発行元:日経BP
まとめ
CDOを作れと言われましても、徹底的なCX思考と言われましても、「言われてできるようなら、もうやってるよ」と答える企業が多そうですな。でも、そんな反論をしている時点でだめなんだろうな。時代の流れは速すぎる。この流れに乗るのか? 乗らないのか? ただ、それだけですな。
この本を読んだ理由
デジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXについて情報収集中のため、読みました。
仕事に活かせるポイント
「いやいやいや。DXったって、デラックスでしょ?マツコデラックス的な」なんて親父ギャグで切り返してきた人に対しての打ち返しとして、使えます。
目次
第1章 デジタル技術が変える近い将来
第2章 デジタル時代に対応できない企業の末路
第3章 なぜ、デジタル時代への対応が遅れたのか?
第4章 デジタルトランスフォーメーションの本質
第5章 デジタル戦略の構築と実行
第6章 デジタル組織への転換
感想
デジタルトランスフォーメーションの話を求められることが多くなってきたので、この本を読んでみたわけです。そして、思いました。デジタルトランスフォーメーションのデジタルって、なんだろうね、と。IT技術とか、インターネット≒Webのテクノロジーを使った業務改善っぽい話であることは理解できるのだけれど。でも、それなら、デジタルトランスフォーメーションなんて言わずに、「ITトランスフォーメーション」とか、「Webトランスフォーメーション」と言えばいいんじゃないかしら? なんて思ってしまう。
そもそも、デジタルってなんなんだろうね?
この本を読んでも、もちろん、他の本を読んでも、わからなかった。
CDO、チーフデジタルオフィサーを置きましょうと言われましても、CDOがデジタルトランスフォーメーションの責任者ですと言われましても、その「デジタル」って、なんなんだろうね? と言うことを思ってしまった。
そんな重箱の隅をつつくような話は、横に置いておきましょう。
ちなみに、ウィキペディアだと「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」こと(デジタルトランスフォーメーション )なんだけれど、「だったら、ITトランスフォーメーションじゃん」
という話はおいておこう。
そんなへりくつをこねている間に、時代はどんどんどんどん先に進んでしまいますよ、と。そして、時代が進むにことにより、消費者のIT技術、ITスキルも向上してしまい、そんな顧客が満足するようなITサービスを、デジタルサービスを提供するのは、並大抵のことではない。あらたなビジネスモデルを構築するようなお話ですよ、ということを、本書は伝えたいのだと感じましたな。
あらたなビジネスモデルを生み出すと言うことは、組織も、考え方も、新しく進化しなければならない。そのためには、デジタルトランスフォーメーションの社内責任者を置くべきだ、と。その責任者はCDOであるとな。
で、そのCDOが行うことは、重要なのは自社に必要なデジタル戦略を、顧客目線で定義することだと。
重いなぁ、重い。
顧客目線でサービスを定義することは、デジタルの世界でなくても、なかなか難しいからな。
そして「なぜ、顧客目線でサービスを定義する必要があるのか?」ということですが、その理由は、本書に書かれているこのことだと思う。
消費者の欲求は、「どのような経験(コト)ができるのか」という点に移ってきている。デジタルサービスを使うことで得られる「わくわく感」であったり、「こんなことができるのか」という「驚き」であったりする。他人とつながることで「自己重要感」を得ることもできる。デジタル技術がこうした「モノからコトへ」のトレンドを加速していることは疑う余地はない。
顧客の視線が、顧客の思考が、モノからコトに移り変わっている。
そんなコト思考の顧客にたいして価値を提供していくためには、顧客目線でサービスを定義することだとな。
うむ。
頑張ろう。