まとめ
欲しいの本質、顧客のインサイトを見つけ出すことは、もちろん重要です。しかし、見つけ出す”だけ”じゃ、だめなんですよね。そこから、それから、どうするのか? が重要。その見つけ出したインサイトを用いての企画の立て方や、プロトタイプの作り方まで本書では教えてくれる。良い意味で期待を裏切ってくれる素敵な本ですね。
この本を読んだ理由
より深くユーザーインサイトを知るために読みました。
仕事に活かせるポイント
インサイトをベースにしてプロジェクトを組み立てる方法ですね。
目次
第1章 人の”欲しい”は隠れている
第2章 ”人を動かす隠れた心理=インサイト”の構造を理解する
第3章 ユーザーや競合ではなく”人間を見に行く”
第4章 熟成市場におけるビジネス機会の見つけ方
第5章 インサイトを発掘する方法
第6章 既成概念を壊してアイディアを手に入れる
第7章 インサイトを活用した業務プロセスの構築
感想
企画を考える上で、消費者の気持ちが知りたい、ユーザーの気持ちが知りたい。そう思いながら本を探しているときに出会いました。タイトルは結構強気。『「欲しい」の本質 人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方』と言われましても、そんなことあるまいと思っていましたよ。
読む前に、そんなことを思ってしまいました、自分を恥じたいです。
この本は、ユーザーの気持ち、ユーザーインサイトを知る方法を教えてくれましたわ。いや、ユーザーインサイトじゃないかもな。インサイトとはユーザーが気が付かないところに存在しているものなのだ。
インサイトとは顧客を動かす隠れた心理。そのため、顧客自身も気がついていない。本人が明確に認識できている欲求であるニーズとの最大の差はそこ。だから、ユーザーはインサイトに気がついていないのだ。気がついていたら、それはニーズなのだ。
そんなインサイトは次の4つの要素から構成されている。
・シーン(場面)
・ドライバー(厳選要因/感情を生み出すもととなった、直接的な要因)
・エモーション(感情/気分/情緒)
・バックグラウンド(背景要因)
そして、これらの要素で説明がつくものが、インサイトと呼べるのだと。
ほほう。
また、インサイトとはプラスの面だけに存在するのではないと。マイナスの面においても存在しているのだと。インサイトは①「価値のインサイト」②「不満のインサイト」③「未充足欲求のインサイト」と分けることができるとな。
どーも、ユーザーインサイトというとポジティブな、プラスの面ばかり考えてしまうのですが、そうじゃないと。
プラスのインサイトであろうと、マイナスのインサイトであろうと、キーインサイトを満たすための価値提案を、バリュープロポジションといのだと。
バリュープロポジション! この単語で、いろんな情報がつながりましたね。キーインサイトを満たすものがバリュープロポジションというのであれば、インサイトから考えれば、しっかりとしたバリュープロポジションをもつサービスが考えつくとな。
つまり、インサイトの考え方は、アイディアを作り出すときに最も力を発揮するということだ。
そんな素敵な本書のなかで、一番覚えておきたいポイントがインサイトをプロジェクトに活かすためのステップだな。これを覚えて、実践すれば、次々と良いサービスを生み出すことができそうだ。
①Opportunity オポチュニティ発見
市場におけるビジネス機会を発見し、探索する対象を抽出する
↓
②Insight インサイトリサーチ
見つけた機会において人を動かす隠れた心理を探る
↓
③Ideation アイディア開発
インサイトに基づき、機会を捉えたアイディアを開発する
↓
④Prototyping プロトタイピング
アイディアを試作し、開発する
↓
⑤Launch ローンチ
市場に導入する
↓
⑥Tracking トラッキング
消費者の反応を追跡する
↓
①に戻る
そして、このなかでオポチュニティを見つけるための方法と、見つけたオポチュニティの評価の仕方も、きおくしておきたいポイント。
オポチュニティの見つけたの1つが、強制発想法を用いた「スペースファインダー」。これは次のように行う。数多くの事象を収集し、その事象を大きく二分する軸を作る。その字句を2本結んで、掛け合わせる。出来上がった4象限に、収集した新奇事象をプロットする。その後、今並べている軸と新奇事象の上に、既存の商品をおいていく。
拡散と、整理と、収束を行うってことだな。
オポチュニティの評価の仕方は玉度モデルという。。玉度モデルとはX軸を魅力度(5段階)、Y軸を未充足度(5段階)として、それぞれサービスや考えをマッピングし、判断していく。
こうやってオポチュニティを整理し、インサイトを定義していくのだ。
そして、出てきたアイデアは一言でまとめるのだと。優れたアイディアは一言なのだと。13文字以内で体言止め。一言化の基本は「絞る」「ずらす」「喚起する」。
ユーザーの気持ちを知る話が、いつの間にか優れた企画を生み出す話に進化していました。