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ヒトラーと映画 総統の秘められた情熱

著者:ビル・ニーヴァン
発行元白水社

 まとめ

ヒトラーの根底に流れているのは、芸術家的な感性なんだよな。単なる残酷な単なる残酷な独裁者ってだけじゃない。そこを見誤ることがないように、と、この本を読むことで再確認できる。そして、メディアというのは今も昔も、大衆をコントロールするのに最適なツールなんだな。

この本を読んだ理由

大衆を操作する際に、ドイツ第三帝国は映画を利用していた。そんな情報を知っていた私としては、非常に気になった本なので、読みましたわ。

仕事に活かせるポイント

情報はわかりやすく加工して、拡散させると世論が作れるってことですね。

目次

第1章 ベルクホーフでの映画鑑賞 ヒトラーのホーム・シアター
第2章 上映禁止から制作委任へ ヒトラー、映画産業に介入する
第3章 ヒトラーの映画監督 レニ・フェンシュタール、1933年のニュルンベルク党大会を撮る
第4章 ヒトラーをたたえる 『意志の勝利』と『オリンピア
第5章 映画の中の総統 ドイツ映画に登場するヒトラー
第6章 宮廷を主催する ヒトラーと俳優たち
第7章 戦争を見守る ヒトラーと戦時の映画
第8章 ジェノサイドの準備 ナチ映画『ユダヤ人ジュース』と『永遠のユダヤ人』
第9章 英雄からカメラ嫌いへ ナチ戦時代ニュース映画の中のヒトラー
第10章 神のごとき才能  ヒトラーの戦争と映画スター

感想

ドイツ第三帝国といったら、宣伝を巧みに利用し、大衆を先導したので有名。そんな宣伝のトップはゲッペルス。ものすごい重要人物なのに、なぜか、日本での知名度が低い気がする宣伝大臣。ナチスの映画制作はそんなヨーゼフ・ゲッベルスがすべて仕組んでいたモノかと思っていました。

 

そんな私が、目にしたのが本書。

 

「ほほう。ゲッペルスが総統を褒め称えるためと、ドイツ国民を誘導するために作った映画の本だね」

と、思ったら違った。

 

総統が、すごい映画好きで、ゲッペルスを利用しながら、時にゲッペルスとぶつかりながら、映画を作成していったというお話だった。

 

そうだった。ヒトラーは、画家を夢見ていた、若者だったのだ。

 

そんな芸術家になりたかった思いが、ヒトラーを映画に駆り立てたのだろうか?当時、最先端のメディアであった映画を利用することで、国民を誘導することができると、思ったからなのだろうか。

 

『意志の勝利』と『オリンピア』、その存在は知っていたけれど、見たことはなかったです。いや、見ちゃいけない映画なのか?見ていいのか?

ナチスが制作した映画を見るハードルは、なかなか高い。

もう、あれから80年以上が経過しているのに。その力は全く衰えていないと言うことか。

 

メディアというのは、時の権力者のおもちゃにさせると、言いように使われてしまうってことだな。それは、21世紀の今でも同じということですな。

 

ヒトラーと映画:総統の秘められた情熱

ヒトラーと映画:総統の秘められた情熱

 

 

タイトル:ヒトラーと映画 総統の秘められた情熱
著者:ビル・ニーヴァン
発行元白水社