著者:庭田杏珠、渡邉英徳
発行元:光文社
まとめ
いやはや、すごい。終戦から75年がたった今、「戦争」は歴史の教科書だけの世界だと思っていた。そんな私の脳みそをぐわんぐわんと揺さぶってくれた1冊。戦前、戦中、終戦直後の写真を預かり、AI二よりカラー化した写真。カラーになった瞬間、戦争は歴史の教科書から飛び出してきた。悪魔の時代のように語られている戦前も、戦争中にも、日常はあったんだよな。
この本を読んだ理由
終戦から75年目の夏。書評で紹介された本書。取り上げられた戦時中のカラー写真が私のハートをわしづかみにしました。
仕事に活かせるポイント
AIは、自分が経験していない記憶も、はっきりと蘇らせることができるのですね。
感想
戦争の記録を後世に語り続ける方法は、数多くある。そして、それらのおおくは伝えたい人間の主義主張により、ゆがめられているものばかりだったりする。
戦争を経験していないのに、「ゆがめられてばかりだ」なんて、なぜ言えるのか?
それはこの本に出会ったから。
「記憶の解凍プロジェクト」は、記憶の当事者以外、その日その場にいなくても、その経験をしたという記憶を呼び起こしてくれる。
ある意味怖い世界だ。
集められた戦前戦中の写真を、人々の記憶とAIをたより、カラー写真に変化させる。
そのカラー写真は、戦争を経験していない、私にも戦争の悲惨さと、どんなに悲惨な状況であっても発生する日常の力強さを教えてくれる。
いや、そんな記憶が蘇ってくるのだ。
この本、子供たちに見せるべき1冊だな。
タイトル:AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争
著者:庭田杏珠、渡邉英徳
発行元:光文社