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バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る

著者:アレックス・オスターワルダー、イヴ・ビニュール、グレッグ・バーナーダ、アラン・スミス
訳者:関美和
発行元:翔泳社

 

まとめ

ビジネスモデル・ジェネレーション』との姉妹書ですが、この『バリュー・プロポジション・デザイン』と『ビジネスモデル・ジェネレーション』をあわせて読んで、それぞれの本の中に書かれているフレームワークでビジネスを整理すると、間違いなく無敵になれる。自分の強み弱みと、お客様が求めていることと、お客様が本当に必要としているもの。そして、それぞれのギャップを埋めてくれる、素敵な本!

 

この本を読んだ目的

お客様のビジネスモデルというか、お客様のセールスポイントを理解するために、読んだのですけれど、最高。
バリュー・プロポジションなんて横文字で考えずに「お客様が買う理由」と日本語で置き換えるとわかりやすい。お客様が買う理由を整理してくれるのが、この本。
バリューマップとカスタマーマップで整理をします。ビジネスモデルキャンバスは、事業の価値創造を助けます。バリュー・プロポジションキャンバスは顧客の価値創造を助けます。

 

目次


1.Canvas
2.Design
3.Test
4.Evlove

 

感想

この本、むちゃくちゃいいです。

 

ポーター先生の『競争戦略の優位』と同じくらいの名著だと、個人的には思っております。自社/他社/お客様の強みは何なのか?をきっちり整理するだけでなく、自分の強みをどのように伝えるべきなのか? その強みは受け取り手にとって本当にベネフィットがあるものなのか? をしっかりと整理してくれるのが、最高です。

 

ちなみに、バリュープロポジションって何かというと「お客様が買う理由」なんだと。

 

バリュー・プロポジションをひと言で言えば、「自社だけが提供でき、他社が提供できない、お客様が求める価値」。つまり「お客様が買う理由」だ。

 

この説明がわかりやすいね。
自社だけが提供できるものでなければだめだし、他社が提供できないものでないとだめだという。

 

ふむふむ。

 

仕事でお客様のビジネスモデルを整理することとなり、いろんなフレームワークで整理しているのです。そんな中で出会った『ビジネスモデル・ジェネレーション』。その『ビジネスモデル・ジェネレーション』との姉妹書ですが、この『バリュー・プロポジション・デザイン』と『ビジネスモデル・ジェネレーション』をあわせて読んで、それぞれの本の中に書かれているフレームワークでビジネスを整理すると、間違いなく無敵になれる。自分の強み弱みと、お客様が求めていることと、お客様が本当に必要としているもの。そして、それぞれのギャップを埋めてくれる、素敵な本!

 

個人的にはカスタマージャーニーマップよりも圧倒的に使いやすく、わかりやすく整理ができるフレームワークだと思っております。できることなら、カスタマージャーニーマップを作る前に利用したほうが良い。ってか、こいつを使って「ウチのコアバリューって何だ?」を整理しなきゃ、カスタマージャーニーマップなんて作れないよ。

 

それくらい衝撃的な本ですね。

 

ちなみに、『ビジネスモデル・ジェネレーション』と『バリュー・プロポジション・デザイン』の関係性は、こうやって本書で説明されております。

 

ビジネスモデルキャンバスは、事業の価値創造を助けます。バリュー・プロポジションキャンバスは顧客の価値創造を助けます。

 

自分たちのビジネス価値はなんだ?その価値はお客様の価値創造を手助けするのか?
そんな整理ができるのですよ。

 

ここの整理を間違えちゃうと、どんなカスタマージャーニーマップを作っても、うまく行かないわけですね。

 

そして、バリュー・プロポジション・キャンバスはCreate ValueValue Mapから構成されているのですけれど、それはこのように定義されていると。

 

価値を想像する Create Value
顧客を引きつけるようにデザインされた価値提案のベネフィット
顧客を観察する Observe Customers
あなたが想定し、観察し、市場で検証した顧客特性 

定義
バリュー・プロポジション(価値提案)
貴方の製品やサービスから顧客が期待するベネフィット

 

ふむふむ。

 

そして、Value Mapは「製品とサービスがどのように顧客の恩恵になるかを描きだす」エリア、「価値提案を基に作られる製品とサービスのリスト」エリア、「製品とサービスがどのように顧客の悩みを取り除くのかを描き出す」エリアから構成されているのだとな。また、Customer Profileは「ゲインという、顧客が達成したいこと、または顧客が求める具体的な恩恵を描く」エリア、「顧客の仕事という、「顧客が人生や職業を通して成し遂げたいことを自分の言葉で表現した」エリア、「ペインという、顧客の仕事に関係する悪い結果、リスク、障害を描き出す」エリアから構成されるのだとな。

 

ほほう。

こうやって「やればいいんだねぇ」ということは頭でなんとなく理解していたことが、すっごくスッキリと整理されましたね。

 

で、Customer Profileの作り方は①顧客セグメントを選ぶ②顧客の仕事を書き出す③ペインを書き出す④ゲインを書き出す⑤仕事、ペイン、ゲインを順位付けする。

 

すげーシンプルだw でも、この通りなんだよね。これをしっかりやらないとだめなのよ。

そして、Customer Profileをつくりさいに起こる、よくある失敗の整理がわかりやすい。

 

ひとつのプロフィール上に複数の顧客セグメントをごちゃ混ぜにしてしまう。
仕事と結果を混同する。
機能的な仕事だけに注目し、社会面と感情面を忘れてしまう。
自分のバリュー・プロポジションを念頭に置いて、仕事とペイントゲインを書き出す。
思いつく仕事とペインとゲインが少なすぎる。
ペイントゲインが具体的に描かれていない。

 

で、Value Mapの作り方は①製品とサービスを書き出す②ペインリーバーを書き出す③ゲインクリエーターを書き出す④重要度で順位付けする。

これまた、すごくわかりやすくて、これまたよくある失敗の例がわかりやすい。

 

特定の顧客セグメントを狙ったものではなく、すべての製品とサービスを列挙してしまう。
ペインリーバーとゲインクリエーターを書くべき場所に製品とサービスを書いてしまう。
顧客プロフィール上のペインとゲインに全く関係のないペインリリーバーとゲインクリエーターを書き出してしまう。
すべてのペイントゲインに対応するような非現実的な目標を掲げてしまう。

 

ほんと、この本、すごいなぁ。

これだけ理想論を並べられると「頭の体操じゃないか!」って突っ込んできそうな人がるんですが、ぶっちゃけそうですよ(とそこまでは、言い切っていないですが)ということで、仮説検証、つまりテストの行い方まで紹介されているんだよな。

 

ワークショップで「ビジネスモデル・キャンバス」と「バリュー・プロポジション・キャンバス」を作る方法を紹介し、さらにつくった内容を検証する方法まで教えてくれる。

 

で、最後に「ビジネスモデル・キャンバス」と「バリュー・プロポジション・キャンバス」は作って終わりではなく、”更新し続けていかなければならない”ということまで教えてくれるのですもの。だって、顧客だって状況は進化するし、自社の状況だって進化するのだから。その進化に合わせて「ビジネスモデル・キャンバス」と「バリュー・プロポジション・キャンバス」を。

 

 

バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る

バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る