著者:谷口功
発行元:技術評論社
まとめ
「SEのための」って謳っていますが、これ、システムに携わる人々は、みんな読んだほうが良いほどの、良書ですね。「正しい文章を書くこと」と「わかりやす文章を書くこと」とはどういうことなのか?がよくわかります。読みやすい文章であり、かつ、誤解されにくい文章であることが、何よりも重要なんですよね。
この本を読んだ目的
毎年毎年のことですが、今年入社した新卒さんの文章を「わかりやすい」というか「最低限」のレベルに引き上げるためのヒントとして、読んでみました。やはり、良書ですね。
目次
第1章 SEがユーザ/顧客に提示する文章
第2章 文書がユーザ/顧客にわかってもらえない理由
第3章 文書を構成する要素
第4章 平易で読みやすい文書の「構成」よ「展開」
第5章 読みやすくわかりやすい日本語表現の基本技術
第6章 読みやすくわかりやすい文章にする図解表現技術
第7章 文章別の表現技術
感想
「SEのための」という枕詞がついているけれど、SE以外の方も読むべき良書です。システム系のお仕事をしている人は、SEだって、営業だって、総務人事だって、読むべき良書です。
世の中、アジャイルだとか、リーンだとか言われていますが、どんな手法を選んだって、最低限のドキュメントは必要になるわけです。そして、最低限のドキュメントで「何を伝えたいのか?」が、はっきりわかるようになっていなければだめなのです。サンドイッチマンじゃないですが、「ちょっと何いってるのかわからない」じゃだめなんですよね。
コチラ側が伝えたい情報が、確実に伝わる。
そんな文章の書き方が、この本には詰まっています。
そして「SEのための」とあるので「SEの人」が、書くであろう文章ごとに「要素」と「書き方」をまとめているのが、とても良いポイントであったりします。
・提案書
・要求仕様書
・マニュアル/説明書
・その他文章(報告書/質問書/議事録)
に関して、「要素」と「書き方」と、さらに必要な「グラフ」の書き方使い方まで、教えてくれるのが素敵です。
・グラフ
・ツリー表現
・特性要因図
・円とベン図
・プロセス図
・フローチャート
・シーケンスチャート
・アクティビティチャート
・コラボレーション
・ガントチャート
・アローダイアグラム
・データフローダイアグラム(DFD)
・ER図
・ユースケース図
・ブロックダイアグラム図
わたしも理解が間違っているものが、この中にもありました。
何度も繰り返しますが、SEという職種以外の人も読んだほうがいい良書ですよ。