まとめ
世界最大の路線網をもつ東京の地下鉄。その歴史に触れられる本ですな。今じゃ信じられないですが、20世紀初頭の鉄道経営はバリバリのベンチャー企業経営であって、さらに地下鉄を経営するなんて、「帝都物語」も、そりゃ、生まれるでしょうと。しかし、そんな大正後期から昭和初期にかけてつくられた計画をベースにして21世紀になっても地下鉄が作られているんだものな。
この本を読んだ理由
東京の歴史について、ウンチクが知りたいからですな。
仕事に活かせるポイント
計画は長期スパンで立てる。しかし、変わり続ける状況にはアジャストできるようにするですな。
目次
第1章 東洋初の地下鉄・銀座線開通ものがたり
第2章 東京の地下鉄をつくる! 路線網の広がり
第3章 駅と路に隠された秘密
感想
東京の地下鉄になれてしまうと、大阪も、名古屋も、京都も、福岡も、上海も、シカゴも、ニューヨークも、どーってことなくなる。迷路のように張り巡らされた東京の地下鉄は、Google先生か、ナビタイムにでも頼らないと、無事に乗り換えできないほどだ。
そんな東京の地下鉄、一番最初の路線が銀座線であるということは、有名な話。北の玄関口であった上野と、当時、東京一の繁華街であった浅草を結ぶ路線だったということも有名。
でもさ、当時の鉄道というのは国家事業であった一方で、どベンチャー企業でもあったわけですよ。小林一三や、五島慶太が、鉄道を軸に一旗挙げようとしていた時代に、一足お先に地下鉄経営です。
すげーな。
今でいえば、JAXAが中心になってロケットを上げているのに、民間でロケットを飛ばして、商用化しようとしているホリエモンのようですね。
そんな地下鉄ベンチャー時代に登場するのは早川徳次、五島慶太、根津嘉一郎、佐藤栄作。これだけで映画が撮影できそうだ
そして、地下鉄のトリビアで、私が「へぇー」を連打したのは
地下鉄三越前駅を提案したのは三越で、三越が資金を提供し、路線や、駅や、コンコースを整備させたってこと。
そんな三越の成功を真似しようと思ったのが上野松坂屋だった。銀座線はすでに末広町という駅があったので、無理やり作られたのが上野広小路駅。そして、駅名の下にカッコ付きで上野松坂屋前とつけられたってこと。
へーですわ。へー以上ですわ。単なるネーミングライツ的なものかと思いきや、それ以上のお話でした。
この本には、そんな「へー」がたくさんつまってます。