著者:逢坂まさよし+DEEP案内編集部
発行元:ダンク出版事業部
まとめ
すげー真面目な人が読むと「ヘイトだ!」って騒ぎ出すような内容の本ですけれど、全てキレイなものに取り繕ってしまう、ゼロリスクの社会を作ろうとしている社会にとっては、暗闇だった部分を知るための一級資料になるかとおもうんだよな。オリンピックンに向けて、これだけ再開発が進んでいるのだから、この本に紹介されているようなDEEPな場所は、どんどんどんどんなくなってきているわけでね。
この本を読んだ目的
東京のきれいではない方向を紹介した本。サブカル好きな人間にとっては、割けて通れない1冊ですよね。
目次
「住みたい街」と「住みやすい街」は違うよ、ぜんぜん違うよ!
首都圏「絶対住みたくない街」コレクション
あなたにピッタリな街はどこ? 鉄道沿線別”傾向と対策”
住みたくないけどたまに歩くならこんな街 東京場末タウン散歩(前編)
日本人が知らないパスポートのいらない朝鮮半島!首都圏コリアンタウン列伝
家の近くにはなるべく欲しくないけど…首都圏バラック建築観紹介
住みたくないけどたまに歩くならこんな街 東京場末タウン散歩(後編)
オウム真理教はあなたの街にも住んでいる!
労働者の街の明日はどっちだ 首都圏ドヤ街探訪
首都圏鉄道駅別ざっくりネタ帳
感想
この本のタイトルや、内容に目くじらを立てる人もいるでしょう。イメージ的には「完全自殺マニュアル」に近い本ですよね。でもですね、こっちの本は歴史的な価値が高いと思うのですよ。
わたし、この手の本を色々と読み漁っていますが、バラック街や、ドヤ街の歴史と地域について、ここまで広範囲に触れている本、なかなかないんですよ。ぶっちゃけ、すごい。たぶん、バタヤ部落なんて単語、この本以外では、まず見かけることはないですしね。
ウィキペディアを丹念に読み込めば出てくるようなお話ですけれどね。それが本になってまとまっているということが重要で、なおかつ「写真」まで掲載されているのがすごいことなんですよ。
この本の初版は2017年。取材は2016年以前に行われたことでしょう。2020年東京オリンピックに向けて再開発が進む東京にあって、バラックや、ドヤ街なんて、どんどんどんどんなくなってしまうわけで。
「その昔、ここにはこんなものがあったんだぜ」と語る際の貴重な資料となるわけですからね。
東京の色んな所に住んだ経験も、埼玉や、神奈川の色んな所に住んだ経験もありますが、それほど外していない内容だと思いますよ。そして、これだけ炎上上等の内容でありながらも、ある方面に関しては忖度してるんだとわかってしまうところが、本当の闇を感じてしまって怖いですね。