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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

浮浪児 1945 戦争が生んだ子供たち

著者:石井光太
発行元:新潮社

 

まとめ

再開発という名の下に、2020年東京オリンピック開催という名前の元に、町がどんどんどんどん変わり続けていく。しかし、変わらない場所は変わらないのだ。そこに足を踏み入れて、感じることは、悲しい歴史かもしれない。ただ、はっきりしているのは悲しい歴史から目を背けてはならないということだ。戦争により家族を失ってしまった子供たち、戦後のつらい生活から逃げ出してきた子供たち。幸せナ人生を送った人もいれば、そうでない人生を送った人もある。いや、どちらに進むにしろ自分で人生を歩める人は世かっやのかもしれない。戦争により心が傷ついてしまった子供たちが多数いた、という現実に私は心を痛めてしまう。歴史の1ページとなってしまう出来事かもしれないけれど、決して忘れてはいけないことなのだ。

この本を読んだ理由

昭和の歴史を調べることが、私のライフワークですからね

仕事に活かせるポイント

特になし

目次

第1章 上野と飢餓
第2章 弱肉強食
第3章 上野の浄化作戦
第4章 孤児院
第5章 六十余年の後

感想

私のライフワークは昭和の歴史を調べることです。とくに町の歴史と、昭和の歴史を重ね合わせて調べることを好みます。

この本を読んだ最大の理由はアメ横の歴史が知りたかった、からなのですね。今のアメ横センタービルのところに近藤マーケットがあった、ということは知っていました。近藤マーケットは、東京最大級の闇市を浄化するために作られた、ということも知ってました。その争いにやぶれた朝鮮系の人々が、昭和通りの東側に移動して、キムチ横町を作ったというのも知っていました。そして、昭和通りの東側、上野駅のちょうど反対側のエリアには東京最大のドヤ街があったということも。

そんな上野の戦後史を知りたくこの本を手に取ったのです。

家を失った、家族を失った子供たちの話を知ると言うことよりも、そっちがメインだったのですね。

でもですね、家を失った、家族を失った子供たちが、上野の地下道で生活をしていたという現実に、一気に引き込まれました。上野駅は、新宿や、池袋
渋谷以上に、その作りに詳しいのですよ。なので、一気に引き込まれる。

駅の作り自体は新しくおしゃれになっても、構造自体に大きな変化はないですからね。

そして、子供の頃、昭和50年代後半の上野駅の様子が、蘇ってくるわけですよ。

昭和50年代後半といったら、終戦から30年ちょっとの時代ですよ。この本に書かれている時代から、ジャスト30年くらいしか経過していない時代ですよ。

なんだかな・・・

ただただ気分が重くなってくる。

そして、日本人というのは優しくもなんともないんだな、と思ってしまう。それは終戦直後という時代背景が、そうさせたのかもしれないけれど。

戦時中よりも終戦直後の方が、食糧は不足していた。なぜならば、という説明がロジカルにされているわけですが、それが余計に「なんだかなぁ」という気持ちにさせるのです。

ただただ感じるのは、子供は大切にしないとナ、ということですよ。子供には注げるだけの愛情を注ごう。もちろん、自分の子供にも、そうじゃない子供にもダナ。

 

浮浪児1945‐: 戦争が生んだ子供たち (新潮文庫)

浮浪児1945‐: 戦争が生んだ子供たち (新潮文庫)

 

 

タイトル:浮浪児 1945 戦争が生んだ子供たち
著者:石井光太
発行元:新潮社