著者:マーク・ジェフリー
発行元:ダイヤモンド社
まとめ
表紙のアオリ文句がよいですよね。「アマゾン社員の教科書」という。ここから読み取れるのは、アマゾンは本屋さんではないということかwいまどきそんなことを言う人はいませんよね。毎日、こまめにアマゾンを訪れると、細々と目にするUIの変化。そのテストによるデータはこの本にあるような指標にまとめられて検証されているんだろうな、と。
この本を読んだ目的
表紙にあるアオリ文句、にありーいこーるである宣伝文句にやられましたね。「ジェフ・ベゾスが愛読!世界最強のマーケティング企業 アマゾン社員の教科書 顧客満足度からマーケティングの意思決定のために、あらゆるデータを測定し、最大限に活かす」。これにやられました。少しでも、ジェフ・ベゾスに近寄ろうと、読んでみたわけですね。ちまにみ、アメリカ・マーケティング協会最優秀マーケティングブックを受賞してるそうな。
目次
第一部 データ・ドリブン・マーケティングのアウトライン
第一章 マーケティング格差
第二章 何から始めるべきか?
第三章 10の伝統的なマーケティング指標
第二部 マーケティングの成果を劇的に向上させる15の指標
第四章 5つの重要な非財務系指標
第五章 投資リターンを示せ!
第六章 すべての顧客は等しく重要…ではない
第七章 クリックからバリューへ
第三部 データ・ドリブン・マーケティング上級編
第八章 アジャイル・マーケティング
第九章 「まさにこれが必要だったんだ!」
第十章 データ・ドリブン・マーケティングに必要なITインフラ
第十一章 マーケティングの予算、テクノロジー、プロセス
感想
どうやらジェフ・ベゾスがこの本を絶賛しているらしいですよ。ベゾスを神と崇める私としては、読まなければならない本ということですね。
少し前まではインターネットの本屋さん(こんな認識だから、日本のECは全滅状態なんだよ。そーいや、取次が運営していたインターネットの本屋さんてのもありましたな)。今となってはアマゾンウェブサービス、つまりAWSが絶好調なアマゾン。
インターネットの本屋さん(まだ言うかwww)であり、テクノロジー企業でもあるアマゾンなんですけれど、その実はデータをヒジョーに活用するマーケティング企業なんだよね。日々繰り返されるUIのテストや、次々と送り出される新サービスは、すべてデータを取得・計測するための施策なんだよね。その繰り返しの中から、成功する次のサービスを見つけ出すわけですよ。ちょっと前、アマゾンダッシュが終了となったわけですけれど、アマゾンエコーよりも先にリビングルームに入り込んだガジェットは、信じられないくらい大量のデータを取得していたんだろうな。
そして、そのデータをマーケティングに活用したり、新サービス誕生に活用したりすると。
となると、どんな特別な指標を見ているのか?気になるわけですよ。
しかしですね、サブタイトルが「最低限知っておくべき15の指標」なので、知らないような指標、実はなかったりします。
その15の指標も「第四章 5つの重要な非財務系指標」と「第五章 投資リターンを示せ」として紹介されているのですよね。
ちなみに、これ以外のベーシックな指標は「第三章 10の伝統的なマーケティング指標」として紹介されております。
つまり、25の指標をみてマーケティング(だけでないけど)施策をみて運用していきましょうということですわな。
で、その15の指標はこれ。
①ブランド認知率
計測するためには、下記2つの質問を行うと。
[商品やサービスカテゴリ]について考えた時に、最初に思いつく[企業または商品名]を教えてください。
[商品やサービスのカテゴリ]において、他に聞いたことが[企業または商品名]を教えてください。
もちろん、ブランド認知率の推移をしることが重要なわけで、定期的にこの質問をしていくことが重要なわけよね。
で、次、
②試乗(お試し)
これは言葉そのままですな。オファーを変えることで、どれだけお試し、つまり、トライアルの数が変化したのかを調べる。
③解約(離反)率
いわゆるチャーンレート。この数字を下げることが、何よりも重要。そして、解約率は1年、90日、30日と言った期間で計測し続けると。
④顧客満足度 CAST( Customer Satisfaction)
顧客満足度って計測するの大変よね。だから、解約率を図ることでお茶を濁していたのよね。顧客満足度と解約率に逆相関があるとは言い切れないけど。
で、なにか顧客満足度を簡単に計測できるウルトラCがあるのかとおもったら、そうでもなかった。
あなたは友人や同僚に[製品、サービス、企業名]をどれくらい勧めたいと思いますか?
フツーにネットプロモーションスコアだった。
⑤オファー率
オファーを送って、そこからどれだけの人が申し込んでくれたのか?を図る指標ね。
⑥利益
当然だwww
算出の式も売上高−費用。
正気か。
でも、この利益は次への布石。
⑦正味現在価値(NPV Net Present Value)=PV(現在価値)−費用
⑧内部収益率(IRR. internal Rate of Return
)=キャンペーンや施策を実施する場合の投資利回り(複利)
⑨投資回収期間
投じた累計支出と同額の累計利益を稼ぐまでにかかる期間
⑩顧客生涯価値(CLTV. Customer Lifetime Value)
算出方法は∑が入ってくる数式になるので、ここには書けないので、本書参照。
そして残りの5つはネット関係ね。
⑪クリック単価(CPC)
⑫トランザクションコンバージョン率(TCR)
⑬広告費用対効果(ROAS)
⑭直帰率
⑮口コミ増幅係数(WON)
ぶっちゃけ、⑦⑧⑨以外はすごくふつーの指標、いや、この3つもふつーなんですけれどね、ふつーの指標をちゃんと見ることが重要なんだよな。ダイエットの基本が毎日、体重計に乗ることのように。
ただ、ダイエットがなかなか成功しないように、データマーケティングも、なかなか成功しないんだよな。成功しない理由もダイエットと同じで、いろいろ屁理屈つけてデータ収集や、計測をしなくなるからね。
そう考えると、基本ってすげー重要ってことだよな。
データ・ドリブン・マーケティング―――最低限知っておくべき15の指標
- 作者: マーク・ジェフリー,佐藤純,矢倉純之介,内田彩香
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/04/20
- メディア: 単行本
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