著者:水嶋玲以仁
発行元:ダイアモンド・ビジネス企画
まとめ
やはり「インサイドセールス」だけではだめなんだよね。リードを獲得するマーケティングから、クロージングするフィールドセールスまで、きっちり業務を整理しないと、成功しないんだよね。定型化と、フローの可視化が何よりも重要。本書の殆どはインサイドセールスを活用している企業へのインタビューだけれど、外資系企業で実際にインサイドセールスを行ってきた著者が、いい感じに意見をまとめているので読みやすくてわかりやすいですな。
この本を読んだ目的
やはりB2Bのデジマを語る上で、外すことができないのがインサイドセールス。その秘訣を知りたかったために本書を読んでみた。著者はDell で7年、 マイクロソフトで6年、Googleで3年も営業チームの発展と管理業務に携わったすごい人。経験から語られるお話はヒジョーに引き込まれる。
目次
Part 1 インサイドセールスに必要な「協創と自律性の高い組織」
第1章 どうしてうまくいかない?ウチのインサイドセールス
第2章 セールス組織にアジャイルを取り入れる
Part 2 成功率を高めるインサイドセールスはいかにして築かれるのか?
第1章 脱・アポ取り集団!マーケティングと営業を巻き込むインサイドセールスをめざす
第2章 予想を超える急成長。ISチームの意識が変わった!
第3章 アジャイルな行動を可能にするユーザーベースの組織風土
Part 3 インサイドセールス先進企業に聞く営業組織と育成の正解
Case1 ISとFSのコンビで、長いリードタイムを乗り切る 株式会社HDE
Case2 インサイドセールスでもクロージングできる ベルフェイス株式会社
Case3 ツールをフル活用し、人にしかできない業務に集中する 株式会社マルケト
感想
この本面白くて、Kindleで5冊に分かれて発売されているんですよね。パートごとに5冊に分かれているのではなく、容量がだいたい同じくらいになるような感じで5冊にわかれているという。
何という斬新な。
これを1冊1冊読んでいくこと、つまり1冊1冊書い続けることで「どれだけインサイドセールスへの関心度が高くなったのか?」を計測したりするのでしょうな。当然ですけれど、1巻目の販売部数が多く(無料だった)、5冊目が一番少ないわけで。どこまで興味関心が進んだのか?を計るんだろうな。
そんな事を考えてしまうほど、著者の経歴がすごい。
というか、考え方がすごい。
本気でインサイドセールスをやってきた人にしかたれない事が書かれておりますわ。
そんな本書の中でグサグサ刺さったフレーズ。
タイプ1:リード発掘型
タイプ2:リード育成型
タイプ3:営業クローズ特化型
タイプ4:訪問営業協業型
インサイドセールスって、タイプ2しかないもんだと思ってた。
そうじゃなかったのね。
インサイドセールス組織の作り方 7つのステップ
①インサイドセールスチームの結成 適正のある人材の採用・組織・体制の構築
②営業部門との合意 インサイドセールスの役割、目標創出案件数などKPIの設定
③時部門のKPIの設定 案件創出までのステップ、施策、一人あたりのコール数、担当者の評価指標など
④キャリアプランの策定 人材の採用、必要スキル、昇進条件など
⑤他部門との情報共有ツールの選定 マーケティングオートメーション、営業支援しシステう、分析ツールなど
⑥見込客データの名寄せ 自社の基幹システム、展示会参加者リスト、営業名刺、堀越のための失注案件など
⑦担当者、マネージャーの教育・トレーニング スキルに応じたトレーニングプランの策定
インサイドセールスという仕組み、もしくは体制を構築するときに、参考にしよう。
そして、やはり「インサイドセールス」だけではだめなんだよね。リードを獲得するマーケティングから、クロージングするフィールドセールスまで、きっちり業務を整理しないと、成功しないんだよね。定型化と、フローの可視化が何よりも重要。
それが再確認できてよかった。