユダヤ
ニ お米が羊・神が四つ足 祭司の勤めが非人の仕事
三 クロノースの牙と首 天の時・地の利・人の和
四 別荘の民・ハイウェイの民 じゃがたら文と祝砲と西暦
五 政治天才と政治低能 ゼガリヤの夢と恩田木工
六 全員一致審決は無効 サンヘドリンの規定「法外の法」
七 日本教徒・ユダヤ教徒 ユーダイオスはユーダイオス
八 再び「日本教徒」について 日本教の体現者の生き方
九 さらに「日本教徒」について 是非なき関係ろ水くさい関係
十 素晴らしき誤訳「蒼ざめた馬」 黙示的世界とムード的世界
十一 処女降誕なき民 血縁の国と召命の国
十二 しのびよる日本人への迫害 ディプロストーン東京と名誉白人
十三 少々、苦情を! 傷つけたのが目なら目で、歯なら歯で、つぐなえ
十四 プールサイダー ソロバンの民と数式の民
十五 終わりに 三つの詩

感想

山本七平ペンネームがイザヤ・ベンダサンユダヤ人の姿を借りて行う日本人論。

いろんな批判がある一冊。

そこはそこと割り切り、久々に読みすすめる。

よく言う「水と安全は無料(ただ)」と日本人は思っているという話しの原点ですね。ニューヨークのホテルで生活しているユダヤ人にであったという話、英語版にないらしい。

私、英語版、読んだことないけれど。

コロナ禍で上へ下へ、右へ左へと大騒ぎしている日本社会に対して「なんだかなぁ」と思っていた私にとっては、最高の一冊でしたね。

あぁ、日本人って、日本社会って、この本が書かれた昭和四十年代と変化してないんだ、と。これこそまさに、日本教だな、と。

安全というのは、そこに自然にあるものではないんだよな。勝ち取って、守らなきゃだめなんだよな。誰かから与えられるものじゃない。

そんなにコロナに掛かりたくないなた、政府や、会社になんか期待せず、自分で考え、行動すればいいじゃないか。

コロナによって浮き上がった「日本人らしさ」。

四十年以上前と全く変わらないな、ということを知って、震えますよ。

 

 

タイトル:日本人とユダヤ人
著者:イザヤ・ベンダサン
発行元:角川書店