著者:金子裕久
発行元:二玄社
まとめ
いまから20年以上も前に発行された書籍。自動車雑誌NAVIに連載されていたエッセイを収録した書籍なので、それぞれの話の初出は、30年近く前なんだろうな。バブル絶頂期ですよ。いま、モノ消費からコト消費なんて大騒ぎしているけれど、自動車に関して、これほど心豊かになれるエッセイはないんだよな。
この本を読んだ理由
大好きな自動車雑誌NAVIの中で、一番好きな連載がまとめられた書籍だから
仕事に活かせるポイント
自動車という大量生産の機械を、人間、オーナーの目を通すことで「温かいモノ」として伝えるテクニックですね。
目次
第1章 乗り続けるには理由がある
第2章 ウチの1台
第3章 いつまでも一緒に
第4章 ずっと好きだった
第5章 頼れる相棒
第6章 こいつでなければ
感想
自動車雑誌に文化を持ち込んだ「NAVI」に連載されていた名物企画が「10年10万キロストーリー」。カスタマイズされたクルマが登場することもなければ、スーパーカーや、スポーツカーが登場することはない。スカイラインが登場しても、GT-RではなくGLだったりする。まかり間違っても、新車情報以外でスバル・ジャスティや、トヨタ・カローラ1500SEEが、自動車雑誌に登場することはないでしょう。
どこにでもあるような、ふつーのクルマの、愛すべき話。
ふつーすぎるクルマの、ウツーすぎるグレードの話だけれど、あふれるばかりのオーナーの愛情は、ただただ、感動するだけです。
その愛情に触れれば、みんな、ディアマンテが欲しくなる。ジムカーナや、ラリーをしなくても、シティが欲しくなる。
そんな愛情にあふれた素敵な本です。