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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

帝国ホテルの料理の流儀

著者:田中健一郎
発行元:青春出版社

 

まとめ

わたし、帝国ホテルの雰囲気が大好きです。とくに、上高地帝国ホテルが、好き。あの大自然の中で、おいしい食事が食べられるという奇跡。素敵な料理は、人を幸せにしてくれるんですよね。わたし、料理を食べるのも、するのも、好きだな。人の喜ぶ顔が、笑顔が見たいんだよね。自分の作った料理でね。そんな料理に対する情熱と愛情が伝わってくる素敵な本です。

 

この本を読んだ理由

奥さんから「面白いよ。絶対にはまるよ」と紹介されたので。

 

仕事に活かせるポイント

フランス料理を極めるには、フランス料理の勉強だけではだめだと。フランスの文化、生活を学ばなければだめだと。他の仕事も同じですね。仕事だけの情報を集めていてはだめだと言うことですね。

 

目次

第1章 帝国ホテルの厨房
第2章 帝国ホテルのフランス料理
第3章 帝国ホテルの料理人修行
第4章 本場で知ったフランス料理
第5章 帝国ホテルの総料理長
第6章 料理人、田中健一郎

 

感想

帝国ホテルには、今まで総料理長は二人しかいないという。一人は、ムッシュ村上という呼び名で有名な村上信夫さん。そして、もう一人が本署の著者である、田中健一郎さんだ。ムッシュ村上サンがあまりにも有名すぎるけれど、今の帝国ホテルの料理を作り上げたのは田中さんなのですよね。

そんな料理人・田中健一郎の半生と、帝国ホテルの裏側と、ムッシュ村上の人柄が、よくわかる本です。料理って、フランス料理って、奥が深いんですね。なんて、表面的な感想ではなく、人生というか、生き方に対して真剣でなくてはならないと言うことが、伝わってきます。人生に対して、仕事に対して、真摯に向かい合えば、道が開けてくる。文字にしてしまうと陳腐になってしまいますが、田中さんが自分の人生に重ねて語ると、説得力が上がります。

仕事に対して真摯に向き合うというのは、帝国ホテルのコアバリューなのかもしれませんね。ムッシュ村上さんの行動や、帝国ホテルで働く、田中健一郎さんの同僚からも、その空気が伝わってきます。

このような人々によって支えられている帝国ホテルや、帝国ホテルのレストランに、足を運びたくなってきますね。読んでいるうちに、ほっこりとした気持ちに包まれる、そんな1冊。

心の栄養となる本書の中で、特に響いたフレーズを二つ紹介します。

<blockquote>村上ムッシュはよく「料理は愛情と工夫と真心」だと話していた。</blockquote>

<blockquote>料理長はアイディアマンでなければならない、というのが私の持論だ。料理人なら、レシピ通りのうまい料理を作れるのは当たり前だろう。
そこから一歩も二歩も進んで、ニンジン一本、肉ひと切れを素晴らしい料理に変身させるアイディアが必要だと思う。料理だけではなく、会全体の雰囲気までを考えることができればなおいい。</blockquote>

どちらも料理に対する姿勢について述べたフレーズですが、この考え方は料理以外の仕事にも当てはまりますよね。

そんな本書を読んでいたら、読みたくなった本。

「帝国ホテル村上信夫のフランス料理」

 

 

 

この本の効能を一言でまとめれば「田中健一郎さんの料理を味わい、村上信夫さんの本を読みたくなる」ですね。

 

 

帝国ホテルの料理の流儀

帝国ホテルの料理の流儀