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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

東京人 2019.9

発行元:都市出版

 

まとめ

駅前のロータリー一つ、駅舎一つ、商店街一つに歴史があるってことですね。いや、歴史じゃないね。思いだね。都市計画とはなんぞや?ということを教えてくれる一冊。

 

この本を読んだ目的

東京の歴史、東京のり理が知りたい私にとって「私鉄がつくったまち」というのは永久保存版レベルです。

 

感想

いやー今月号は特に面白かった。「私鉄がつくったまち」という特集に、読み返してしまうほどはまってしまった。

 

国鉄は天下国家のこと、わかりやすくいうと軍事関係の流れから生まれる=線路が引かれることが多いわけだけど、私鉄は最初から営利目的だからね。

お金儲けのために線路を引き、鉄道の利用者増やすために、沿線に住宅地を作り、沿線外からも人を呼び込むために、アミューズメント施設を作る。

 

それは小林一三の世界であり、東京では小林一三の教えを受けた東急の田園調布が有名。ということは知っていた。他の私鉄でも規模は違えど、似たようなことをしていると思っていた。

 

それが大きな間違いだった。田園都市の生みの親が渋沢栄一であることに間違いはないけれど、東京の分譲地のパイオニア桜新町で、駅ももちろん桜新町なのだ。

 

むむむである。

 

おなじ東急沿線であっても、大岡山や、日吉も、その仲間だ。京王線なら北沢だ。中央林間だって、林間都市というなのもと開発されていたんだと。

 

知らないことだらけだった。

 

国立が学園都市だとは知っていたけれど、目白文化村なんだって。渋谷でなく、目白。場所は中落合四丁目なんだと。ときわ台東武が作った街だとは知っていたけれど、ときわ台と同じように作られた駅と街が南宇都宮だっただなんて。

 

そして、千住緑町は京成が作った分譲地で、その緑町の地盤改良に使われた土は、上野の山の地下に作られた京成上野駅の名残、つまり地下工事で出てきた残土で埋めてつくたんだと。

 

しかし、知らないことだらけだった。

 

そして、正蔵師匠の食べ物エッセイ、すごい面白いよ。この「ちょいとごめんなさいよ、四時からの悦楽」最高。噺家さん独特の言葉のセンスが良い。ポンポンポンポンと経過に並ぶ言葉が、メニューの、食事の美味しさを際立たせる。ちなみに、今月号は浅草のヨシカミ。

 

そんな今月号を読んでいたら読みたくなった本はこれ。

 

東京懐かし写真帖 (中公新書ラクレ)

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新宿の迷宮を歩く: 300年の歴史探検 (平凡社新書)

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東京凸凹散歩――荷風にならって

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