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戦争がつくった現代の食卓 軍と加工食品の知られざる関係

著者:アナスタシア・マークス・デ・サルセド
訳者:田沢恭子
発行元:白揚社

 

目次


第一章 子どもの弁当の正体
第二章 ネイティック研究所 アメリカ食料供給システムの中枢Ⅰ
第三章 軍が出資する食品研究所 アメリカ食料供給システムの中枢Ⅱ
第四章 レーションの黎明期を駆け足で
第五章 破壊的なイノベーション、缶詰
第六章 第二次世界大戦とレーション開発の立役者
第七章 アメリカの活力の素、エナジーバー
第八章 成型肉ステーキの焼き加減は?
第九章 長もちするパンとプロセスチーズ
第十章 プラスチック包装が世界を変える
第十一章 夜食には、三年前のピザをどうぞ
第十二章 スーパーマーケットのツアー
第十三章 アメリカ軍から生まれる次の注目株
第十四章 子どもに特殊部隊と同じものを食べさせる?

 

感想

加工食品は身体に悪い。なんて話をよく耳にするわけですよね。常温保存でそんなに長持ちするには、なにか理由があるんだろうと、なにか身体に悪いモノが入ってるのだろうと。

 

現代の食卓に欠かすことのできない加工食品、その歴史と秘密に迫った一冊なわけですね。

 

加工食品が常温保存で長期保存が可能なのには理由があると。だって、本来はもっともっと長持ちさせなければならないわけだったのですから。地球の反対側で戦う兵士のために、アメリカ軍が開発したのが加工食品なのだよ。もちろん、そのまんま加工食品が兵士に配られたわけではないのですがね。レーションと呼ばれる携行食品がベースになり生まれたのが、皆の食卓に上る加工食品になっているのだと。

 

そんな加工食品の歴史以外に、そもそもの軍事用食品の歴史についても語られているのが、本書。ギリシャ、ローマ時代から、バイキングや、モンゴル帝国、ナポレオン率いるフランス軍に、第一次世界大戦中のアメリカ軍。

 

人類史上はじめての近代的な総力戦となった第一次世界大戦では、アメリカの生産力をもっても、国民生活に規制を強いなければ溜めだったのだと。民間企業の生産活動にも大きな規制がかけられたんだと。でも、国から軍事産業を支援する企業だと指定されれば、その規制もゆるく適応される、と。

 

規制下の企業活動と、大型取引と、身につける最先端技術。

 

これがなければ、我々はエナジーバーも、ハーシーズのチョコレートシロップにも、サランラップにも出会うことはなかったんだな、と。

 

レトルトと、パウチと、フリーズドライ

 

これらがない食生活をワタシは想像することができないもの。

でもね、やっぱ、加工食品ではなく、自分で手作りの料理を作りたくなるのよ。

 

そんな料理は、音楽に似ていると、著者は言う。限られた階級の人々のものだったのが、大衆のものとなり、どこにでも持ち運べるようになった、と。音楽がどこでも聞けるようになった、そのベースとなっているインターネットという技術も、軍事技術から生まれてるしな。

 

 

 

戦争がつくった現代の食卓-軍と加工食品の知られざる関係

戦争がつくった現代の食卓-軍と加工食品の知られざる関係