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敗れてと敗れても 東大野球部「百年」の奮戦

著者:門田隆将
発行元:中央公論新社

 

まとめ

わたし、学生スポーツが嫌いなんですよ。若者がスポーツするのは良いけど、学生スポーツは嫌い。学生の本分である学業をおろそかにする代わりに、スポーツを頑張ることで許してもらうというのが嫌い。お勉強出来なくても、野球が上手いならいい学校に入れるというのが、許せない。その逆はありうるのか?勉強がすげーできたら、野球がそれほど上手くなくても仲間に入れてくれるのか?
なんて屁理屈こねていたら、そんな世界がちゃんとあったんだよね。

 

この本を読んだ目的

門田隆将さんは幅広いノンフィクションさっかなのよね。『死の淵を見た男』も書いているのよね。そんな門田隆将さんが書いた東大野球部の本ですから、そりゃ、読みますよね。

 

目次

第一章 沖縄に散った英雄
第二章 栄光と敗北の歴史
第三章 伝説の最多勝投手
第四章 赤門旋風
第五章 連敗の苦悩
第六章 執念の連敗脱出
第七章 現れた怪物
第八章 苦闘の末に
第九章 悲願の勝ち点

 

感想

東大野球部の歴史に迫った本だけれど、その内容は平成27年に行われた第27代沖縄県知事島田叡顕彰碑除幕式から始まるのですよ。
島守と呼ばれた伝説の知事。沖縄占領前、最後の県知事。最後まで県民のために戦い、生き抜いた知事は元東大野球部だった。

 

東大野球部といったら、勝つことがニュースになるような存在。いまだ六大学野球で優勝経験はない。そもそも五大学野球であったところに、東大野球部が参加して、六大学になった。日本に野球が根付いたのは一高野球部があたったからで、その一高野球部の流れをくむ東大野球部がリーグ戦に第六のチームとして参加してのだと。

 

なら、強いんじゃないのか?

 

そうではなかった。

 

学業優先、卒業後は官僚や、博士、企業家になることが宿命付けられていた学生が野球に打ち込むような時間はなかった。そんな中で高等文官試験よりも野球を優先したのが、先述した島田叡さんなのだ。

 

なんだ、すげーかっこいいじゃないか。

 

ワタシ、基本的に学生スポーツが嫌いなんですよ。勉強の代わりにスポーツが上手なら全てを許してくれるという雰囲気が。

 

しかし、東大野球部は違った。

 

野球もするし、勉強もする。フツーに入試を突破してこないと入学できない学校には、甲子園のヒーローはなかなかな入学してこない。しかし、ライバル高には様々なヒーローが入学してくるわけでね。

 

そりゃ勝てないですよ。なかなか、勝てない。

 

でも、勝てないけど、一本ビシッと筋を通す。それがかっこいい。

 

なんだか、東大に入りたくなったな。もう、40代だけど。

 

敗れても 敗れても ――東大野球部「百年」の奮戦 (単行本)