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大型商談を成約に導く「SPIN®」営業術

著者:ニール・ラッカム
訳者:岩木貴子
発行元:海と月社

 

まとめ

B2Bマーケティングとは突き詰めると営業効率化と、営業支援なわけです。そのためには大型商談の受注確率をあげるフレームワークを知ることが重要であろうということで、読んでみましたわ。SPINに®がついていたのがびっくりですが、見込客との間で行う質問という言葉のキャッチボールが何よりも重要という考えには賛成します。

 

この本を読んだ目的

B2Bマーケティングは突き詰めると営業の効率化なので。そのインプットということで、読んでみましたわ。
的確な質問を行うことが何よりも重要。質問することで、見込客の心を開かせることができるからね。でも、明後日の質問をすると、そこでゲームオーバー。
SPINとはSのsituation questions(状況質問)、Pのproblem questions(問題質問)、Iのimplication questions(示唆質問)、Nのneed payoff questions(解決質問)から成り立ちますね

 

目次

第一章 真実はいつも現場にある
第二章 大型商談と小型商談の違い
第三章 商談の四段階と「調査段階」
第四章 見込み客のニーズのつかみ方
第五章 潜在ニーズのつかみ方
第六章 SPINの効用と使い方
第七章 「利点」ではなく「利益」を語れ
第八章 反論の正しい対処法
第九章 商談の出だしは小さな工夫で
第十章 クロージングは要注意
第十一章 理論を実践に移すコツ

 

感想

仕事柄というか、お客様のB2Bマーケティングを支援するのがお仕事なんです。でB2Bマーケティングというと、日本ではなぜかツールの導入の話ばかりされるのですが、それは枝葉の話なのですよね。B2Bマーケティングの本質とは営業支援。営業の効率化。そう。究極的には営業をなくすこと、営業がなくてもうれる仕組みを作るのがマーケティングなんですよね。

そうやって、お客様にコンサルしているのですが、それで成功に導くことが多いのです。が、ワタシ、気がついたのですよ。「あ、営業についてちゃんと学んだことがない」ということに。営業、したことありますし、そこそこの結果を残したこともありますよ。でも、ちゃんと学んだことがない。

とくに、大型案件を受注するための営業を、体系だてて、まなんだことがない。

ということで、本書をよんでみた。

取り扱う商材の規模や、種類によって営業のプロセスは違うということが書かれていて、ドキドキしながらページをめくる。

そんなに大型案件にマーケティングは必要ないんじゃなかろうか?なんて思ったりするのですが、B2Bの大型案件てダムとか、発電所とかのレベルだったりするので、しばし無視。

そんな大型案件の営業で成否を分けるものがあると。それは、質問であると。

むむむ。

本書にはこう書いてある。

 

ほとんどすべての商談には、セールスを効果的に進めるための情報を見込み客から引き出す調査、つまり質問の作業が含まれているが、1960年代後半におこなった調査で、私たちは毎回同じ結論にたどり着いた。それは商談の成功例(受注や進展)では失敗例(継続や符整理)よりも質問がずっと多いということだ。

 

そーだよな。


「なにかお困りで?」とか「ご入用な製品はなんでしょ?」なんてアプローチしててはだめだよな。

 

こちらから、的確に質問していく必要があると。この質問に失敗すると、そこで営業が終わってしまうわけですけれど、成功すれば、どんどんどんどん受注確率が上がっていくとな。

 

で、本書では質問が重要である理由として次の4つをあげているのです。①質問は買い手をしゃべらせる②質問によって相手の注意を惹きつける③質問すると相手は納得するが、説明では納得しない④質問はニーズを明らかにする。

 

言われてみればそのとおりなんだけれど、このような糸を持って質問をすることができないんだよなぁ。だから、商談が失敗してしまうんだけれどね。

そして、その質問は何度も繰り返しているけれど、すればいいってものではない。的を外すとろくな結果にならない。そのことは本書でも述べられている。

 

大型商談では効果のある質問とそれほど効果のない質問とがあったのだ。つまり、大型商談の成功は、質問の「数」ではなく「種類」にかかっている。

 

あぁ。。。そうだよね。

商談で質問をする目的は、顧客のニーズを見つけだし、育てること

 

ですよね。まさにそうだ。

 

と、このように商談中における質問の重要性を問いている本なんなけれど、それには意味があるんですな。®までがついている「SPIN」という単語は質問と切り離すことができないからなのですよ。SPIN®の流れに則って質問を的確に行うことで、大型商談をものにすることができるというのが、本書の主張。

 

で、そのSPIN®は何を意味しているかというと、このように本書では説明されている。

SPINとは
売り手は
S situation questions(状況質問)
を使って背景情報をつかみ、
次に
P problem questions(問題質問)
を使って買い手の潜在ニーズをみつけ、
I implication questions(示唆質問)
を使って、買い手に問題の重大さを認識させ、
N need payoff questions(解決質問)
で買い手から潜在ニーズを引き出し、買い手自身に求めているものやその効用をいわせ、商談成立へ導く

 

いや、すげーふつーの話じゃないかwって思ってしまった、ワタシがだめですね。
いま、営業の現場を少し離れたからこそ、「質問が重要なんですよね」って語れますが、営業の現場で数字を背負っているときは、そんな話にならなかったからなぁ。目の前の話でいっぱいいっぱい。

 

なので、このように整理されると、スススっと心に染み渡ってきます。

で、そんな本書の中で、実は思いっきり心に刺さった箇所がある。

それはこれ。

「利点」とは、特徴がどう見込客の役に立つかを示すものである。
「利点」とは、見込客にとってコスト削減にならねばならないものである
「利点」とは、ニーズに応えるものである
「利点」とは、会社や部署ではなく、買い手個人のニーズに売ったエルものである
「利点」とは、強豪他社には提示できないものである
「利点」とは、見込に商品を買う気にさせるものである

営業で、マーケティング上のコミュニケーションで「利点」を必ず説くわけですが、その利点をこのように分類してもらうと、説明する際にすごく役に立ちます。

 

ありがとうございましたm(_ _)m

 

大型商談を成約に導く「SPIN」営業術

大型商談を成約に導く「SPIN」営業術