WEB銭の読書やグラベルロードのメモなど

マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

地上最強の男 世界ヘビー級チャンピオン列伝

著者:百田尚樹

 

まとめ

百田尚樹さんって、何者なんだろう?ボクシングが大好きな人なのだろうか???この人、放送作家で、右寄りの面白い小説を書く人だったんじゃなかったかしら?史上最強の男といえるボクシングヘビー級のチャンピオン、その歴史を追った本。それも、今のように団体が乱立していない時代、階級が細かくなかった時代に「ヘビー級のチャンピオン」だった人物と、試合の内容を取り上げた本。ただただ、それだけなのですが、一気に引き込まれていく。

この本を読んだ理由

格闘技が好きなのです。もちろん、ボクシングも好きなのです。という、軽い気持ちで手に取って、びっくりです。すごく良かった。

仕事に活かせるポイント

事実を語る際に、出来事を語る際に、その背景についてファクトを述べると、深みが増すんですね。この語り方を真似してみよう。

目次

第1章 「ボストン・ストロング・ボーイ」(The Boston Strong Boy)
第2章 「ジェントルマン・ジム」(Gentleman Jim)
第3章 「ルビー」(Ruby
第4章 「ボイラーメーカー」(The Boilermaker)
第5章 「ガルベストンの巨人」(The Galveston Giant)
第6章 「ザ・グレイト・ホワイト・ホープ」(The Great White Hope)
第7章 放浪のチャンピオン
第8章 「マナッサ・モーラー」(The Manassa Mauler)
第9章 「戦う海兵」(The Fighting Marine)
第10章 「動くアルプス」(The Ambling Alp)
第11章 「シンデレラマン」(The Cinderella Man)
第12章 「褐色の爆撃機」(The Brown Bomber)
第13章 世紀の一戦
第14章 無敵のチャンピオン
第15章 黄昏の王者
第16章 「シンシナティコブラ」(The Cincinati Cobra
第17章 「ブロックトンの高性能爆弾」(The Brockton Blockbuster)
第18章 「ボクシング界の紳士」(The Gentleman of Boxing
第19章 「ビッグ・ベアー」(The Big Bear)
第20章 「ボラ吹きクレイ」(The Louisiville Lip)
第21章 モハメド・アリ
第22章 「スモーキン・ジョー」(Smokin' Joe)
第23章 アリの復活
第24章 「ビッグジョージ」(BigGeorge)
第25章 キンシャサの奇跡

感想

これはすごい本だ。ボクシングの歴史を知ることができる。そして、ボクシングを取り巻く社会や、世間を知ることもできる。

最初は素手で殴り合う格闘技だった。いや、素手で殴り合うだけではない。殺し合いに近い格闘技だったのだ。まぁ、それはボクシング以外、柔道だってそうだけれどね。古代柔術は、まさに死に合うと書いて死合だったのですが。

そんな歴史のはじめから、この本書ははじまります。そして、終わりは、キンシャサの奇跡。

ただキンシャサの奇跡で終わるのですが、たんに「さすが、モハメド・アリだ!」と終わらない。アリがフォアマンにKO勝利したという話はそうなんだけれど、なぜ、キンシャサで試合を行ったのか?なぜ、アフリカでヘビー級のタイトルマッチが行われたのか?まで触れられている。

アリが、自分のルーツを誇りたかったんだよね、なんて単純な話じゃないんだよな。

そうなんだよ。

気を許すと、ボクシングには社会や、世間、政治が入り込んでくるのだ。

ロッキー・バルボアが、ソビエト連邦のアマチュアボクシングヘビー級王者イワン・ドラゴと戦うような、話が過去にはあったんだ。

アル・カポネがボクシングの試合に関わってくる、という話よりもきな臭く、血なまぐさく、嫌なお話。

でも、政治や社会から逃げられないんだろうな。

アリ以前の黒人チャンピオンは、品行方正でなければなかった(アリのように白人社会にたてつくチャンピオンは1人、ジャック・ジョンソンしかいなかった)んだよな。

この本を読は、ボクシングの歴史はもちろんおしえてくれます。ただ、それ以上に、アメリカの近現代史、それも負の面をふくめた近現代史を教えてくれるんだよな。

そして、ロッキーシリーズって、ボクシングの様々な歴史を反映した映画なんだな、って思えてきた。

ロッキーシリーズ、見直そうw

 

 

タイトル:地上最強の男 世界ヘビー級チャンピオン列伝
著者:百田尚樹