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「砲兵」から見た世界大戦 機動戦は戦いを変えたか

著者:古峰文三
発行元:パンダ・パブリッシング

 

まとめ

戦車って砲兵戦の一種だったのね。言われてみりゃ、そうだけれどね。大砲が自動で動くようになった。まぁ、そうだ。何だろう。戦争について学ぶこと自体がダメだと言われている日本だからこそ、こういう話を知らないとダメなんだなぁと、痛感した。

この本を読んだ理由

マーケティングの源流は兵法なので、時間があれば兵法について調べるのですよ。そんな一環で、この本を読みました。

仕事に活かせるポイント

過去の事例を調べるにも数値的裏付けが必要なんだな。そして、再現性があるかどうかが重要なんだな。

目次

第1章 第一次世界大戦と砲兵
第2章 退化していった戦間期の砲兵
第3章 イギリス軍の砲兵ドクトリン
第4章 ソ連軍の虚構と実際
第5章 独自の進化を遂げたアメリカ砲兵

感想

日本史上、砲兵戦というか、大砲による攻撃が行われた戦と言えば大阪の陣なわけですよね。徳川家康が、イギリスから仕入れた最新兵器で大阪城を攻めたのが最初だと言われているのですよね。そんな砲兵戦は、近代においてはものすごい攻撃力を持った戦いだと思われていたように、信じてしまっているのは、戦争について学ばないからなんだろうな。そんなことがこの本からわかりますね。

18世紀から19世紀。戦いの主力は騎兵だった。まだ、飛行機は存在せず、総力戦と言われるような戦いも起きていなかったから。その後、砲兵をつかい、的勢力を蹴散らすような戦いが行われるようになってきた。

 

けど、そこで我々は間違った大艦巨砲主義によって、これまた史実をねじ曲げてみてしまうわけですよ。

でかい砲弾が撃てる、でかい大砲は動かすのも大変なんだよ、と。そんなモノを使って、相手を攻めようとしても、どーするんだ?と。それに、でかい砲弾自体をはこぶのも大変だし、球がなければ無用の長物なんだよ。あんたたち、そういうことを知っている?

 

読み進めるウチに、私は著者から、そうやって怒られているような気になってしまったわけですよ。

 

おまえ何も知らないな、と。

 

しかしね、物事にはプラスとマイナスの面があるのです。マイナスの面を目立たせないようにして、プラスの面を伸ばすように用兵されるようになっていくという。

その用兵がまとめられ、戦術になっていく。

 

これ、21世紀のマーケティングとおなじだな、と。

プラスの面ばかりはないんだよ。マイナスの面は必ずあるんだよ。

マイナスの面を目立たせないようにして、プラスの面を伸ばすように考えるのが重要なんだよな、と。

 

 

タイトル:「砲兵」から見た世界大戦 機動戦は戦いを変えたか
著者:古峰文三
発行元:パンダ・パブリッシング